【1/22のビール】

中ジョッキ:4杯

ロング缶:2本

 

 

1月22日の日曜日。

この日は午後から予定があった。

この週末、九州に住んでいる友人が上京してきた。

2年前に不慮の事故で亡くなった友人の遺影に手を合わせるためだ。

すぐにでも来たかったのだが、コロナ禍でかなわず2年越しとなってしまったのだ。

 

前日は懐かしい仲間が集まって楽しすぎる飲み会を開いた。

各々ホテルと自宅に帰り、翌日に再度集合という流れになっていた。

 

私は飲み会から帰った後にも飲み足りず、よせばいいのに自宅での飲みなおしを行った。

その結果、翌日は二日酔いがひどくなるという当たり前の症状に悩まされながらの起床となった。

 

重い体を起こして1日が始まる。

妻は仕事ですでにいなかった。

リビングへ行くと娘が一人、ソファの上で私が昨夜飲み直しの際に食べていたお菓子の残りをポリポリと食べていた。

息子はまだ寝ているようだ。

 

顔を洗って二日酔いから目覚め、気を入れなおす。

友人とLineで本日の集合時間などの連絡を取り合った。

 

立川飲んだくれ組の友人が車で迎えに来てくれることになった。

亡くなった友人宅に行ったあと、九州の友人を空港まで送って行くというありがたい段取りにしてくれていた。

 

昼にその友人が迎えに来てくれた。

九州の友人とは、目的地の最寄り駅で待ち合わせた。

狭い場所にたくさんの商業施設が立ち並ぶその目的の街は道路も狭く、車では非常に走りにくいところだった。

 

Lineで九州の友人に連絡をとる。

間もなく私たちが最寄り駅に到着しようかという時に連絡を入れると、喫茶店に入ってコーヒーを飲み始めたという返事があった。

私達が間もなく到着することを知ると、そのコーヒーを一気飲みしてから車に飛び乗ってきた。

ヤケドしないでよかった。

 

車の中に全員が集合すると、目的の友人宅を目指す。


途中、私だけ手土産を持っていないことに気づき、急遽コンビニエンスストアで購入するという間抜けさも忘れない、、、


あまり喜ばしいことではないが、亡くなった友の遺影に手を合わせて4人の仲間が集まることになったのだ。

全員で集まるのは20年以上経っているのではないか。

 

少し道に迷ったが、目的の友人宅に到着した。


私と立川飲みの友人は亡くなってすぐに手を合わせることができたので、九州の友人が一番最初に遺影に向かって手を合わせる。

私はその姿を後ろで見る形となった。


なかなか立ち上がろうとしない。

それもそのはず、亡くなった友人と九州の友人は若い頃に今でいうルームシェアという形で大きめのマンションを借りて二人で住んでいた間柄だ。

 

長い間手を合わせる友人のうしろ姿を見つめていると、ジーンと目頭が熱くなる。

 

「フーッ」と大きく息を吐いた友人はゆっくりとうなずいて立ち上がった。

深く頭を下げ遺影の中で笑っている、もう会うことのできないその友人の顔をそっと撫でた。

私は気づかれない様にそっと涙をぬぐうとその友人と入れ替わり手を合わせる。

胸の中でいろいろな思いを語り、こんな形ではあるが4人そろったことを喜んだ。

本当はもっと良い形で集まりたかったのがみんなの思いだ。

 

立ち上がり、立川飲みの友人と入れ替わる。

長い焼香の後に奥さんとその子供たちと昔話をした。

奥さんとは私達全員昔からの友人で思い出話はたくさんでてくる。

その中でも亡くなった友人の思い出、特に奥さんや子供たちが知らない楽しかった思い出などを選んで話した。

子供たちもすでに大きくなっている家族全員が仲の良いその家庭をみると、亡くなった友人が良い教育をしていたのだろうということがよくわかる。

見習わなくてはだ。

 

放っておけば夜が明けるのではないかというくらいたくさんの話があるが、長居しても良くない。

頃合いを見計らってお暇することにした。

 

ご家族と挨拶をして別れる。

「また来よう」

3人で話しながら友人宅を後にした。

 

九州の友人が機上の人となるにはまだ時間がたっぷりあった。

とりあえず空港に行ってゆっくりしようと決まる。

 

立川飲んだくれ組の友人は運転手として禁酒宣言してくれた。

アリガトウ!

 

私はあたりまえのように一切の遠慮をすることなくその言葉に甘えることにする。

そうでなければ九州の友人に失礼だ!

などと勝手な言い訳を自分に言い聞かせているが、ただ飲みたいだけ。

立川飲みのお友達、本当にごめんなさい、、、

 

 

蕎麦屋でビールを頼んだ。

運転手の友人はナントカ蕎麦を頼んだ。

 

「また逢う日まで、乾杯!」

 

友人の上京は1泊2日の強行軍だったが何事もなく目的を果たせた。

何はともあれお疲れさまだ。

楽しかった思い出、次回の構想などを語った。

夕飯時になり店も混んできたので場所を移ることにした。

 

空港ピアノの演奏が心地よく間近に聞こえる店を選んだ。

 

ここももちろん生ビール。そして運転してくれる友人はコーヒーを。

 

あれれ、もう一杯同じ奴をそれぞれ頼む。

 

おろろ!私達だけもう一杯。運転手さん、ごめんなさい、そしてありがとう!

したたかに酔う頃には良い時間になった。


いよいよ別れの時が来た。

来る前は楽しみでしょうがないのだが、帰りはあっという間だ。

どのような時でも、やはり仲の良い友人との別れは悲しいものである。

 

搭乗口へとその友人を送る。

3人でまた会う約束をしながら固い握手をかわす。

涙腺の弱い私はすぐに涙がにじんでくるので、ごまかすのに必死だ。

最後に3人で自撮り。

素晴らしい笑顔の写真が撮れた。

 

「ほいじゃーまたねー!次はとりあえずリモート飲みしよう!」

 

大きくうなずき笑顔で見送った。

搭乗口のほうへと向かいながら振り返る友人を見て、私は人目もはばからず、子供のように両手で大きく手を振った。



 

2人になった私たちは車に乗り、なんとなくしんみりとした笑い話で盛り上がりながら帰宅の途についたのであった。

 

 

一応その日の晩酌メニューを。

 

サバのみりん干し。2匹あったので息子と1匹ずつ食べた。いわずもがな旨かった。

 

妻が作る子供たちの大好物、鶏もも肉の煮つけ。これは旨い!

 

1日たった豚汁。味わいが熟成されている。

 

娘の大好きなサツマイモのナントカ。私は食べていない。

 

1日たったマカロニサラダ。こちらも何か特別な旨いエキスが出ていた。

 

しらすサラダ。ごま油とポン酢でいただくのが我が家の掟。

 

揃いましたな皆の衆。

 

一番搾りをグラスにトクシュワ。

濃密だった週末に乾杯!

 

ブハーッ!

明日からまた張り切ってまいりましょう!

 

なんとなく寂しく週末の晩酌はすすむのであった。

メシツブ、メシツブ。

 

 

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今夜から寒波がすごいと聞く。

我が家の真っ白なストーブ、フジカハイペットに食べさせる灯油を買ってきた。

 

備えは万全だ。

今宵はフジカちゃんで暖まりながらの晩酌としよう。

 

ビールをこよなく愛する皆さま。

今宵も乾杯なのである。

ムフフフフ。