ベッドから遠ざかり丸くなったユチョンに視線を向ける。



静かになった室内に響くのは時計の音だけ




まるで死刑宣告でも待つ気分だ。








ユチョン



ユチョン







好きなんだ。







ユチョンのことが



好きでたまらないんだよ。













「…っ……あ…」





そして
丸くなった布団が動いた。










「ユノヒョ……っ」












そっか…。



お前は俺の名前を呼んでくれるんだな






それで充分だ。


















お前が俺を呼んでくれたから




俺はもう抑えない。









やっと布団から顔を出したユチョン



その顔はやっぱり涙で濡れていた。



「バカ…。なんて顔してんの」



一体
どれくらい泣いたんだか



鼻は真っ赤だし目も潤んで赤くなって


まるで本当のウサギみたいだ。








なんかもう…

たまらない。






「ひっ…く、……ヒョ、ン?」




目を大きくしてユチョンは驚いた顔をしている。


その瞳からまたひとつ
ポロリと涙がこぼれ落ちた。






その涙を今すぐ止めたくて。







「ユチョン…悪いけど抱きしめる。」




「…え?」







背中にくっついた布団ごとユチョンを力強く抱きしめた。






きっと…

俺はもう止まらない。







「別っに…っ、泣いてなんか…ない、し」



彼から返ってきたのは
予想通りやっぱり素直じゃない返事。




「ユチョン」



丸くなってないで顔見せてくれよ。





「ねっ…眠い、だけだしっ!出てってよ…!」




「……。」




だめか…。

仕方ないな。






「そうか…。分かった。」







無理矢理どうこうしようとしたって意味がない。



ユチョンが俺を求めていないのなら俺にはどうしようもない。








だから…


悪い。






ちょっとだけ試させてくれ。






もし

俺のことを本当に必要としてないなら
このまま俺はお前を遠くから見ているだけの存在でいる。


きっと一生…。







でも

もし


もし少しでも求めてくれるなら





俺はお前に全てを伝えるよ。





ノックをしたけど返事がない。


なので悪いとは思ったが部屋に入る。




そして部屋に入ると目に入ったもの




それはこんもりと丸くなった布団だった。






……。



これはどう考えればいいのか…



あの丸まってるのはユチョンだよな?



声を掛ければいいのか…そっとしといた方がいいのか迷うところだ。



「………。」





それにしても…


かわいすぎるだろ、ユチョン…。







「ユチョン」




迷った末名前を呼んだ。

するとピクリと丸まりが動いた。



しばらく彼の反応を待つ。

でもユチョンは布団に潜ったまま返事をしない。





「ユチョン」



ベッドに近付きもう一度呼んでみる。








「……っ……ヒョ」




相変わらず丸くなっているユチョンがやっと声を出してくれた。



その声は涙声だった。













ユチョン…


泣いてたの?


一人で

こんな丸まって…
我慢して




「…なっ…んか用……?」


「…何してんだ?」




そんなの分かりきってる。


隠れて泣いてたんだよな?


「べつ…っに…。」


強がってるようなその声は震えていて


聞いてると堪らなくなる。






「…泣いてるのか?」




ユチョンのことだから素直に泣いてたなんて言うはずないけど、それでも聞かずにはいられない。



なんで

なんで一人で泣くんだ?


こんな丸くなって一人で泣かないでくれ。





俺に…頼ってくれ



そう思わずにはいられない。