別れというものは、いつも悲しいものです。
あんなに楽しみにしていた、福岡帰省もあっという間に過ぎてしまった。
今日は、朝6時の出発予定だ。
5時に起きて支度を始めた。

かみさんは、早くも目ウルウルで鼻をぐずぐずいわせている。
俺も昔から涙腺がめっぽう弱く、すぐに涙が込み上げてくるタイプなのだ。

着替えとか、日用品とか、子供達にもらったプレゼントとかをまとめて、セレナに積み込んでいった。
子供達を最後に起こして、両親に軽く挨拶をした。
この時点で、母親もアウト!
ウルウルぐずぐずなのだ。

家族4人で車に乗り込んで、窓を開けて握手なんかする。

年老いた両親と別れる時は、いつも今生の別れを意識してしまう。
次にいつ会えるかは、誰にも分からない。
もしかすると、この帰りの高速道路で、事故に巻き込まれてしまうかもしれない。
両親が大病を患うかもしれない。
言い出せばきりがないが、別れの握手をしながら、ぼんやりとそんなことを、また考えていた。

かみさんと、母親は涙ボトボト。
俺は、かろうじて、『またね~』などと言いながら別れを告げた。
子供達は『また来るね!』などと、明日にでも、またやって来そうな勢いだ。
親父はいつも通りクールに『気を付けて帰れよ』とだけ言った。

ギヤをドライブに入れて、アクセルを踏み込んだ。
50メートルも走ると、曲がり角があって、すぐに両親の姿は見えなくなる。
窓から精一杯腕を出して手を振った。
あっという間のお別れだ。

『ヨシッ!安全運転で帰ろうか!』
気持ちを入れ替えてハンドルを握りしめた。

帰りの高速道路は思いのほか順調だった。
福岡県を抜けて、関門橋へ。
子供たちが寝ていたのでそのまま通過。

今日は、安全運転ともう一つ、大きなミッションがあった。
本日の宿をまだ決めていなかったのだ。

岡山の吉備サービスエリアに車を止めて、PCをネットにつないだ。
使ったのはWIMAXだ。すんなりつながった。

宿を決めるのは難しかった。
現在午後1時。トクートラベルで、まず空いている宿を探して場所を決める。
その場所が、今日本当にたどり着ける距離なのかをナビで確かめる。

いい宿があっても、遠すぎる。
適当な場所で検索すると、宿がない。

宿探しに時間がかかって子供たちもだいぶ飽きてきた様子だ。

『よしっ!ここだ!』
行きの宿泊地と同じく滋賀県は琵琶湖に近い宿だ。
今回は、高速のインターまで5分ほどの好立地。
予約を入れて、結果を小一時間ほど待つことになった。

待ち時間の間は、これまた移動。
兵庫、大阪までは順調だったが渋滞が始まった。事故だ。

携帯に本日の宿の予約完了メールが届いた。

あとはナビに任せて、ゆっくりと目的地へ進んだ。

高速を1つ手前のインターで降りて、スーパーマーケットに今夜の夕食を買い出しのために寄った。

結構迷った末に、目的の宿に到着。
こじんまりした部屋だった。

もちろん素泊まり。総額 \8700円なり。

大浴場は、一般家庭の風呂をそのまま6倍くらいに広げた感じのステンレス風呂だった。
広いので、息子が喜んだ。

家族4人でさっぱりして、ささやかな宴の後に早めの床についた。