見慣れた神社の境内に

祭囃子は近所の娘さん

隣町には届かない霊妙は

集う人達の魂に触れる

 

私を待っている人の顔が

誰だかわからないままで

吹きつける冷たい風に

仄かなぬくもりを覚えた頃

 

天高く、獅子舞、踊る

故郷へ 遠い故郷へ

 

滞留する空の青へと

和太鼓の音色が舞い上がる

無形だった悦楽が

無力のままの憐憫が

一緒になってはしゃぎ回る

 

時の早さに伝統は

伝説へと変わりゆく世界で

力いっぱいの演舞と拍手に

光の河が流れ出した

 

その光の正体は

紛れもなく、心の灯り

 

光はいずれ褪せてしまっても

灯は暗闇に燈る

混沌が寂寥に支配される日には

獅子舞が大きな口で

呑み込んでしまうだろう

先祖までもが

目を覚ます様な轟音で