草花茂る茨の道を

甘い飴玉 舐めながら歩いた

幼い記憶の隙間に潜んで

切株に座り 水筒を傾ける

 

入道雲の端くれが空にはぐれて

風に行く先を尋ねている

狸がくすねたとうもろこしの茎は

大きく歪んだ後 凛々しく立ち上がった

 

太陽のかくれんぼが始まり

空は赤子の泣き声の様に唸り出した

必死に丘まで駆け上がると

無数の雨粒の波紋が騒いでいる

 

この気持ちで君に走り出せば良かったと

雨宿りする小屋の中で吐いた溜息

常夜灯の役割も持つ自動販売機は

缶を吐き出すと人は喜ぶと云うのに

憎たらしい程 響く呼吸音が

心を強くさせると誰かが唱えたはずだ

 

黄昏の家路は鴉の野次が飛び交う

野球少年は荒れた砂場を均している

雀が珍しく濁った声色で鳴く

こんな風に失恋すれば良いのだと学ぶ