新しいコップを眺める
神々しい光を乱反射させる姿は
まるでシャンデリアだ
使い古しのコップに水を注ぐ
飲み干したら一日が終わる
埃が被らないように磨く
家の呼び鈴が鳴って
宅配便が届いた
中身は言ってみたい街の
地域限定ジュース
新しいコップに相応しい代物だ
いざ注ごうとすると
何故か躊躇ってしまう自分がいる
汚すのが嫌だからなのか
眺めるのが好きだからなのか
何の為に購入したのか
空の彼方から問い質される
コップの立場からすると
使い込まれるのが本望なのか
永久に飾られるのが本望なのか
芸術的なデザインの品物の中から
自分に選ばれた事をどう思っているのか
僕らは夜中
間接照明の部屋で思慮をめぐらす事となる
夜更かしの影響で遅く目覚めた朝
新しいコップに
飲みかけのジュースが注がれていた
ランニングを終えた娘が
何の気なしにそのコップを選んだのだ
少しの安堵に漏れ出した溜め息に
燦然と輝く光を眺める

