ケースワーカーの仕事の1つに車の処分指導があります。
生活保護を受けるには車は処分しないといけません。(生活保護法での決まり)
何年式だろうが、売却して売れるどころか、処分代がかかってマイナスになっても車は処分です。
それに、「ガソリン代」「車検代」「修理代」「保険料」は税金から出ません。
生活保護を申請する前にまえもって、「生活保護を受けたいけど、通院で使うのに車は処分したくない。どうしたらいいか?」と聞いてくる方もいます。
もちろん事情は聞きますが該当しない内容ばかり。
終いには、車を処分することに相手が怒り狂って2時間怒鳴られたこともあります(謎)
車を処分するタイミングは、
生活保護を申請したときに車を持っていたら、生活保護が始まってから処分することになります。
出来るだけ早く、証拠の書類も提出してもらいます。
また、訪問するたびに車に乗ってないかメーターを確認します。
※これは福祉事務所によってやり方が違うと思います。チェックしない事務所なら乗れちゃいますね。
車の処分をスムーズにやってくれる人もいれば、いつになっても、何年経っても車を処分してくれない方もいます。(メーターは増えてない=乗ってない状態)
ちなみに、私がいた福祉事務所内では例外で車をもてたケースがありました。
例外といっても、このパターンだからOK!ではなく、福祉事務所内で会議を重ねた上で、です。保護者とケースワーカー、所長、議員が大揉めしたゆえに承諾されました。
同居する人が重度の障がいをもっていて、通院や通所に不便な場合です。足を切断した、下半身や上半身が麻痺で動かない方など、付き添いの家族と一緒に電車やバス移動するのは大変ですからね。
しかし、この場合も生活保護から「ガソリン代」「車検代」「修理代」「保険料」は出ません。なので、生活費の中でやりくりして捻出するしかありません。
障がい者がいるのにガソリン代もなにも出ないで、福祉事務所が酷く見えますか?
なんでかと言うと、
本来、重症心身障がいを持っている方は、施設で生活して介護扶助を受ける方が妥当とみるからです。
施設の方が専門的なケアを受けれますし、付きっきりで介助していた家族の負担が減れば、働くことにつながります。
そして話は変わって本題。
ワーカーをしていた時にずっと思っていたのが、「なぜ、期限を定めて確実に処分させないのか?」
緊急で生活保護を申請する人もいるので、(例えば入院中に申請、今日の食事もままならい状況で申請するなど)
そういう方に「車を処分してから再申請してください。」はありえません。
それに生活保護に該当するか微妙な方もいます。
自分で把握していない貯金があって、福祉事務所が金融機関に調査をかけたら貯金が発覚し、結局、生活保護に至らないパターンもあります。
なので、車を処分してから生活保護の申請をするようにともできません。
だからこそ個人的には、「生活保護を開始してから、1週間以内に車を処分しないと生活保護は停止する」など厳しくても義務化するべきだと思うのですが・・・
確実に1週間以内に業者に持って行くなり、引き取りに来てもらって処分。
本人、親族、時には役場、福祉事務所もフル動員で対応。もちろん、親族もおらず単身で入院していたら例外ですが。
何故ここまで強く言うのか、
現場に出た人ならわかると思いますが、実際に生活保護が開始してから、車を処分してくださいと話をしても、
ちゃんと対応してくれる人がいる反面、
・のらりくらり話を交わしたり
・威圧的に怒る、怒鳴る
・訪問を拒否する
などして一向に解決しないパターンも。どんなに言葉で説明しても、車を手放さない人が多いのです。
とにかく仕事が増える
他に大事な話があっても後回し、もしくは車の処分指導が後回しになったり、
車を持っている人を見かけた別の生活保護受給者が、「あの人が車持ってるんだから、自分だって持ってていいだろ。」と負の循環もできる。
とにかく良いことがない!!!
是非とも、世のケースワーカーのために法律を改善してほしいものです。