今日の朝、今シーズン初の綿帽子をかぶった富士山が見えた。いいことあるぞ!

【昨日のビール】

ロング缶:本2

芋焼酎ロック:5杯

 

【昨日の実績】

自転車:×

お菓子断ち:×(バタピーを大量)


昨日は自転車も乗らず、歩きも走りもせずにバタピーを食べた。この堕落した1日、どうしようもない。今朝、起き抜けに顔を洗ったら鼻のまわりが脂でテカってみえた。バタピー効果、恐ろしや。

こ、後悔なんかするのもか。



----------


今日は出社の日で、いつものように電車の中でこのブログを書いている。私の乗る電車は都心と反対方向に進むのでとても空いている。数年前までは都心に向かう電車に乗り、揉みくちゃにされながら通勤していた。その時、反対方向に進む電車のガラガラの車内を見て非常に羨ましく思っていたものである。どこの車両にいても絶対に座れるのだ、羨ましいに決まっている。そんなことを思い出しながら今朝、ガラガラの車両に乗り込んだ。ムフフ。


そのあと途中駅で乗り換えがあるのだが、その駅から始発で出る電車が数本あるので、いつもその電車の発車時刻に合わせて乗換え駅のホームに降り立つ。早い時間の電車なので、その駅始発電車もガラガラであり必ず座れるので、これまた楽ちんである。私がホームを歩き始める頃には、すでにその始発電車を待つ人の行列ができているのだが、それもまばらな人数で、座れないようなことは絶対にない。そうなると人間は贅沢なもので何を考えるかと言うと、良い席に座りたいと思うのである。


良い席とは、グリーン車のゆったりシートなんていうものではなく、場所の良い席のことである。私が乗る車両は一般的な窓際に7人掛けのモケット生地でできた長座席が並ぶあのタイプである。その中で良い席というと、やはりドア寄りの角席になる。座ると片方の肩が壁にもたれることができるので、両側に人が座るようになる真ん中側の席よりもリラックスして座れるのだ。


早い時間にその駅始発の電車を待つ、行列に並んだ角席争奪戦士達は、少し鼻息を荒くしながらその行列に並ぶ他の戦士の人数を俯き加減でチラリと数えるのである。栄光に輝く角席は一つの出入り口ドアに対して4席しか用意されていない。乗り込んだ向こう側のドア両側2席と手前側ドアの両側2席である。


これに対しホームで電車を待つ戦士達の行列は1つのドアに対して左右に1列ずつできている。ラッシュアワーになるとこれが左右2列になり、競争率がぐんと上がるのだが、早朝はそんな事にはならず、左右合わせて2列である。そうなると必然的に左右の列に並んだ先頭2名が栄冠を勝ち取る事になる。3番目に並んだ時などは、落ち込み具合が半端ではない。ああ、今日は7人掛け席の中央あたりに立つ金属のポール辺りに座るか、、、などど試合が始まる前から落胆してしまうのだ。しかしそんな時に限って変わり者のゲリラ戦士が前に潜んでおり、いきなり真ん中の席に座ったりしてトリッキーな動きをするので、棚からぼたもち的なラッキーな朝を迎える時もある。


運良く前から2番目に並んでいても、ウカウカしていられない。前に並んだ1番目の敵を注意深く見ていなくてはいけないのだ。電車のドアが空いた瞬間、1番目の敵が車内に雪崩れ込んだ時に、奥の席に座るか、手前の席に座るかを一瞬で目視し判断しなくてはならない。敵の足元を見ると、その足首の方向が鋭角に捻られると手前の席、真っ直ぐ反対側を向いていると向こう側に座るという分析結果が日本帝国データバンクから発表されているのだ。


たまに、足首が真っ直ぐ向こう側に向いているので「敵は向こう側だ!私は手前の席に座るぞ!」とスピードを落とすと、そいつが心変わりした乙女のようにフラリと急に私の前を遮り手前の席にチントンシャンと座るようなことも多々ある。そんな時は要注意だ。私がそのちんとんしゃん野郎とすったもんだしている間に、隣に並んでいた3番目のサイコ野郎が、突然ダッシュしてきて、私が座るはずだった向こう側の席にドスンと座り、満足げに腕組みなどをして目を閉じ、寝たふりを始めるのである。そんな時は頭に血が登り「おいっ!コラ!そこは俺が座るはずだった席だぞ!譲れ!このコソ泥野郎!」と思い切り心の中で叫んで、真ん中あたりのポールの隣に何事もなかったように平然を装い、うなだれて座るしかないのである。クソーッ!


そんな朝の争奪戦が繰り広げられるのだが、先日の話である。私はいつものようにその駅が始発になる電車に乗ろうと、ホームにできた列を目指した。真ん中寄りの車両はすでに4人以上が並んでおり、角席を取れる確率はゼロに等しいことが分かる。なので奥の方へとどんどん進んでゆく。どこも4人以上の行列ばかりである。そうこうしているとついに最後尾の1番後ろのドアまで来てしまった。


最後尾のドアにある椅子はどのようになっているかというと片方は運転席になっており、椅子などなく壁になっている。最低だ。そしてもう片方は普通に座席があるので、角席は2つしかない事になるのだ。そのような事は周知の事実なので、みんなはあんまり最後尾には来たがらないようである。パッと見ると1人しか並んでいないではないか。ラッキーである。私は幸運にも2番目に並んだのである。角席確定!踊る心を押さえつつニヤつきながら余裕の表情で到着する電車を待つのだ。


ゆっくりと電車がホームに入ってきた。やあ、お疲れ様。今日はよろしくね!などと心の中で挨拶を交わし、ドアが開くのを待つ。私の前のオッサン戦士はドアに頬を引っ付けるくらいに接近してドアが開くのを今か今かと待っている。


焦るなよ、おじさん。どう考えても私と2人きりなので席を取られる心配はないよ、セニョール。私はそう頭に思い描き、後ろから優しく話しかけるように見守った。


プシーッ!


ドアが空いた。

おじさんは一気に奥の角席へと突進していった。おお、奥狙いだったのね。じゃあ私は手前だね。そう思いながらゆっくり前へ進むと、私の目の前にスッと黒い影が現れて、私が座ろうとしていた光り輝く手前側の角席にドスンと座るではないか。


「おい!ちゃんと並べよ!こっちはルールを守って順番を守ってるんだぞ!割り込みなんかするな!この野郎!」


私はそいつの目の前に立って、睨みつけながらそう言った。相手は聞く耳を持たないようだ。なぜなら両耳にワイヤレスイヤホンがピッタリ詰まっていて私の声が全く聞こえないようである。頭にきた私はそいつの隣に座り、肩を強く叩いてイヤホンを外すように催促した。そいつは大学生風のスポーツマンタイプの男で坊主頭にいかにもといった格好をして、筋肉ムキムキといった風貌である。


「はっ?何?」と言った感じでそいつがイヤホンを外したので、すかさず私は言ってやった。


「おい!みんなルールを守って順番で並んでるんだ!割り込みするな!」


私は叫ぶ、、、

もうお気づきだろう。そんなやり取りは一切していない。するわけない。ただの願望、小心者cornの絵空事である。


実際はこうだ。

電車のドアが開いて素早く乗り込もうとしたら、柱の影になっているところから、その大学生スポーツマンがスッと出てきた。ふと地面に書かれている案内表示を見ると、そいつが待っている場所には紛れもなく、私が入ろうとしているドアへと繋がる行列の案内があったのだ。私が待っていた場所は最後尾ドアの車掌室側であり、その手前にはもう一つの列が存在した。電車が手前にずれて到着したため、私は勝手に勘違いしていたのだ。クソーッ!


角席確定と思いこみ、余裕の振る舞いをしていた私は一気に意気消沈して、そのスポーツマン大学生の隣に座ると、肩を落としてその日の晩酌メニューを何にするかと言う発想に集中するしかないのであった。



----------


明日も出社だ。今日は早く帰って飲みたい気分である。あ、今日は、ではなく毎日のことだった。


ビールをこよなく愛する皆さま


席に座れるだけでもシアワセもの


贅沢は敵である


であるからして


今宵は平日なので


冷たい発泡酒で


乾杯っ!


なのである。

トホホホホホ。