【昨日のビール】
ロング缶 : 3本
芋焼酎ロック : 3杯
昨日は微妙な酒だった。
平日ルールであるロング缶ビール2本までの制限は最初から破る気満々だったので後悔など全くない。
娘用きゅうり串。
じゃがバター。娘と仲良く1個ずつ。
ウインナー多め。ニンニクと塩胡椒を足していた。
美味かった。
豆腐あんかけ風。
玉ねぎスライス、トマトにキムチ。
揃いましたねみなさま。
さすれば待てない!ビール!ビール!
乾杯!
ゴクリ、ゴクリ、プハーッ!
はぁ〜、シアワセ!
なのであった。
今月の11日からついに新型コロナウイルスの水際対策であった外国からの新規入国者数上限が撤廃されましたな。
大幅に緩和となり個人の外国人観光客も入国できるようになるなど、制限はほぼコロナ前の状態に戻ったそうな。
加えて20世紀最後の頃と同じくらいにまで下がっている歴史的な円安もあり外国人観光客は激増するであろう。
あの爆買いなどと言う単語もまた飛び交いはじめて、何だかいいような悪いような複雑な感じである。
しかしこの景気の悪い世の中。
このような動きは歓迎すべき現象であり、日本の経済に貢献していただいて私たちにもその恩恵が感じられるようになることを願うばかりである。
街には外国人が増加しているようだ。
ニュースで見た限りだが、それは間違いない事実だろう。
外国人といえば私がまだ若い頃、小売業を営む小さな店で働いていた時のことを思い出す。
その店には一定数の外国人顧客がおり、定期的に買い物に訪れていた。
常連の客であれば気心知れており日本語も上手なので親しく話すことができる。
購入するものもあらかた分かっているので、円滑なコミュニケーションがとれる。
「ドウモアリガトーゴザーマス」
などとニコニコしながらお辞儀して帰る。
「オー!マタ、キテネー」
などと私も戯けて返す。
日本語があまり上手くない外国人客が来ても、覚えている英単語とゼスチャーを合わせればなんとなくことなきを得ることもしばしばあった。
英語は中学英語までしか学んでいないのだが、何とかなるものだと自分ながら感心していた。
しかし、しかしである。
一見さんでまだ日本に来て間もないであろう全く日本語が話せない外国人がたまにやって来た時は非常に困った。
その店ではタバコを売っていたので喫煙者の外国人もやって来る。
短髪で無精髭をおしゃれに揃えた白人男性32歳と言ったところだろうか。
季節は今くらいで、短い襟を立てた革ジャンにデニムをはいたちょいワルっぽい客だった。
客「カーンマー クダサーイ」
C「ハッ?」
聞き取れない。
明らかに日本語が出来ないようだ。
C「ワンモア プリーズ」
コテコテに聞き返す。
客「カーンマー オネガーイ」
C「オー!ギャビンマイルドネ、オーケー!」
ギャビンマイルドを渡す。
客「チガーウ」
眉間に皺を寄せ、あからさまにイヤそうな表情をする。
C「ソーリー、ワンモア プリーズ」
困った。
客「カーンマー、 ネ」
どう聞いてもギャビンマイルドにしか聞こえない。
待てよ。
おぉ!そうだ!
C「クールマイルド、ネ!」
クールマイルドを渡す。
客「オー、チガーウ」
さらに眉間に皺を寄せ、何だこのイエローモンキーは?と言うような見下した目で私を見ている。
客「カーンマー、ネ。 ワカルー?」
お手上げであった。
全く聞き取ることが出来ない。
3分ほど問答していただろうか、私はタバコが入っている引き出しを全部開けて、そのちょいワル白人をレジのカウンター内に呼び寄せた。
C「ドーレー?」
なぜだか私も日本語がカタコトになりながら、引き出しの中を見せ、選ぶよう促した。
客「オーッ!」
ニヤリと笑ってタバコを一箱取り上げた。
客「カーンマー!」
手に取ったタバコはキャメルマイルドだった。
C「オーッ!キャメルマイルド!」
客「イェース!カーンマー」
そのような外国人相手のやり取りも、何年か続けていると自分は英語が喋れるのだと勘違いしてきたようだった。
都心の街中などで外国人が困っている場面に出くわすと、進んで話しかけるようになっていったのである。
配達の仕事中に渋谷で年配の白人女性が道に迷っているようだった。
周りの人は忙しなく歩くものばかりで、道を尋ねたいが尋ねられない様子だった。
C「ワッツハープン?」
得意げに聞いた。
女性「オーッ、テンキュー。トーキュハーンドコデスカ?」
これは分かる。
C「オーッ!東急ハンズね!」
女性「イェース!」
満面の笑みだ。
C「ゴー ストレートフォー……」
中学英語を並べて丁寧に教えてあげる。
女性「オーッ、テンキュー。ドーモアリガトネー!」
良い事をして良い気分倍増だ。
気をよくした私は困っている外国人を見かけると、放っておけない世話焼きニホンジンへとランクアップしていったのだった。
新宿で配達していた時のことである。
細い道が続いている曲がりくねった道だった。
新宿駅の東口から甲州街道のガード下をくぐって当時できたばかりの南口は高島屋方面に出る一方通行の小道だった。
私は車で一方通行の出口に向かって車を走らせていた。
すると、オフロード系のバイクに跨った黒人少年22歳といった感じの若者が爆音と共に一方通行を逆走して来たではないか。
イカン!これは、教えてあげねば!
君ね、この道は一方通行で、あなたは今その道を逆走しているから交通違反なのだよ。
と言う英語がスラスラと、自分でも驚くくらい滑らかに頭の中に浮かんできたのだ。
私は車の窓を開け、手を伸ばしてその黒人少年が跨るバイクの行手を阻んでこう言った。
C「ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘーイ!ワンウェイオンリー!ワンウェイオンリー!」
私は大きなゼスチャーを混ぜながらにっこり微笑み教えてあげた。
すると黒人少年は行き場を失い、仕方なく私の車の横にバイクをとめて困ったような顔をした。
良かったね。
もしかしたら警察に捕まって、国際免許も取り上げられちゃうかもしれなかったね。
今日もいいことをしたと自己満足の頂点に達していた私に、その黒人少年は激昂した様子で白目が眩しいくらい真っ白な目を見開き、こう言ったのだった。
「ワカッテルーッ!ソンナノシッテンダヨ!ウザイ!ウザイヨ!オマエー!」
オネエ言葉のようなイントネーションでその少年はそう言い残し、爆音をたてながら一方通行をさらに逆走して行った。
唖然、、、
新宿の雑踏には人々が溢れかえっていた。
唖然としている私は車の中でそれらの人々から刺されるような視線を感じながら独り赤面していた。
「ア、アンダ バカヤロ〜ッ!」
とは言えず、いそいそとエンストしないように慎重に車を走らせ、雑踏に紛れてゆくしかないのだった。
何でもやり過ぎは良くないという事を、身をもって思い知らされた激情型おせっかい田舎者33歳の秋の昼下がりだった。
キョーワ、ハナキン!
ノムシカナイデショー!
そんな声が聞こえてきそうだ。
そうです、今日は週末のビール飲み放題の日なのです。
じゃ、やはり今夜もみなさまビールで乾杯といきますか。
ムフフフ。





