まるで夢みたいで



現実感が全くない今のこの状況。






声を出すことも、ましてや息をすることさえも一瞬忘れてた。




「ユチョン…?」







俺の目を覗き込んで名前を呼んだユノヒョンの声にハッとした。





「あっ……ぇ…」




ダメだ。




一体何から言えばいいのか全く整理できない。




「よく…分かんないよ…っ、ユノヒョン……」


「ん?」



「だって…ユノヒョンは……っ」



ジェジュンヒョンのこと…好きなんじゃ?






咽まで出かかったそれは認められるのが怖くて言葉にできなかった。




グルグルと余計なことを考えすぎて何が本当なのか分からなくなってしまう。





それなのに。

ユノヒョンは言った。




言ってくれたんだ。

俺が死ぬ程欲しかった言葉を











「俺の本当はここにあるよ。ユチョン」








俺の頬に触れる優しい手


求め続けていたもの









「俺が今までも、これからも。ずっと…好きなのはユチョンだけだ。」








真っ直ぐに見つめる瞳から目が逸らせない。




もう

逃げられない。

隠せない。





俺が伝えることはただ一つだ。








ユノヒョンは腕の力を緩めて俺の顔を見た。


間近にある整った顔に息が止まりそうになる。



それに比べて今自分がどんな顔してるんだかあんまり考えたくないよね…。








「好きじゃない…」




「…!」


その言葉に胸がズキンと痛んだ。





やっぱり?



奇跡なんてありえない…よな。





そう思った瞬間さらに涙が溢れ出してきた。


一体俺の涙腺はどうなってんだか

たぶん今ダムが決壊したかのごとく涙が流れてると思うよ。





どうしよ

一生止まらないかも





「…って言った方が嬉しい?」








「え…?」





絶望の淵に居た俺にユノヒョンの言葉が響く。



ユノヒョンはやっぱり優しく笑っていた。




「俺は」



頬に触れた温かい手

滝のように流れる涙を拭ってくれた。





「ユチョンが可愛くて愛しくて好きで好きで仕方ないんだけど…。好きじゃないって嘘ついた方がいい?」





頭が真っ白になる。


これって奇跡が起きたってこと?








“お前が…ユチョンが泣いてるのに放っておけるわけない。”






たった今俺の耳元でそう言ってくれたユノヒョン




でも正直これが現実なのかイマイチ自信が持てない。




だっておかしい。

ユノヒョンがそんなこと言う理由が分からない。




同じメンバーとしてほっとけないってこと?

リーダーとしてほっとけないって?



それともただの同情心?



ユノヒョンのことだからその可能性大いにあり。





だから
変な期待をしそうで…

怖い。








俺にとったら泣きたくなるような夢みたいな言葉でも

あんたにとったら何てことない軽い言葉だったとか

ありえすぎて笑えない。







この腕の温もりが

嘘みたいに優しくて



胸が苦しい。






でも



ユノヒョンの鼓動の音が自分の鼓動の音と重なる速さなのを聞いて





もしかしたらって






思えたんだ。









突然湧き上がってきた
希望に似た想いをどうすればいい?


素直にぶつけてみてもいいのかな?






















「何?ユノ、ヒョン…なんで?まさか俺のことっ…ひぐっ、す、好きなわけ?」





とことん素直じゃない自分






ほんとは気になって仕方ないのに


こんな風に言うことしかできない。









“好きになって…

俺のこと”







いつまでも捨てられない願いを持ち続けているくせに
その願いを口に出すことさえできないなんて情けなすぎて泣ける。





それにあんたから“好きじゃない”なんて言われたら立ち直れないかも。





それでも…


それでもこの温もりと伝わる鼓動に


願いをかける