不幸色のまなざし
流れる 眉毛の先に
ポツリとある黒子が ひとつ気になった
額の生え際も 何故かはかなく見えて
どこか不幸の 匂いがした
君の そのなまめかしさは 不幸の裏返し
それでも僕は 君に惹かれた
細すぎる 五本の指先の
ローズ色のマニキュアが ちぐはぐだった
君の そのなまめかしさは 不幸の裏返し
それに君は まだ気づいていない
時折り見せる 焦点のない まなざし
まだ若い君には 不自然だった
君の そのなまめかしさは 不幸の裏返し
それでも僕は 君に惑わされたまま
https://www.youtube.com/watch?v=JNc144-WCY0
恋ひとつ
赤い煉瓦 蔦の葉がからまる喫茶店
こんな 見せかけの店は嫌いと
君は はっきり言った
その一言 いさぎよく僕の胸を突いた
扱いにくいことは 承知でも
僕は 君に恋をした
醒めた瞳の奥 引き込まれて
いつも つくりばなし
本気にさせられてしまう
醒めた 口ぶりには
もう なれたよ
君の好きな台詞
「明日は今日よりもマシさ」
痩せた背中 バスルーム 鏡の中の君
ただの寂しがりやが 写ってる
やせ我慢の横顔が シャワーの飛沫で隠す
涙は見ない 見ないでおくよ
水の抱擁
黄昏 海に流れて むらさき色のハーバー
誰もいなくて 風もピタ リ止んで
思い出じゃ近すぎるね 追憶じゃ遠すぎるか
沈む魚の 身のこなし方 あざやかで
透明な水に 反射した恋は
あなたの 翳りまでは
映さず 僕も気づかなった愚かしさに
心の波紋 今も広がるよ
サヨナラ 曇った声で あなたが消えたハーバー
訳がありそうで 僕は何も聞かず
あなたは 多分大事な ひとを捨てきれなかった
交した言葉 指から逃げる 水のよう
はずみじゃないはず 夢でもないはず
お互い あらしほどの
情熱 抑えたままで 静かに抱き合った
そんな なごりが 水のきらめきに
今も広がるよ
https://www.youtube.com/watch?v=LSkM_J_Efng&t=1s