「友達が死んじゃった」って鳥が教えてくれたんだ

その子の妹は鷹にさらわれたんだって

あそこの山はダイエットに苦しんで禿げてしまったらしいと

熊が餌を探しがてら教えてくれた

銃声が鳴り止まないのは鹿の一人っ子政策が始まったから

「寒くない北極に還る」と極鯵刺の群れが唄ってた

 

何のためにこうなってきたか

誰も知らない世界

 

桜の演劇の時期が早まってきて

太陽が海水を飲み干しそうで

銀杏のお化粧が下手になって

雪は雨と結託したらしい

 

「か細い呼吸が聴こえる」と

明日死刑の樹々が残してくれた言葉

 

遠くから「バタン」と音がした