【昨日のビール】
ロング缶:2本
レギュラー缶:1本
芋焼酎ロック:4杯


平日ルール(ロング缶2本まで)はもはや当たり前のように破っている。
後ろめたい気持ちもあるが、後悔などしない。



今朝、早い時間に息子が修学旅行で京都へと旅立った。
いつもより1時間ほどの早起きだった。


「気を付けて、楽しんでおいで」


妻と私がそう声をかけると


「うん」


と、こちらを振り返りながら声変わりしたばかりの低い声で返事をしドアを閉めて出て行った。


昨夜は出発前の晩餐ということでビール(私だけ)で乾杯した。
息子は同じ麦が原料の麦茶をグビリと飲んだ。

かたわらに修学旅行の旅のしおりが置いてあったので、ビールを片手に広げてみた。

新横浜から新幹線に乗り、京都に到着するとバスに乗り換え。
最初の目的地は奈良の東大寺となっている。

「うん、うん。いいコースではないか!」
「あれ?ちょっと待て!」

先日このブログにも書いたが、確か息子は今回の修学旅行は京都だけしか行かないと言っていた。
費用がオーバーするからなどと、そのことの理由に足る説明をしていたので私も納得していた。

「おい、東大寺が最初の目的地になってるぞ!京都だけじゃなかったのか?」

私が問いかけると

「そんなこともあるさー!」

ニヤリと笑いながら沖縄方言風に返事をして、鳥ももと手羽中の煮込みをほお張った。

この煮込みは息子の大好物であり、妻がしばしの別れということで昨夜たくさん作ったものだ。
私も大好きである。

それにしても息子のイイカゲンさは何なんだ。
親の育て方が理由であれば、その親の顔が見てみたいのだがそれは毎日鏡で見ている。

私は息子のそのイイカゲンさも大好きなのである。
これが本当の親バカ(バカ親?)だ。


実はこの乾杯の前、ランニングから帰ってシャワーを浴びた後に妻から頼まれものをしていたことをすっかり忘れていたことに気づいた。


頼まれものとは息子が旅行に持っていくもので、学校から指定されているペットボトルホルダーなるものだった。


行きの新幹線の中で軽食をとるため、その水分を持っていくのに必要なのだそうだ。

ハッとして時計を見たが店が閉まる時間までにはまだずいぶん時間があって安心した。
素早く外行きの服に着替えて、自転車を飛ばした。
近所の100円ショップで売っているそうなのでまずは目的の品を手に入れるために100円ショップを目指した。

店に入るとすぐに商品がある場所を店員に聞いた。
何か品出しで忙しそうにしていた年配の女店員は「その棚の裏側にあります」と言っただけで商品の場所まで連れて行ってくれなかった。

商品はすぐに見つかった。
見た目で中学生の男子が持っていてもおかしくなさそうなものは1種類に限れらていた。
色が黒と紺の2択で私が買おうと思った黒は最後の1個だった。
ラッキーである。
そそくさとレジへ向かい会計を済ませた。


と、この後とった行動は私の意に反していたということだけ前置きして先に進む。

シャワーを浴びて頼まれものも無事に手に入れた私は、初秋の夜風にあたりながら心地よく自転車を漕いでいる。
しばらくすると懐かしい光景が目に飛び込んできた。

懐かしい、そしてほろ苦い思い出がたくさん詰まったあの場所。

そう、プレミアムモルツやヱビスが他のビールとほぼ変わらない値段で売っている行きつけのスーパーである。


今夜の晩酌で飲む分のビールはすでに自宅の冷蔵庫に冷やしてある
しかし、ワンランク上のビールの在庫は週末のみ許可しているマイルール上冷蔵庫には存在しないのだ。

私は自身で決めたルールを貫徹すべく、そのスーパーの前を晴れやかに、そして軽やかに自転車で通り過ぎるわけなど全くなく、勢いをつけていつもの定位置に自転車を止めるとビール売り場へと急いだ。


その結果が本日冒頭でビールをこよなく愛する人々に報告した「レギュラー缶:1本」として記録されているのである。


平日ルールを破ったのは私のせいではない。
ご納得いただけただろう。

そして今日こそは平日ルールを守りながら、安心安全にビールで乾杯するであろう。
たぶんね。
ムフフフ。