私の父はすでに他界している。
そのDNAをしっかり受け継いだ私を見るとわかるが、大酒飲みだった父。外で飲む事はほとんどなく、毎日家で晩酌をしていた。最初だけビールのレギュラー缶を1本飲んでそのあとは芋焼酎のお湯割りと決まっていた。私の記憶の中で父親が晩酌をしなかった日は数日間入院した時と、晩年難病を患い母親に禁酒を命じられてからの記憶しかない。入院したときは家に居なかったので飲まずに家に居た日は私の中で記憶ゼロだ。

そんな父だったが、年に2回だけ外へ飲みに行く事があった。職場の仲間と集まって忘年会なのか新年会なのか覚えていないが冬に一回、暑気払いだろう夏に一回だ。父はそれを何故だか「えんくゎい」と発音していた。宴会である。

その日はいつもより少し洒落た服装で家からは少し離れた駅の近くにある宴会場に出向いた。いつもは家で晩酌している父が機嫌を損ねると昭和の激怒オヤジに変貌する。私は幼い頃からそれが怖くて酒を飲む父の姿にビクビクしていたのだが、宴会に行った日はその心配がない。安心の夜が訪れるのだが、父が酒を飲む事はなぜだか嫌いではなかった。

ある宴会の日の夜、22時頃だったろうか。父親がおでこから血を流して帰って来た。意外と上機嫌である。流血の原因は擦り傷だった。2センチ四方くらいの擦り傷で、なんでも帰りに千鳥足で歩いていて転んだと言っている。側溝に足を踏み入れたのか靴が片方汚れていた。

いくらなんでも飲んだ帰り道に転んで怪我するなんて飲み過ぎだろう。さすがに私はそのような事を起こした事はない。

今朝、洗面所で顔を洗いながら、ふとそんなことを思い出したのだった。


朝、目覚めると右のこめかみから頬にかけてなんだかヒリヒリする。起き上がってライトをつけると白い枕カバーに小さな点がいくつか付いているではないか。急いで洗面所に向かい鏡を見ると右のこめかみと頬に見覚えのない細い線が斜めに入っている。合計3本。私は昨夜酔っ払ってアディダスの入れ墨を顔にいれたのか?いや、アディダスのマークにしては細すぎる。

思い出した。

昨夜は悪友T川氏と高幡不動で飲んだのであった。昼飲みにハマったオヤジ2人は夕方と呼ぶには早すぎる時間から飲み始めて2軒ハシゴ。泥酔して帰って来たのだった!最後は最近新潟ナイズされた私が不覚にも日本酒をクイクイ煽ったのをなんとなく思い出してきた。帰り道の遊歩道を千鳥足で歩きながら、鋭角に曲がる場所の植え込みに頭から突っ込んだ記憶が蘇った。いったい私は何をやっているのだ、、、

まるであの時、宴会から帰って来たオヤジと同じではないか、、、

【昨日のビール】

メガジョッキ:1杯

中ジョッキ:5杯

日本酒:3合




やって来たのは高幡不動。電車で来たのは初めてだ。なんだか勝手に小さな駅をイメージしていたのだが、ものすごく立派な駅だった。新しく建て替えたようである。



不動様への参道はこちらからだが、私達の目的地は右側の線路沿いにある。



ドーン!

またもややって来ましたドリンク激安焼肉店。アプリを持っていると一杯目の生ビールがメガジョッキになる。ハッピーアワーだとこれが199円。サワー類はなんと29円なのだ!私はこの系列店へ2度目の来店だった。



おかわりし放題キャベツ。T川氏オススメはしそ風味である。ベジタブルスライサーズの一員として今日は消費活動に専念した。



メガジョッキ上からの眺め。泡は神がかってはいなかった。



しかしそんな文句なんて言ってられない。ビールの神様には違いないのだ。



お待ちかねの乾杯!久しぶりのような、この前会ったばかりのような、、、

乾杯っ!



ササッと注文。改めて見るとレバー好きおじさん2名ということがわかる。センマイ刺しと牛ハツも頼んだ。



ハツは私の大好物。ジュージュー焼くのだ。



こちらはニンニク。中身のごま油?がなくなるくらいまでコンロの上にのせておく。これは非常に旨かった。


この後いろいろと注文したのだがもちろん写真は撮り忘れている。ご機嫌でお喋りに夢中だった。和牛のカルビがやはり旨かったのはよく覚えている。



ビールと黒霧島を注文。2時間制がきちんと守られてラストオーダーを聞きに来た。そこでビールと焼酎を頼んだのだ。旨かった。


ここで終わりにすれば良いのだがもう一軒行きたくなる病が顔を出す。よせばいいのにハシゴ酒。



ここのお店はいっぱいで入れなかった。良い雰囲気だったのだが、、、



そして見つけたこのお店。昭和をインテリアにしている店でいきなり日本酒から始めた。これが良くなかった。



メンコとカルタか。あまりに古すぎて私の世代より随分前の遊び道具が並んでいる。



け、健さん!

ファンです!



お猪口で一献傾けようではないか。藤娘は高知、四万十の酒。フォローしているブロガーさん、ビール大好きおっさんさんがお住みの街の近くか。甘くておいしい酒だった。もちろん大変飲み過ぎます。



焼きとりも旨かった。キャベツにつけるマヨベースのたれ?も非常に旨かった。


楽しい夜は瞬く間に過ぎてゆく。泥酔おじさんの出来上がり。この店の後半の記憶はゼロ〜。お勘定はT川氏に任せたようだ。次回払います!そしてメガネをこの店に忘れたかは謎のままである。あとで電話してみよう。



電車の中で訳のわからない写真を撮っていた、、、汗


そして順調に降車駅も乗り過ごしていたようだ。アプリで確認した。トコトコと千鳥足のオジサンはこの後、先ほど書いたように遊歩道で転んでしまうアクシデントに見舞われる。


しかし七転び八起き、途中のコンビニに寄ることは忘れなかった。頭に枯葉をたくさんつけた、顔に傷のあるオッサンをコンビニの店員はどのように思ったか。想像すると恥ずかしくてたまらない、、、


今朝起きてシャワーを浴びた時に頭から大量に枯葉が出て来た。コンニチワ!



ビールをこよなく愛する皆さま


旨い酒だが、ほどほどにとはこの事だ。

しかし懲りないcornはここにいる。


今宵もそろそろ乾杯の時間が来たようだ。


乾杯っ!

なのである。


ムフフフフ。