【セミナーレポート】コスメを読む -パラベンフリー・防腐剤フリーとは？-

引き続き、『コスメを読む』セミナーのレポートです。

パラベンフリー、防腐剤フリーについてお届けます！

最近、化粧品のパッケージにパラベンフリーや

防腐剤フリーの文字を見かけますが
正しく理解しているでしょうか？

＊【防腐剤とは？】のレポートはこちらから
＊【パラベンとは？】のレポートはこちらから

パラベン　/　防腐剤フリーとは？

パラベン/防腐剤を使っていない化粧品のことを
指していますが、明確な定義はありません。
各メーカーが独自で決めています。

例えば、原料自体にパラベンが微量に含まれることは
ありますが、キャリーオーバー成分と言われ表示の義務が
ないので、パラベンフリーと記載があっても微量に配合
されている場合もあります。

食品の「ゼロカロリー」「カロリーフリー」には

厚生労働省の基準があります。

※食品では栄養表示基準で100ml（100g）当たり

糖質0.5g（2kcal）未満であれば

「ゼロ」・「フリー」と表示できます。

パラベンフリー化粧品の防腐剤

パラベン以外の防腐剤を配合している
ことが多いです。

例えば

　・フェノキシエタノール

　・安息香酸ナトリウム

　・エチルヘキシルグリセリン

　・クロロフェネシン

　・イソプロピルメチルフェノール

など。

フェノキシエタノールとは？

パラベンフリーの化粧品によく配合されています。

玉露の揮発成分として発見され、
高い殺菌効果を持っているため、
防腐剤・殺菌剤として化粧品などに配合される
アルコール成分の1つです。

旧指定成分ではない、自然界にも存在する成分
という点で、最近よく使われている
比較的新しい防腐剤です。

配合量はパラベン同様1％以下と定められております。

また、処方によっては防腐効果を発揮するために
パラベンよりも配合量を多くする必要がある場合も多いことが
知られています。

エコサート認証の防腐剤

オーガニック化粧品市場が伸びており

防腐剤についてもエコサート認証の成分を

使っていることを訴求する化粧品が増えてきました。

エコサート認証で認められている防腐剤には、
植物・天然由来のものがあります。

植物性・天然由来の成分が必ずしも安全ではなく

逆に石油由来よりも刺激が強い場合もあります。

防腐剤として使う場合、特定の菌にしか効果がない
ことや、防腐力や肌刺激の実績データが少ない分、
注意も必要です

防腐剤フリーの化粧品の場合

ジオール類など、保湿成分として配合され

防腐作用もある成分などを利用していたり、
エタノールなどの殺菌効果のある成分を
使うこともあります。

防腐剤フリーといっても、防腐作用の成分が

一切、配合されていないということはなく

何かの成分に防腐作用は含まれていることが
多いです。

防腐剤を配合しなくてもいいのは
純粋な水（H2O　水素と酸素のみ）くらいなものです。

空気に触れれば、酸化し、そこから腐敗も始まるため
防腐剤が必要です

防腐剤以外で防腐力を高めるためには？

ずばり容器の工夫です！

ジャータイプより、密閉性の高いエアレスポンプタイプや
バックレスチューブの方が菌から守ることができるため、
防腐剤の配合量を低くすることができます。

ジャータイプは空気に触れることや指で直接使うため、
ポンプタイプより防腐力が必要となります。

容器の防腐力を高めることで
防腐剤の配合量を少なくしたり
防腐力の低い防腐剤を使うこともできます

冒頭でも述べた通り
化粧品の防腐剤に関しての取り決めはありません。

全成分表示にパラベンや他の防腐剤の記載されて

いなくても、原料自体に含まれていることもあります。

この場合は原料メーカーに問い合わせない限り

消費者がパラベンや他の防腐剤の有無を確認する

ことができません。

原料をきちんと調べているメーカーが

ほとんどだとは思いますが取り決めがないため、

“パラベンフリー”　“防腐剤フリー”については
メーカーの良心に任されていることも事実です。

最近ではBGなどの保湿剤で防腐効果を持つ

成分と組み合わせたり、他の成分との

溶解性（溶ける性質）により

パラベン類の組み合わせや配合量は

少なくなってきています。

講義を担当していただいた島田先生は
正しい必要量がわからないまま防腐剤が
使用されているケースが多いと警鐘を鳴らしており、

防腐剤を正しく理解し、
“できる限り必要最低限にする方法”を考えましょう

と言っていました。

パラベンに限らず、○○フリーと謳っている

化粧品は数多くありますが、

○○フリーがどういう意味なのか

また、フリーのためにはどういう成分で

補っているのかをきちんと理解することが大切です

正しい知識を持って、化粧品を使いましょうね



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コスメが読めると化粧品はもっとおもしろくなる

次回はファンデーションの構成成分について
レポートします！