交差点の隅
幹線道路の光の川を眺める
どこから来て
どこへ向かうのか
知る由もない箱舟が
地平線に
ビルの隙間に
吸い込まれていく
その確固たる光の集合体を
三色の信号機が操る
赤色で止める流れは
青色で進む急流を
時に恨めしそうに
時に羨ましそうに
互いを干渉するから
黄色の戸惑いは優しい
歩道に投げ込まれた小さな光は
赤色で滞留する
幾つもの個体に衝突し
対岸へ弾き出された
その光を「失望」と名付ける
弾き出された光を蹴飛ばして
青色で漂流する
幾つもの個体に吸収され
彼方へと消えていった
その光を「希望」と名付ける
もし二秒間の黄色に
失望を投げ込めば
希望を投げ込めば
あやふやな個体の流れに
惑わされたかった光だけ
「夢」と名付けるだろう

