クリスマスツリーだったモミの木の

夏の感情を聞いた事がない

輪郭を読み取ろうとすると出来ないのは

さっきまで降り続いた雨の形を追う視線が

地面に辿り着くのと同じ現象だ

いっその事 地面に聞いてみればいいんだと

覗き込む水たまりに映る自分の顔は

クエスチョンマークに擬態したみたいで笑えた

 

人の心にある

この「すぎる」問題は複雑だ

暑すぎる夏は冬が恋しくなる

寒すぎる冬は夏が愛しくなる

愛しすぎると憎しみが生まれる

悲しすぎるとあらぬ想いに苛まれる

私はモミの木の傍に椅子を置き

通りすぎる風に頭を捻りながら

花火が上がるのを待っていた

 

雨上がりの夜空に花火が舞い踊る

情熱に湧く轟音に煌びやかな花飾りは

ここにいる全ての人の心模様だ

笑ってもいい 泣いてもいい

空一面に輝く光を浴びながら

過ぎる時間に陶酔する

 

そして瞳孔が明順応から暗順応に変わると

次の花火は冬を超えて打ち上がる

暗すぎる夜空に淡く煌めく星たちを

期待と捉えるか 寂寥と捉えるか

私はモミの木に尋ねてみる