フェイスリフトの怖い合併症である「顔面神経麻痺」の続きです。

 

前回までの内容はこちら↓

 

 

今回は「頬骨枝」「頬筋枝」についてです。

 

まず始めに

「頬骨枝」「頬筋枝」の麻痺は頻度としては高めです汗

 

ただし、自然に治る可能性もそれなりにある

かつ、他の顔面神経麻痺よりは重症でがないことがある

 

という特徴がございます。

 

その理由は・・・

 

「神経のネットワークがあるから」

 

 

神経は電気が流れる電線のようなものです。

スタート(神経の上流)は耳下腺、つまり耳前です。

そこから各部へ分岐していきます。

神経は一方通行で行き止まり(各部、目的の筋肉に到達)です。

筋肉に電気が伝わり、動く・・・のようなイメージです。

 

つまり途中で切れたり、障害があると筋肉まで信号が伝達されません。

「側頭枝」「下顎縁枝」「頸枝」に障害が起こると、自然には治らない可能性があるのはこの為です。

神経が切れてしまっていると自己治癒はしません。

痛んだ程度であれば復活する可能性があります。

 

ところが、「頬骨枝」「頬筋枝」はネットワークと言ってお互いが末梢(筋肉の手前、つまりかなり下流で)繋がっています。

ですので、途中で障害が出ても自然に治る可能性があります。

 

 

そして「頬骨枝」「頬筋枝」の麻痺は頻度としては高い理由は、ちょうどフェイスリフト手術で操作する部位(特にリガメント処置)に神経が近い為です。

 

その為、リガメント処置の際は「神経刺激装置」というものを使って手術を行います。

この辺りのお話はまた今度blogにします。

 

 

「頬骨枝」「頬筋枝」の麻痺が起こると

・瞼が閉じづらい

・口角が下がる(上がらない)

・口を膨らませられない

・口をイーッっと尖らせられない

などの症状が起こります。

 

 

 

 

 

 

 

これらが片側だけできなくなる(両側の麻痺が出ることは…普通ないので)ので、不自然になります。

ちなみに私は先天的に顔面神経が異常です😅

片側だけ顔を動かす…ができません。

ウインクができないのです涙

 

手術直後は局所麻酔や腫れの影響で麻痺症状が出ることは珍しくありません。

極端に言えば、糸リフトなどの簡易な手術でも麻痺症状が出ることもあります。

 

術後1週間ほど経過しても麻痺症状が出てる時は注意が必要です。

おそらく、多くの執刀医が顔の動きを気にしていると思います。それくらいナーバスになります。心配なので・・・

 

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