【昨日のビール】

ロング缶:1本

レギュラー缶:1本

芋焼酎ロック:4杯

 

【昨日の実績】

自転車:×

お菓子断ち:×(バタピー少々、、、)

 

 

昨日はいつもの飲みっぷりとはだいぶ違った。理由はこの後書くことにする。

もちろん後悔など全く無いのである。

 

 

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今日のニュースを見るとコロナの第9波がやってきているという。もう第何波なのかとっくの昔にわからなくなっていたのだが、新型株でエリスという名前のウィルスが広まっているようだ。感染力が強く、喉の強い痛みが特徴の症状だそうで、オミクロン株が流行り始めた時と似たような状況だという。

 

すでに私は外出時にマスクなどをつける予防策はすっかり忘れており、店舗の店先に置いてある消毒液のスプレーもほとんど使わないようになっている。これから秋、冬を迎えて空気が乾燥してくると、大流行になるのではないかと勝手に危惧しているのだが、私がやっている予防といえば外出から帰った後に手洗いとうがいを多少しっかるやるといった程度なので果たして効果があるのかどうか。かといって、今さらこの暑い中、マスクをして外に出るのは億劫なのが本音なのである。

 

 

話は突然変わる。

普段私は在宅勤務が中心なので、自宅で仕事をすることが多いのだが、先週の火曜日は出社の日になっていたので、会社に行った。

 

会社にというより、会社の近くにある施設に行ったという方が正しいだろう。この日は会社から指定された研修を受けることになっていたからだ。講師と対面で受講する集合研修であり、コロナ禍はリモートで行われていたのだが、今回からそれが解禁されたのだ。会社から選抜された約30名の精鋭社員(違うか、、、)が集まり、よくあるワーク型の研修を受けるのである。

 

研修を受けるのは嫌いではないが、ワークに溶け込むのが最初は辛い。普段あまり会話したことのない人が相手なので、やはり構えてしまうのだ。今回のように同じ会社の人ならばまだ良いが、外部の研修を受けに行くと、全く見ず知らずの人と会話しなくてはならないのでなおさら構えてしまうのである。

 

この日は会社の中の部署に関係なくランダムに7人ずつのグループに分けられた。最初は定番の自己紹介から始まり、所属の部署や趣味などを軽く話してアイスブレイクとなった。今日はこの7名のグループで1日研修を受けるのだ。

 

私の隣に座ったのは、会社で1、2を争う技術者で気難しい人だった。その人は話し始めるとなんてことはないのだが、話しかけづらい存在で、理系特有の必要最低限の会話のみで終わらせるタイプなのである。話の内容が論理的に辻褄があっていないと、すぐに首をかしげて黙り込むような感じの人だ。

 

「今日はよろしくお願いします」

 

私が声がけすると、笑顔で返してくれた。研修の内容はここでは触れないが、私達のグループは、その優秀な技術者の貢献もあり、そこそこ良い成績でこの研修を終えることになった。こんなに長い時間、肩を寄せ合ってこの気難しい人とああでもない、こうでもないと話し合ったのは初めでだった。良い経験になったのである。研修の話はここで終わり。

 

 

研修が終わってから数日が経ち、週が明けた月曜日は朝一番の9時からその気難しい技術者を交えた6人ほどのメンバーで会議を開催することになっていた。私は在宅勤務なので自宅でPCをセットして会議に参加したのだが、開始時間の数分前になってから突然その技術者から全員宛てに連絡が入った。

 

「直前で申し訳ないのですが、本日の会議は体調不良で欠席します」

 

なるほど。まあ、この人がいなくても会議は進められるので全く問題ない。

 

「お大事にしてくださいね」

 

そう返事をして会議が始まった。

 

その会議も問題なく終了して、いくつかの仕事をこなしたあと、午前の業務もそろそろ終わりに差し掛かった頃に、体調不良だった技術者からメールが入った。宛先に入っているのは先日研修で集まったグループのメンバー7名の名前だった。

 

「本日体調不良で受診してきました。診察結果はコロナ陽性でした。私が言うのもなんですが、皆様もお気を付けください」

 

このような内容のメールが届いたのだ。私は少し驚いたが、コロナも5類になり、濃厚接触者なので隔離するというようなことは行われないのであまり気にはならなかった。私自身はすこぶる元気であるし、研修の日も手洗いとうがいは入念に行った記憶がある。私はその技術者に「お大事に」という返信をして昼食をとることにした。

 

そして話は飛んで先週末の日曜日、午前中は特に予定もなかったので自転車に乗って出かけることにしていた。いろいろと計画を練っていたのだが少し変なことが起きていることに私は気づいている。気にしないようにしていたのだが、どうしても気になる。

なんとなく喉の奥が痛いのだ。

 

「おや?まさか?」

 

先日の技術者のこともあるので、いやな予感が頭をよぎったが、のどの痛みも酷くはなかったのでそのまま自転車で汗を流せば良くなるだろうと、少しハードなコースを選んでサイクリングに出かけた。

 

青空のもと自転車を気持ちよく漕いでいると、案の定体調は良くなった。結構な汗をかいたので自宅に戻るとシャワーを浴びて午後に予定されていた息子のサッカー観戦に出かけたのであった。

 

その日の晩酌はちょっとしたイベントとなり、楽しい時間となった。家族でシアワセな夕食をとったのである。

 

そしてその日の夜中。

 

喉の激痛で目覚めるのである。つばを飲み込むのも痛い。重い体を起こして体温計を手に取り計ってみる。ボーっとした頭でぼんやり考えてみれば約一年前の今頃、私はコロナに感染したことを思い出した。症状はその時と酷似している。

 

やれやれ、やられたな、、、そう思いながら体温計の数値を見ると7度3分の微熱であった。とりあえず喉も痛いので解熱剤を飲んで無理やり眠りについた。

 

寝たり起きたりを繰り返しながら朝を迎える。喉は激痛のままだ。会社には体調不良のため休暇を取得する連絡を入れておいた。あとは病院の予約である。

 

1年前にコロナ感染した時は発熱外来に予約をしてからでないと診察してもらえないルールだったので今回はどうなのか事前に調べてみた。するとやはり昨年同様発熱外来は電話予約が必要だということが分かった。分かったのだが、昨年のその当時は電話が全くつながらず、高熱と喉痛にうなされなながら予約が取れない状況が3日間続いた。高熱と喉痛にうなされながら病院の予約が取れたのはその症状があらかた治まった頃であった。このような苦い経験があったので、今回もそうならないかと非常に心配である。

 

電話受付開始は朝の8時半と書いてあるので、8時25分から電話を手に取りスタンバイしておいた。まるで有名外国人バンドの来日チケット予約を電話でやっていた昭和、平成時代のようである。

 

時計の針が8時半をさす3秒前に発信開始!すると早くも話し中である。何度かけても話し中、昨年の嫌な思い出が頭とよぎる。私はあきらめずに根気よく何度もかけなおした。すると5分ほど経った頃にやっと「プルルルル」という繋がった音に変わったのである。

ヤッタネ!

 

「ただいま電話が大変込み合っております。このまましばらくお待ちください」

 

録音の音声が何度も繰り返された。

待ちますよー。このまま3日でも4日でも待ち続けますよー。そう思いながらスマートフォンを握っていると、突然ナマの人間の声が聞こえてきた。

 

「大変お待たせしました。本日はどうされましたでしょうか」

 

私は落ち着いて今の状況を説明して診察の予約をお願いした。予約時間は12時ちょうどになった。予約が確定してしまえばまずはオッケーである。安堵した私はそのまままた、少し眠りについた。

 

目覚めてから準備をして家を出る。12時きっかりに病院へ着くと、まずは問診票にいろいろと状況説明を記入してから順番待ちになった。発熱外来というだけあって、他の患者とはきちんと隔離されているような環境の待合室で待っていると私の番号が呼ばれた。若い女医さんはいくつかの質問をしてくる。

 

「会社の同僚がコロナ感染していたのですが、発症する数日前にその人と濃厚接触したんです」

 

私は先日の研修でコロナを発症した技術者と一緒だったと説明すると、すぐにPCR検査をしましょうという流れになった。別室に呼ばれ、小さな透明のパーテーション越しに看護師さんが現れて耳かき綿棒が10分の1くらいに極細になって2倍くらいに長くなったような、あの嫌な棒を私の顔の前に差し出した。

 

「鼻の奥をグリグリしまーす。ちょっと辛いですけどがまんしてくださいねー」

 

コロナが流行る前、インフルエンザの検査でも幾度となく経験したあの辛く嫌なグリグリである。私は大人げなく人目も気にせず魂の叫びを口に出してしまった。

 

「イヤだっ!イヤだーっ!」

 

大きく首を振って、子供のように泣き叫びながら立ち上がり、検査室のドアを蹴り飛ばして外に出た。という一瞬の夢を見ながらじっとこらえてグリグリを待った。

 

「ではいきますよー」

 

細い、プラスチックのグリグリ棒が右の鼻の孔から下方向に向けてスーッと入ってきた。入って来たと同時にツーンとししたあの独特な感覚が後頭部から脳天にかけて走ってくる。

 

「や、や、やめてクリクリクリクリクリックり」

 

目を閉じて、おぼっちゃまくんの顔を想像しながらそう呪文を唱えて、辛いグリグリを我慢した。

 

グリグリ、グリグリ、グリグリ。

 

「も、もうそろそろいいでしょう?お嬢さん。気は済んだでしょう?」

 

そんな最後の一言を考えていると、やっとその拷問は終わった。おそらく2時間くらいグリグリされていただろう、、、

 

いったん待合室に戻ると、5分ほどして私の名前が呼ばれた。最近のPCR検査はすぐに結果が出るようなのだ。恐る恐る診察室で待っている若い女医さんの前に座った。

 

「会社のかたがコロナ感染されたということでしたねー」

 

高い声質で少し早口の女医さんはそう言った。防護服に包まれた彼女の表情は分かりづらかったが眉間にしわが寄っていることが見て取れた。

 

感染したか、、、

 

考えてみたらあの技術者と1日中肩を並べて討論などをしたのだ。感染しない方がおかしいではないか。今日は薬をもらって様子見したら明日から仕事が3日くらい休めるのではないか?ラッキー!などと、ぐうたらcornの本音も顔を出してきた。人生はなんでも前向きに考えよう!そう思いながらも、息子や娘にうつってしまい、試合やイベントに出られなくなってしまうのも可哀そうである。いろいろなことが頭をよぎっていた。

 

女医さんはうつむき加減で口を開いた。

 

「あ、陰性でしたので夏風邪でもひかれましたかねー?薬を出しておきますので様子見してください。お大事にー」

 

例の甲高い声が耳に入ってきた。

 

「あ、そうですか。良かった~」

 

という、夏風邪を引いた話であった。

以上、、、

 

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なので、昨晩は酒を抜こうかと真面目に考えた。しかしフラフラになりながらもビールを飲みたい気持ちは変わらなかったのでシャワーを浴びたら冷蔵庫へ一直線。ドアを開けるとなんと、、、

ロング缶1本とレギュラー缶1本しか在庫がなかった。冒頭に書いたようにビールはそれだけで終わりとして、あとは焼酎を煽ったのである。

完全なる中毒者なのだ、、、

 

どうでも良い長話にお付き合いいただき、ただただ感謝しかない。

 

今日はいくらか体調も良いので、少し体を動かしてから美味しいビールにありつこうと思っている。

 

ビールをこよなく愛する皆さま。

 

体調が良かろうが悪かろうが

 

やっぱりやめられない毎日のコレ

 

今宵も

 

冷たいビールで

 

乾杯ッ!

 

なのである。

ムフフフフ。