雑貨メーカーをやりはじめて10年近くがたちます。
その間には失敗(売れない商品を大量に作ってしまった)もあったし、販売不振に悩む時期もありました。とはいえ今までなんとかやってきたのは、やりながら商品を少しずつ変え、製造方法を変えてきたからです。
そんな僕から言えること。それは「小さなメーカーは、単価の低いものを作るな」ということです。
僕も昔作っていました。付箋をはじめ、紙製の雑貨類。500円すると「高い」と言われるような世界です。それでも、工場はお金を積めば作ってくれるし、大量に作って「これをさばきさえすれば」という気持ちで頑張っていました。
実は、それが間違いだったんですね。
低単価なものは、往々にしてロットが大きい。500個でも小ロットの部類に入ります。200なんて極小ロットでしょう。そこに、1種類につき何十万円とつぎ込むわけです。展示会ごとに3種類とか。
まあなんとかお金が出せて、作れたとしましょう。展示会でも上々の反応だとします。そうなったらあと3種類とか、販売店の要望もあって作ることになるような話もザラ。展示会の反応が上々だったので数は出ますが、そこで儲けたお金から、その追加の3種類を作らないといけません。それもなんとか作って、そうしているうちに最初の3種類がなくなってきたので次のロットを…
そんなことをしていると、生活費が全然残りません。
これには2つ要因があって
1)低単価商品はすぐに「バリエーション」を求められる。
2)販売サイクルとロットのスピードが合っていない。
ということがあるんですね。
1は、さっきの流れに書いたとおりで、せっかく儲けても、次の商品の製造に注ぎ込まざるを得ないというシチュエーションが、非常に多いんです。「ある程度数量があったほうが棚が取りやすい」とか問屋さんに言われて、作っちゃうんですよね。。
そして2。製造したものが、支払いサイト内で全て売れれば全然良いんですよ。
30万円で作った1000個があるとして、それが全部売れたら60万円になるとします。
そしたらそのうち30万でまた1000個作って、30万は生活費に充てられるわけです。
支払いサイトが、1ヶ月としましょう。
今月買ったものを、月末で締めて来月末に支払います。
その、今月買ったものを、今月中に全て売ってしまえば、来月の支払いに充てることができ、
上記の30万円は晴れて「生活費」となるわけです。
ここが、うまくいかないんです。
だって、どの工場も、ロットを「1ヶ月で全部売れるだろう数」だと思って提示しているわけではないからです。
そこは自分で考えないといけない。
単純にいうと
「このロット数は、自分が1月でこなせる数だろうか?」と考えないといけないということです。
この辺が、大きなメーカーと小さなメーカーの違いでもあるんです。
大きなメーカーは、資金がありますから。それを使って、何種類も作って、何種類も回して利益を出すことが可能です。
小さなメーカーは、1種のロット分を支払うのがやっとだったりしますから、
それで、上記のような負のサイクルに陥ってしまうわけなんです。
つまり、小さなメーカーは、手元の資金が潤沢にあるのではないかぎり、ロットの大きい商品には手を出してはいけません。
これは僕の経験を踏まえていえることです。
そんな僕がどういう方向に商売を変えてきたかというと
1)なるべく小ロットで作れるもの
2)なるべく単価が高いもの
これらを作る、という方向に変えてきました。
1は、説明してきたロット問題を解決するものです。20個以下で作れるものしか、今はもうやっていません。
2は、これまた小さなメーカーの問題点なんですが、人手がありません。ですので、低単価なものがドカーンと売れてしまうと、嬉しい反面、梱包発送業務に追われて他のこと(大事な、開発とか)が全然出来ないということになってしまいます。
500円のものを20個出荷するのと、1万円のものを1個出荷する。売上は一緒で、労力は全然違いますよね。
僕も10年ちかくやってきて、ようやくここに至りました。
最初の頃は、作れる楽しさでどんどん作っちゃうんですけどねやっぱ。
これからメーカーになりたいという人がいたら、ご参考に。