【12/20のビール】
ロング缶 : 2本
レギュラー缶 : 1本
芋焼酎お湯割り : 2杯
20日の火曜日。
この日は出社した。
仕事終わりに会社のカフェスペースで他部署の懇親会をやると小耳にはさんだ。
行きたいのはやまやまだったが、まずは誘われていない。
誘われていないのにノコノコと会場入りするのは本当の酒好きだったと理解を深めさせるとともに図々しいと思われそうで気が引けた。
せめて会場のドアが開いていれば無理やり誰かと目を合わせて「しょうがないなー」などと言いながら入って行ける。
会場は私が帰宅するときに必ず前を通る場所にある。
最後の望みをかけて帰宅時にその前を通ったら、師走のこの時期にドアを開けっぱなしにするアホな社員はいない。
キッチリとドアが閉められていて、キョロキョロしたが1ミリの覗き穴も見つからなかった。
クーッ、今日は諦めよう。
電車を乗り継いで自宅の最寄り駅で降りると大きめのスーパーに寄って帰った。
スーパーに入ったのは21時少し前。見切り品の安売りがだいぶ進んでいる時間だった。鮮魚コーナーへ全速力でかけてゆくと遠くに後光が差していた。近寄ってみるとカツオのタタキ端切れ品が1つだけ残っていた。
神様は見捨てなかった。会社では見捨てられたが、、、
タタキの香ばしい味が詰まった逸品。沁みた。
キャベツの千切りトマト。いつも冷たくておいしい。
毎日欠かさない豆腐。大豆は畑の牛肉です。
揃いましたな。
今夜は遅いのでヘルシーメニューで行きましょう。
食べ終わったらお菓子をバリバリと食べる予定だが、、、
なぜか平日なのに一番搾りレギュラー缶が1本。
スーパーに寄ったら買ったっていいだろう。
久々の出社でもあったのだ。
プシッと開けたらグラスへトクトクシュワシュワ。
本日も無事の帰宅とシアワセの晩酌。
ビールの神様、ありがとうございます!
乾杯!
ブハーッ!
寒い冬でも風呂上がりのビールは最強!
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久しぶりに出社したらトリシマリヤクという役職がついた偉い人に言われた。
「オッ!なんか生cornさん、久しぶりに見たー!」
イヤミともとれる発言。
「ハハァーッ、たまにしか来ないんで。すいません、エヘッ!」
などと返しておいた。
もう今年はこれで出社しないと思っていたが、来週仕事納めの日の納会に行こうかなと思案している。
社内では、会社に来ないcornというレッテルが貼られているようだ。
本部長には気にしないで良いといわれているが、業務上出社が必要な人が多く、その人たちはほぼ毎日会社に行っているので、たまに出社する私は目立つのだ。
いくら在宅勤務が定着してきたとはいえ偉い人達は社員に出社して欲しいと思っているのだ。
実際、上層部の人たちは「cornは次、いつ来るんだ?」などと言っているそうである。
なんだか、釣りバカ日誌の浜ちゃんのようである。
多分、納会には行くことにするだろう。
トホホ。
出社した日は他部署の懇親会に誘われなかった。
他部署だから誘われないのは当たり前のことである。
しかし、仕事上よく絡む部署であり同じ本部なので誘ってくれてもいいのに、、、などと思う自分もいた。
飲み会に誘われないというのは寂しいものである。
過去に分岐点になったような出来事がある。
10年以上前のこと。
新しいプロジェクトに参画することになり、私にはサブリーダーのポジションがあてがわれた。
プロジェクトのメンバーは総勢10名程度で若いメンバーが多かった。
私より一回り下の年齢層が大半を占めている。
年上の人もいたが一握り。
リーダーには2歳年下のマネージャーが入っており、当時の私は役職など何もないペーペーの平社員だった。
メンバー全員仲が良く、特に若いメンバーはたまに飲み会を計画して居酒屋などに集まった。
盛り上がると私があまり好きではないカラオケにも行っていた。
なぜなら私と仲の良い男性部下1名とヒジョーにかわいらしい派遣女子社員2名が必ず参加していたからだ。
当時、マネージャーが一緒に参画しているプロジェクトというのはなかなか珍しく、自分の動きを実際に見てもらえるのでお得な環境だった。
プロジェクトは非常にたくさんあり、マネージャーは一人でたくさんの部下を見なくてはいけない。
月に一度、半年に一度直接マネージャーと会って評価してもらうというようなことが普通の組織だった。
もちろんそこで私は持ち前の達者な口を駆使し、すぐにマネージャーを味方につけた。
あることないこと吹き込んで、アピールすること1年、係長まで昇進した。
ヤルね。
無責任なテキトーサラリーマン代表である。
クレイジーキャッツの映画に出ている植木等を師匠としていたことは言うまでもないだろう。
私が係長に昇進すると同時にマネージャーは他のプロジェクトに移動となった。
そのプロジェクトでは私がリーダーになったのだ。
リーダーになるといろいろと責任が出てきて非常に困った。
口だけで世間を渡りい歩いてきた私にとって実務がついてゆかなかった。
しかし今度はそこでお客様に、あることないこと吹き込んで味方につけることに成功した。
私は天から授かった達者な口に心から感謝するのである。
テキトーな私がプロジェクトリーダーとして振舞っていても一応現場は回るようになっていた。
お客様とも仲良くなり、はたから見ると対等に渡り合っているような印象だっただろう。
達者な口でそこまで辿り着いた私は、何もかもがうまくいっていると思っていた。
想像もしていなかった出来事が起きる前までは、、、
当時は今のような働き方改革などと言う言葉はまだまだ広まっておらず、毎日2~3時間の残業はザラだった。
早く終わっても1時間程度の残業は当たり前であり、チームのメンバーも同様に残業が定常となっていた。
その日、私はいつものように残業する予定で終業時間を迎えた。
どちらかというと残業ありきでその日の業務を計画している傾向にあったかもしれない。
定時が過ぎてから改めて資料作りなど始めるのだ。
私がPCに向かってカタカタと資料作りをしていると、一人のメンバーが慌ただしく片づけをしているのが目に入った。
メンバーが早く帰れるのは良いことなので、私は気にせず仕事をつづけた。
しかし、慌ただしくしているのは1人ではないことに気づいた。
私以外のメンバー全員がバタバタ片づけをしている。
多少の違和感を覚えたがそのまま仕事を続けて、執務室から出るメンバーに挨拶をしていた。
「お疲れさま~」
一人、また一人といなくなる。
そして、最後に出てゆく仲の良かった男性部下1名が思いがけない一言を言い放った。
「今日はメンバーで飲みに行くんですよ!」
「あっ、そ、そうなんだ・・・楽しんでおいでぇ・・・」
私は引きつった顔を悟られない様に、さも当たり前であるかのように装った。
プロジェクトに参画して時間もだいぶたった。
達者な口で仕事を回してきたのだが、いつの間にかメンバーとは上司と部下という距離ができてしまっていたのだ。
私の中では全くのチームメイト、以前と変わらない間柄のはずだったのに、、、
しかし考えてみれば当たり前である。
一回りも歳が上の上司を、若者同士の飲み会に誘うか?
逆に考えてみたら私は絶対に誘わないだろう。
たとえそれが仲の良い上司だったとしても他のメンバーとの位置関係を天秤にかけると誘わないほうが無難である。
飲み会は上司の悪口を言って盛り上がるのが常である。
私はいないほうが良いのだ。
クッ、クソーッ!
悔しい!
頭ではわかっている!
しかし、飲み会に誘われないのはツラいのだ!
今まで一緒にチームメイトとして頑張っていたではないか!
ある日突然つまはじきにするのか!
これは立派なイジメではないか!
俺を連れて行け!
cornさん、いつもの店に○時集合と言ってくれ!
お願いだから1人にしないで!
しかし行ったとしても割り勘だがな!
こっちは子供が小さいからお前らより小遣いが少ないんだ!
ナ〜ニが「飲み行くんですよ」だ!
バカ男!
ふざけんな!
オマエはクビだ!
もう来るな!
そんな権限ワタシは持っていないがな!
何よりかわいい女子派遣社員ともう飲めないではないか!
どうしてくれるんだ!
お前のせいだ!
金返せ!
増税反対!
何を言っても飲みに誘ってもらえないのには変わりなかった。
その日、トボトボ帰って妻にそのことを報告した。
ついに私もそのような時が来たと。
少し寂しい気持ちをしんみりと話した。
妻は言った。
「あっ、当たり前だよね!上司と一緒になんか絶対飲みになんか行くわけないよね!私たちもそう!しかも飲みに行きたい奴に限ってお金はちょっとだけ多く出してあとは割り勘!全部おごれっつの!オジサンとは会話もかみ合わないしね!いらない気は使わなきゃないし!サイテー!サイアクー!」
もうよい、よいではないか。
そっとしておけ。
傷ついた酒飲みオジサンを。
本日も寒さが堪えますな。
新潟はひどい雪で心配な日が続いているようで。
そちらにお住いの人は大丈夫だろうか。
お気をつけて。
今宵も乾杯しよう。
ビールをこよなく愛する人々とともに。
気持ちだけはワンチームだったのに、、、
飲み会に誘われなかった、、、
誘われなかったのだよ、、、
この僕ちん、、、
エイヤッ!と飲むしかない。
乾杯!
ムフフフフ。




