~ 飛行中年 ~ -38ページ目

不幸色のまなざし

流れる 眉毛の先に
ポツリとある黒子が ひとつ気になった
額の生え際も 何故かはかなく見えて
どこか不幸の 匂いがした
君の そのなまめかしさは 不幸の裏返し
それでも僕は 君に惹かれた

細すぎる 五本の指先の
ローズ色のマニキュアが ちぐはぐだった
君の そのなまめかしさは 不幸の裏返し
それに君は まだ気づいていない

時折り見せる 焦点のない まなざし
まだ若い君には 不自然だった
君の そのなまめかしさは 不幸の裏返し
それでも僕は 君に惑わされたまま


https://www.youtube.com/watch?v=JNc144-WCY0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

恋ひとつ

赤い煉瓦 蔦の葉がからまる喫茶店
こんな 見せかけの店は嫌いと
君は はっきり言った
その一言 いさぎよく僕の胸を突いた
扱いにくいことは 承知でも
僕は 君に恋をした

醒めた瞳の奥 引き込まれて
いつも つくりばなし
本気にさせられてしまう
醒めた 口ぶりには
もう なれたよ
君の好きな台詞
「明日は今日よりもマシさ」

痩せた背中 バスルーム 鏡の中の君
ただの寂しがりやが 写ってる
やせ我慢の横顔が シャワーの飛沫で隠す

涙は見ない 見ないでおくよ

 

https://www.youtube.com/watch?v=wsUS1UheBaE

水の抱擁

黄昏 海に流れて むらさき色のハーバー
誰もいなくて 風もピタリ止んで
思い出じゃ近すぎるね 追憶じゃ遠すぎるか
沈む魚の 身のこなし方 あざやかで
透明な水に 反射した恋は
あなたの 翳りまでは
映さず 僕も気づかなった愚かしさに
心の波紋 今も広がるよ

サヨナラ 曇った声で あなたが消えたハーバー
訳がありそうで 僕は何も聞かず
あなたは 多分大事な ひとを捨てきれなかった
交した言葉 指から逃げる 水のよう
はずみじゃないはず 夢でもないはず
お互い あらしほどの
情熱 抑えたままで 静かに抱き合った
そんな なごりが 水のきらめきに
今も広がるよ

 

https://www.youtube.com/watch?v=LSkM_J_Efng&t=1s