桜の下で待っている  彩瀬 まる | 何気なく … でもなく …

何気なく … でもなく …

  自然・そして人・・・
 何かを感じている、そんな日々を

彩瀬まるさんは、2冊目かな?

               前作は『神様のケーキを頬ばるまで』 

郡山、仙台、花巻 …

桜前線が日本列島を北上する4月

新幹線で北へ向かう男女5人

それぞれの行く先で待つものは …

 

実家との確執

地元への愛着

生をつなぐこと

喪うこと

 

複雑にからまり揺れる想いと

ふるさとでの出会いをあざやかな筆致で描く

 

注目の気鋭作家が丁寧に紡いだ

心のひだの奥底まで沁みこんでくる

「はじまり」の物語

 

モッコウバラのワンピース

千葉に住む大学生の智也が

宇都宮近郊に一人で住む祖母を訪ねる

そこは彼女が十年前に移り住んだ場所だ

 

からたち香る

律子という女性が婚約者とともに

彼の実家がある郡山に向かう

 

震災後のこともあり

気を遣い緊張気味の彼女だが

親族たちと触れ合ううちに

先入観が変わっていく

 

菜の花の家

母親の七回忌のため

しばあらく足を向けていなかった

仙台の実家に向かった武文

 

法事の時間がずれ込んだため

彼は姪っ子っを連れて

町の観光名所へと繰り出し

思わぬ再会を果たす

 

ハクモクレンが砕けるとき

母方の親戚の結婚式のためにこの地にやってきた

小学四年生の知里にとっては

本人は自覚していないけれど

”繋がりのあるふるさと”だ

 

桜の下で待っている

離婚した両親それぞれと疎遠になったため

帰る場所のないさくらは

「ふるさと」という言葉に

どういう思いを抱いているのか

 

 

 

 

きょうも、皆さまとともに ” いい日 ” で ありますように

corin papa