盆ジョルノ!


2026年8月5日の水曜日。

来たぞ。ついにやって来た。

1年に一度の重要、重大な危険イベント。

そう、健康診断である。

 

毎年木曜日を検診の日に指定予約し、その三日前である月曜、火曜、水曜を禁酒するという苦行をあえて行っている。なぜかって?わざわざ説明する必要もないだろうが一応書いておく。

 

私は重度のアルコール依存症であり、特にビールと芋焼酎への依存が強く、毎日これを摂取しないと、動悸息切れめまい、手の震えが止まらず、幻覚が現れて最終的には虚ろな眼で街中を彷徨いながらゴミを拾い、交番に届けるという奇行を続けてしまう。嘘だ。とにかく酒を抜くことができない大酒飲みなのである。

 

そんな私なので、健康診断の前日に普段通り大酒を飲んで血液検査を受けると、かかりつけのやぶ医者に大目玉をくらってしまうのだ。なので検査の3日前くらいは酒を控えて、颯爽と偽りの血液検査結果を提出して褒めてもらうよう心掛けている。しかし3日間酒を飲まないというのは私にとって思った以上に苦痛である。楽しく飲んで楽しく食べる晩酌の時間とは違い、食べるだけで10分とかからず終わってしまう虚しい作業になってしまう。その後はやることなし。ボケーっとスマートフォンで動画などを見て布団にもぐるだけである。

 

もぐったは良いが、ここからが戦いである。眠れないのだ。いつもだったら程よく酔っ払い、横になると3分とかからずに夢の中へと連れて行かれるのだが、シラフだとそうはいかない。目を閉じて眠ることだけを考えるのだがなかなか眠れないし、眠ったとしても浅い眠りですぐに目が覚めてしまうのだ。そんなことを繰り返しているうちになんとなく起床時間となってしまい気怠い一日が始まるという全く良くないことづくめなのである。

 

なので今年はそんな苦行を1日減らすことにした。水曜日を検診の日に指定し、月、火だけ我慢して、水曜日は爆発するのだ。グヒヒ。あの夢のようなキンキンに冷えた旨いビールを想像しながら初日の禁酒デーを乗り切った。ああ、辛かった。

 

二日目も同様だ。どうせ眠れないのだから早めに夕食をとるとすぐに床につくことにする。横になりながらスマートフォンを片手に右、左へと寝返りを打っていると、なんとなく寝たような気がするのである。

 

ブルルルルっ!

 

おお!起床時間だ。スマートフォンの目覚ましバイブレーションが私の酒飲み心を揺さぶる。ヤッタ!終わったぞ!ついに禁酒解禁の日がやって来た。今日は飲める、飲むのだ!いや、飲んでやるぞ!早朝からそのことだけを考えて出かける準備をした。

 

 

見覚えのある街。

 

 

ドーン!

我ら大酒飲みの聖地、立川にある検診センターへとやって来た。今年、いつも検査してもらっている病院の予約が全く取れなかった。近所の病院で私が受けるオプション検査ができる場所は限られている。なので今回は初めて立川にある健診館へとやって来たのだ。

 

試しに立川の街にいることを伝えるため、写真を撮ってT川氏に送ると5秒後にコメントが入った。

 

「飲みに行く?」

 

おい、待ちなさい。今はまだ朝の8時前である。私は健診が終わるとその後は仕事もあるのだ。丁重にお断りすると、検診館の門をくぐった。残念、飲みたかったが、、、

 

初めての検診館は健康診断専門の施設だけあって全てが効率的なシステムだった。入り口に入るとすぐに整理番号が発券され、順番が来ると名前が呼ばれる。問診はすでにWEBで済ませてあったので、持参した尿と便の検査キットを受付のお姉さまに渡すとスタッフに促されて専用のウェアに着替えた。

 

検査ルームに出ると同じスタッフに血液検査を受けるよう案内された。その後は内臓のエコー検査、視力検査、脳ドックなど待ち時間がほとんどなくスムーズに流れていく。今年は秋に胃カメラを飲むつもりなのでバリウムを飲んでの胃透視検査はしないことにした。それも相まってかとんとん拍子に検査が進み、9時半にはすべての検査が終了してしまった。オプションで追加した膵臓癌のチェックは血液検査に含まれるので、残るは着替えて清算のみである。

 

受付に呼ばれて会計が終わると、最後に医師による簡易的な結果発表があるので診察室に向かうよう指示された。言われた通りにそちらへ行き待合室に座ると、5分も経たずに名前が呼ばれた。

 

人当たりの良い同年代の男性医師が今回気になったポイントを説明してくれた。そしてそれと同時に血の気が引いていくのが分かった。

 

「cornさん、検査、お疲れさまでした。今回の検査で気になった部分は、まず肝機能の数値ですね。これはかなり高くなっていますので、かかりつけの先生に相談してください。あとは血糖値ですね。これはもう少し数値が上がると糖尿病という診断が出る可能性があります。こちらもかかりつけの先生に相談して治療方針を決めてください」

 

頭が真っ白になった。肝臓が悪くなるのと、遺伝家系である糖尿病にだけはなりたくないと、これまで運動や食事制限で努力してきたつもりだった。しかし思い返せば今年の正月、交通事故に遭って体を動かすことができなくなり、それに甘えて運動せずに暴飲暴食を繰り返してきたではないか。

 

半年間、その様な生活をしていた上に7月になると博多ラーメン放浪の旅に出て暴飲暴食、新潟の実家へ帰って暴飲暴食と、やりたい放題の飲み放題、食べ放題三昧であった。悔やんでも後の祭り。後悔先に立たずなのである。クソーッ!

 

肩を落とし、涙で頬を濡らしながらナメクジのように陰湿な雰囲気をこれでもかとまき散らしながら診察室を出た。なんだバカ野郎!お前なんか大嫌いだ!と先生に向かって心の中で叫び、検診館の入ったビルをあとにした。

 

何か腹減ったな。おお、そうだ!朝から何も食ってなかったんだった。

 

 

事前に調べておいたこの店に行こう!

 

 

大盛りつけ麺、ラーメンと言えば大勝軒に決まり。暖簾をくぐると先客は1人だけ。なんせまだ午前10時過ぎである。店内は清潔で気持ちの良い接客のスタッフに案内された席に座る。

 

 

えーっとどれどれ?事前に調べておいた口コミだと、つけ麺は量的にもの足りなさを感じるのでラーメンにした方が良いという意見が多かった。

 

 

ドーン!

もちろん2玉がデフォルト盛りの中華麺1100円にした。

 

 

しかも次回使えるサービス件までついているではないか。通うかな?

 

 

麺は少し柔らかめで大勝軒にしては細い麺だったが旨し。

 

 

スープは魚貝系の透き通ったアッサリだがたっぷりのコクがある味。たまりまへんな―。

 

 

チャーシューは噛み応えのあるタイプでこれまた旨し。

 

 

健康診断で傷心し切った心を癒すには持って来いの逸品、一杯なのであった。

 

反省なんかしない!

しないぞ!

さあ、またいちからやり直すのた!

もちろん明日からね。

今日からじゃないのが味噌ラーメン!

 

 

-----

 

というわけで正式な検査結果は届いていないものの

 

最悪のシナリオになりそうな今年の健康診断

 

あのイヤーなかかりつけ医には絶対に見せたくない

 

さて、どうしようか、、、

 

とりあえず、飲みながら考えるか

 

ビールをこよなく愛する皆さま

 

であるからして

 

やっぱり今宵も

 

キンキンに冷えたビールで

 

乾杯ッ!

 

なのである

ムフフフフ。