Eleonore第53話 | Eleonore

Eleonore

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「うわぁ、すごい。」

エレノアとマムがベリエールに連れてこられたのは、

彼の私室だった。

城の最上階にあり、城下町、それを囲む堀、

さらに外は森に囲まれている景色を見て、

エレノアは目眩がしそうだった。

「ここなら誰にも聞かれまい。」

ベリエールは扉に鍵をかけ、窓を閉じると、

カーテンで外が見えないようにした。

「どうして窓まで閉めるの?

 誰も中へ入ってこれないと思うわ。」

「念には念を入れねばな。鳥が聞くかもしれぬ。」

鳥が聞いてもどうにもならんじゃないかと

エレノアは一瞬思ったが、

ここは魔法の国だということを思い出した。

服を作るクモや二足歩行する魚がいるのだから、

人語を話す鳥が現れても驚くまいとエレノアは心に決めた。

「それであなたの話したい歴史って何?

 どこから話すの?」

「うむ。まず我が国の始まりから話すとしよう。」


今から数千年前、この地はあまりにも荒れ果ており、

作物があまり育たなかった。

雨が降ることなどごくまれで、

人々は飢えと渇きに悩まされていた。


「信じられないわ。」

エレノアは窓の方を向いて言った。

「だってあんなに緑がいっぱいなんだもの。

 昔は草ひとつ生えていなかったなんて。」

「それについては後で説明する。」

ベリエールは話を再開した。