生まれ故郷の話をする天使と悪魔は

天国と地獄がどんな所なのかと聴く

「天国は雲の上にあって、純白に囲まれているんだ

 綺麗な花がたくさん咲いていて、

 人々は美しい経験の中から育んだ言葉で話している

 笑顔の絶えない街なんだ」

「地獄は土の下にあって、暗闇に囲まれているんだ

 マグマが湧いていて、まるで地球の怒りを感じている様な

 罵声が飛び交っている、活気のある街なんだ」

天使と悪魔はお酒を酌み交わす

 

「お二人さん、遅れてごめんなさい」

青い鳥の供養を終えた私は

神妙な面持ちで席に合流する

「この度は、大変でしたね」と

二人は口を揃えて云う

「あの青い鳥の行く先は、天国か地獄、どちらでしょうか」

私は尋ねると

「地獄です」と天使は云う

反対に「天国だ」と悪魔は云う

 

「実はあの青い鳥が飛び立った時

 肩の荷が降りた気がしたのです

 それはまるで音楽家を諦めた日の楽器を見るかの様な

 後悔のない心を手にしたのです」

私は思いを伝える

「それならその青い鳥は、ひとまず天国で暮らしてから

 地獄へと向かうでしょう」

地獄出身の天使は云う

「お前の肩を降りて、また誰かの肩に乗る

 そうしているうちに、隣の芝生が青く見えて

 その生活に飽きてしまうからだ」

天国出身の悪魔は云う

 

私は青い鳥が去って

夢が破れたその日が地獄だと思っていたが

実は天国なのかもしれないと笑い、二人と乾杯をした

 

そして、それぞれの生まれ故郷について話し出した

「あの街は…」