英語の勉強がてら、毎週教会が開いているBible Study、聖書のお勉強会、に参加しているのですが、そこの先生が教えてくれたのがこれです。

生徒のほとんどは日本人か韓国人なのですが、選挙でどう投票するかよく聞かれるから、ということで先生がシェアしてくれました。

知識としてキリスト教徒の投票行動については知っていましたが、このようにガイドライン的なものをみたのは初めてでした。

教会の事務所的な場所に貼ってあるものだそうです。

 

先生たちはみんな女性なので彼女たち、と呼びますが、彼女たちはいわゆるEvangelicals、福音派とよばれる、かなり保守的なキリスト教徒です。原理主義的、といっていいほど、聖書の内容をそのまま受け入れている人たちです。

誤解のないように、彼女たちはものすごくいい人たちです。外国人に英語の勉強もかねて聖書を教えよう、というのですから、本当にいい人たちです。アメリカで外国人にやさしくしてくれるのは、大体が教会の人たちです。

 

そして、本題に戻りまして、Christian Voters Guide、とありますが、冒頭に”Conservative”とつけるほうがより現実に近いかと思います。

1. PRO-LIFE candidate

 先日記載した中絶禁止、のスタンスです。”God hates hands that shed innocent blood"

 胎児という無実の血を流すのは許されないわけですね。

 赤ちゃんを授かったらとにかく産んでもらい、育てられないなら養子に出してもらう。アメリカ では養子縁組は非常に多いですし、教会の先生も養子を育てています。

2. PRO-TRADITIONAL MARRIAGE candiate

 伝統的結婚のみ認める候補者。つまり同性愛者同士の結婚は認められない、ということです。聖書では結婚は男と女、とされています。同性愛の人を差別、というよりは「結婚」は男と女、ということで、同性愛者の存在を否定するわけではないそうです。

3. PRO-ISRAEL candidate

 イスラエルはキリスト教発祥の地ですし、旧約聖書は”I will bless those who bless you (Israel)And the one who curses you (Islael), I will curse” つまり、イスラエルを祝福するものは祝福されるし、イスラエルを呪うものは呪われる、と。呪われるって怖いですね。

4. PRO-DEBT REDUCTION candidate

 最も債務を減らす候補者。キリスト教においては、お金を借りる、ということは貸主の奴隷になる、ということだそうです。

5. PRO-WORK candidate

 「働かざるものくうなかれ」 これは聖書の教えと知っていましたか?私はしりませんでした。

 キリスト教は労働を美とします。

日本でも生活保護などの給付金制度が問題になっていますが、アメリカでも、仕事をせずに給付金で暮らしているような人たちのことは問題になっています。オバマ政権(民主党政権)はオバマケアなどの健康保険制度を設立し、貧困者への給付等は増大する傾向にあります。

コアなキリスト教徒からすると、貧困者を救うのは政府の仕事ではなく、教会の仕事だそうです。事実、こちらの教会は本当にたくさんのチャリティを行っています。政府がただお金を配ることで、労働意欲のない人々が生まれているのは嘆かわしいことだそうです。

 

上記のガイドラインに従うと、やはり民主党には投票できないわけですね。

民主党は 中絶容認、同性愛婚容認、社会保障制度の充実 が基本スタンスですから。

よって、彼女たちはトランプ個人は好きでないにしろ、共和党の候補者に投票するしかない、ということです。

 

ただ、一口にキリスト教徒、といっても最近の教会では同性婚を認めたりといったより「リベラル」な教会もでてきているそうですから、どうしてもトランプが嫌いな人はヒラリーに投票する、もしくは棄権するのかもしれませんね。

 

ちなみに、こちらのデータによるとアメリカ人は7割がキリスト教徒。上記のようなEvangelicalsは25%、カトリックが20%だそうです。

彼らがどのような投票行動にでるか。

ちょっと違う視点から大統領選を楽しんでみるのもいいですね。

 

http://www.pewforum.org/religious-landscape-study/

かなりいろんな区分でのデータがあって面白いです。