【昨日のビール】
ロング缶 : 2本
芋焼酎ロック : 4杯
毎日同じ酒量が続いている。
変わらない日々は人間をダメにする。
後悔などしないが。
昨日、また妻の実家から大量の野菜と新米が届いた。
新潟県産コシヒカリの新米は、あきらかに炊き上がりの艶が別格、モチモチの歯応えで噛むたびにお米の甘味がズンズンと口の中に広がった。
白米だけて茶碗一杯食べてしまった。
アッパレである。
ナスが届いたので、子供たちもよく食べる無限シリーズを本日のアテにすることにした。
ナントカ切り、
シーチキン、塩、砂糖、胡麻油、ポン酢、鶏がらスープの素をブッかけて、ラップをしたらレンジで5分。
混ぜ合わせて、かつお節と胡麻を振ったらあっという間の出来上がり!
私は2キレのみしか食べられず、本日のアテは子供たちのおかずと化してしまった。
旨かった。
このシーチキンを使った無限シリーズにハズレはない。全て美味いのである。
鶏もも肉の煮付けも子供の大好物。
私はサバの塩焼き。
野菜代表、玉ねぎスライス。
料理もそろったらお待ちかねのビール!ビール!
グビッ、グビッ、プハーッ!
はぁ、今日も幸せ。
今日は天気が悪いせいか、気分もすぐれない。
天気というよりは、10月に入ってからいつもストレスのようなものを感じていて胃が痛い。
ずっとだ。
意識レベルが違う人と何かをやろうとすると、本当に疲れる。
お互いが「なんで?」と思う起点が違いすぎているからそこを説明するための労力を想像するだけで気分が落ち込む。
早くビールが飲みたいのである。
楽しいことがないか考えた。
何もない。
トホホホ。
無理やり考えだした。
息子が小さい頃、たしか幼稚園の年少組の頃だったので4歳くらいか。
将来の夢を聞いてみたことがある。
C「大きくなったら何になりたいの?」
息「50円」
C「。。。」
C「も、もう一回言ってみて」
息「ごじゅ〜えん!」
大丈夫かこの子は。
心配になったのを覚えている。
C「なんで50円になりたいの?」
息「楽しいから!」
C「50円になると何が楽しいの?」
息「お客さんといろいろできるから」
C「。。。」
C「どこでお客さんと色々できるの?」
息「お店のお金のところ」
おぉ、そうか。
息子はお店屋さんをやりたいと言っていたのである。
何のお店かはまだ決まっていないらしく、私たちが買い物をしてレジでお金のやり取りをしている姿を見て、それを楽しく思っているらしい。
なるほどね。
確かに子供にとってお店を開くことは将来の夢にしてもおかしくない内容である。
この50円ネタの話は語り草となって後々まで家族が集まった時などに出てくる定番の話題になった。
2年後、年長になった息子に同じ質問をした。
「たこ焼き屋さん!」
具体的になってきた。
そういえば幼稚園の参観日の時、息子の教室に行くとそこには可愛いタコの絵と、どこかのお祭りで見たのであろうタコ焼き屋の絵が描かれていた。
なるほど、そういうことだったのか。
妙に納得した。
C「何でたこ焼き屋さんになりたいの?」
息「美味しいから!」
小さな頃からよほど好きだったのだろう、中学になった今でも夕食前などに今日は何を食べたいか質問すると「たこ焼き!」と1番に答える。
幼稚園の頃からあまり成長していないのである。
可愛かった高くてキンキンだった息子の声は、すっかり声変わりして私よりも低いかもしれない太い声になった。
体つきはポッチャリからみるみる筋肉質となって引き締まり、見違えるような体型になった。
腕力、脚力もついて、相撲の真似ごとを冗談のつもりで始めたら、私の力でもちょっとやそっとではビクともしなくなってしまった。
屁理屈も一級品になって、私が怒った時などもすぐには引っ込まない。
反抗期ど真ん中を少し過ぎた頃だろうか。
一時期に比べると最近は少し家族に対して優しくなってきたようでもある。
まもなくバイクの免許を取れる歳になる。
その後は車の免許が取れるようになり、選挙で清き一票も投票することができるだろう。
そして数年すると、そんな息子と酒が飲めるようになるのだなと思うと不思議な気がする。
息子は私が毎晩晩酌するのを見て、自分もそうなるのか?などと急に黙り込むことがある。
心配するな。
私もそうだった。
父親が毎晩芋焼酎を飲んでは酔っ払い、ちょっとした事で不機嫌になってよく怒られる。
酒なんか絶対に飲まないと思っていた。
しかし、今はこのザマだ。
息子にはビールってそんなに美味しいのか?と聞かれたこともある。
そこで息子に大好物は何か?と尋ねた。
「たこ焼きに決まってんじゃん」
変わらずだ。
「じゃあね、その大好きなたこ焼き×5くらい美味しい」
「うぉーっ、マジかー。それはヤバい」
分かってくれたようだ。
君も素質十分なのだよ。
先日も晩酌しながらそのようなことを話した。
着々と大人に近づく息子が逞く成長してゆく姿に忘れていた何かを思い出した。
私は尋ねた。
来年高校生になり、そしてより具体的になってきただろうそのことを。
C「そういえば、今の将来の夢は何なの?」
息子は遠い目をしながらしばし沈黙したあとに私の目をしっかり見据えてこう言ったのである。
声は高くわざと裏返していた。
息「ヒャクゴジュ〜エ〜ン!(150円)」
C「。。。」
100円だけ成長していたのだった。
息子は。
これ本当の話。
少し気分も晴れてきましたな。
良かった、良かった。
それでは張り切って今夜もビールで乾杯といきましょうか。
ビールをこよなく愛する人々と共に。
ムフフフ。








