羽が一本 落ちている
水たまりを探す
あのカラスの羽か
太陽の熱を背負って
うだる様な声で鳴いている
その声は
悲鳴なのか
水を見つけた歓声なのか
解明した者は
未だ存在しない
興味本位で近付くと
無慈悲な警戒感を示す
この位の距離が
互いの為なのかもしれない
背の高い建物で
見えなくなった向こうの山では
クマが頻繁に目撃されている
餌を探しに来ているのか
住処を追い出されたのか
朽ちゆく自然の中で
怖がるヒトの声の隙間を
彼らなりの主張が
縫って行けたら美しい
それなら
ミサイルにも感情が欲しい
あの街に堕ちたくないと
悲鳴を上げれたら
勝負の綾で生じる
ヒトの歓声と悲鳴を
阻止する事が出来るはず
広い青空の下で
カラスの羽が
また一本 落ちている
木の上に止まっているカラスは
子供たちの自転車の籠の中
お菓子に狙いを定めて
飛び立った
その瞬間
幾つもの声が聴こえる

