2023年3月30日木曜日。
ついにこの日、新潟から東京へと帰ることになった。初日は日付が変わった深夜に到着したので3.5泊4日といった感じの帰省になった。娘はまだ泊まっていきたいと駄々をこね続けていたが観念したようだ。
朝はゆっくり7時過ぎに起きた。順調に二日酔いだ。
クラクラする頭を抱えながら出発の準備を頭の中で計画する。結構な荷物である。家族全員分の服は4つの大きなバッグに入れてある。新潟県産コシヒカリを60キロ購入したのでそちらも積み込まなくてはならない。ガソリンも入れておかないといけない。高速道路のスタンドはべらぼうに高い値段が電光掲示板の上で光っていた。
熱いコーヒーを飲みながらボーッとそのようなことを考えているとインターホンが鳴った。想定内のような想定外のような訪問者だった。この【続】関越道中車栗毛シリーズに何度か書いたが、我々の楽しい旅を邪魔する出来事が起きて、それに関連する件で訪ねてきたのだ。
私が代表していろいろと話をつけた。まぁ良い内容でまとまった。
話がついたら私はすぐにガソリンスタンドに向かう。コスモ石油で東京のリッター当たりの値段より10円ほど高いガソリンを満タンに。レシートに書かれた金額を見て、目が飛び出たので拾うのが大変だった。地面に落ちた眼球からそれを拾う私の姿を見上げて体の向きを変えて手を差し伸べて左右逆なので、、、ってもういいか。
実家に戻り、本格的に帰宅の準備に取り掛かり始める。娘はまだまだ帰宅に納得いかない感じで少しだけ手伝ったようだ。そうこうしている間に朝食が出てきた。思い返せばこの4日間、美味しい朝食をたらふく食べた。ご飯とみそ汁は必ずおかわりした記憶だ。普段朝食をとらない私だが、こんな美味しい食事が出されたらダイエットなんて言ってられない。ここぞとばかりにムシャムシャといただくのだった。おかげで東京に帰ってきて1週間たった今も体重は戻らず、腹が少し張っている状況が続いている。楽しいことには副作用が必ずあるのだ。気にしないがね。
妻と相談して昼過ぎくらいに出発しようかと、なんとなく決めていた。12時が過ぎる前に朝来た訪問者がまたやって来た。いろいろと会話をして調整などしたが決裂。私たちが向こうの条件を飲んだ。しょうがない。そのことが理由で新潟を出発するのは夕方になることが確定した。16時頃になるだろうか。娘にそう告げると大喜びして小躍りし始めた。そんなに喜ばれるのだったら私も納得である。
出発までに時間ができたのでテレビを見たりスマートフォンをいじったりしてゆっくり過ごした。多少昼寝もできたので帰りの長距離ドライブの充電にもなった。いろいろあったが結果オーライなのだ。
15時過ぎに諸々の出来事が片付いた。晴れ晴れスッキリだ。いつでも出発できる状態になったのだが、私は出発前に風呂に入らせてくれと願い出た。妻はギョッとした顔で「今から?」と言ったが私はどうしてもサッパリしてから出発したかった。お母さんもぜひそうして欲しいと言ってくれたのでササっと入ることにした。
ウヒャヒャ!最強!
湯上りに髪を乾かして身も心もスパッと切り替わった。
よし、帰ろう。
お世話になったお礼を述べて家を出ることにした。妻はすでに泣き始めている。お母さんもウルウルだ。いつも別れはつらいもの。やって来たときは嬉しくてホロリ、帰るときは寂しくてホロリと涙はいろいろな場面で顔を出すものなのだね。
荷物をセレナに積み込んで、出発準備万端。お母さんと娘と妻は抱擁で最後の別れを惜しんでいる。
「次、またすぐ会いましょう!ゴールデンウィークですね!」
私は、確約のない予定を告げて家族を元気づけた。
「やったぁ!絶対だよ!」
目を潤ませた娘の顔が少し明るくなった。
みなで握手をして車に乗り込む。娘はおばあちゃんの手を離さない。妻も涙を流しながらお母さんに別れを告げている。息子も寂しそうな顔だ。
「では、またすぐに会いましょう!」
私がそう言ってゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
車が前に進み始める。
お母さんはずっと手を振っている。
妻と娘は窓から体を乗り出すように後ろを振り返る。
息子はバックミラーの中で小さくなってゆくおばあちゃんの姿を見ている。
その先の角を曲がると完全にお母さんの姿が見えなくなる。私はゆっくりと車を進めて少しでも長くお母さんの姿が見えるようにした。
「また来まーす!」
窓から腕を出して大きく振った。
お母さんが手を振り続けている。
そして、お母さんの姿が我々の視界から消えた。
別れはいつも寂しいモノである。
さぁ、これからは安全運転で帰りましょう!
気持ちを入れかえてどこへも寄らずに高速道路に乗り込んだ。プロパイロットにお任せ運転開始!
陽が傾きかけている。
妻が案内板の写真を撮ってほしいと言ってきた。
息子にシャッターを切るようお願いした。
何と書いてある?
「新潟 亀田」だ。
おぉ!ここは私が大好きな柿ピーを造る工場がある亀田ではないか!お世話になっています!
順調に距離を稼いでセレナは突き進む。東京へ持ち帰るお土産を購入するため、サービスエリアに寄ることに決めた。
越後川口サービスエリアに突入だ。
小腹がすいたので食事もとることにした。本当は何も食べずに帰り、お疲れ様のビールで乾杯したかったのだが家族はそれを許さない。それより私もお腹がグウグウ言い始めていたので食べたくなった。
あっさりしょうゆラーメン半カレーセットにした。空腹でビールが飲みたいなどと言いながら、腹が減ってガッツリ食べたくなったcornがそこにいた。
横を見ると息子が目の前にあるラーメンを見ながら難しそうな顔をしている。そのラーメンをチラッと見てみるとニンニクがたくさんまぶしてあり非常に旨そうだ。
ん?待てよ。ニンニクラーメンなんかあったかな?あったら私も頼んでいるはずだ。メニューを見直してみると、、、
しょうがラーメンと書いてある。息子はしょうがが大の苦手。大丈夫なのか聞いてみた。
「完ぺきにニンニクと勘違いしていた、、、」
後悔の極みといったような顔でうつむき加減に私を見た。
c「お父さん、しょうが大好きだからかえてくれ!」
息「アザスッ!」
交渉成立だ。
しょうがラーメンは思ったほどしょうが味の主張はなく、まことにおいしかった。スープまでしっかり飲み干したのだ。
その後、お土産もたくさん買い込んで再出発となった。
ナビでは東京に近くなる地点で渋滞の表示が出ている。しかし、私たちがその地点を通る頃にはすべて解消していたので、予定通りの時間に自宅到着となった。オツカレサマ!
荷物を降ろすと私だけスーパーに向かう。もちろん目的は決まっている。
新潟でご馳走三昧だった。しかしスーパーでキミを見ると買わずにはいられないんだ。アジフライ。旨し。
アジの刺身。小ぶりだが脂がのって旨かった。
ささみとシソのから揚げ。大好き!
ご無沙汰しております!お豆腐さま。
久しぶりに揃いましたなアテの衆。
一番搾りさまをグラスにトクトクシュワシュワ。
目を閉じてビールの神様に感謝。
楽しすぎた旅から無事帰った喜びを皆で
乾杯っ!
ブハーッ!
新潟もいいがやっぱり家が一番!
【この日のビール】
ロング缶:2本
レギュラー缶:1本
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全5編となった【続】関越道中車栗毛は今回で最終回。
延々と私なんぞの旅行記にお付き合いいただき感謝感激ブリアラ煮・最強!
疾風のごとく去って行った3月の最終週は本当にいろいろなことが起きて、あっという間だったが楽しかった。
まだまだ余韻が抜けきらないcornなのである。
ビールをこよなく愛する皆さま。
今宵は娘の入学式および華金に泥酔確定。
乾杯!
なのである。
ムフフフフ。












