広告集
戦前と戦後20年
スパナを主とした作業工具/ハンドツールの広告を集めました。
戦前から戦後20年間、最初の広告から第1回東京オリンピックの1964年まで。
・会社単位で年代順に掲載
・戦前と戦後に分割
・広告扱いの自社紹介ページも
・戦前についてはカタログも対象
・"最初の広告"は今のところ1927年
※新しく広告を見つけ次第、随時追加していきます。
1.戦後(1945年~1964年)
・解説は順不同ですが、前半は現役会社、後半は既に廃業している会社。
※戦前編は、後半の2.項にて。
KTC
↑1953年4月『自動車整備』
・見つけた中では一番古いKTC広告。(創業の3年後)
・意外にも、二重丸京とのダブルロゴでは無く、楕円KTCのシングルロゴ広告。
(楕円KTCの商標出願/1953年9月よりも先に使用を初めていたのが分かります)
・前年の11月にスパナでJIS認証を取得していますが、広告にはまだJISマークは登場しません。(翌年1954年から登場)
・アングルスパナのイラストが載っていますが、見たことの無い製品です。(広告だけで、実在せず??)
↑1954年『全国工場通覧』、1956年 『同』(二重丸京と楕円KTCのダブルロゴ)
↑1961年『全国工場通覧』、1963年『産経会社年鑑』
・1963年までは二重丸京と楕円KTCのダブルロゴ。
↑1965年『主要各種団体名鑑』
・1964年の伏見工場への移転を機に商品が一新され、広告もシングルロゴに。
1950年のKTC創業以降、KTCと京都機械/一重丸京は自動車用工具で競合会社になっていますが、一般販売主流と官納入主流で棲み分けがなされていたようです。
唯一目に見える接点として『自動車整備』1953年4月号に広告が同時掲載されています。(KTCの次ページに京都機械)
ちなみに、広告のデザインセンスではKTCが勝っていると個人的には思います。
TONE
※戦前分は戦前編にて。
戦前編では1925年の創業から戦時中の分社化まで詳しく解説しています。
↑1953年『自動車整備』、1954年『同』
・1953年…見つけた中では戦後最初のTONE広告 by 第2前田金属工業。
・1954年…戦時補償特別税(戦時中に国から受けた恩恵の返済)を完済し、会社名が第2前田金属工業から前田金属工業に復帰。
↑1963年『機械工具取引案内』(自社紹介広告)
日本理器(現・ロブテックス)
※戦前分は戦前編にて。
↑1963年『産経会社年鑑』、1959年『日本機械工業名鑑』
↑1963年『機械工具取引案内』
三木熱錬工業所(現・三木ネツレン)
↑1960年『機械工業会社名鑑』
↑1963年『機械工具取引案内』
日鍛工機(現・スーパーツール)
『黒いつば付きJISスパナが昔あったらしいが詳細不明』とだけ聞いていました。
この広告に載っているイラストがそれだろうと思い、実物を探し求めていて、最近手に入れることが出来ました。
この広告のイラストが無かったら、見逃していたかもしれません。
↑1963年『産経会社年鑑』
中島精密鍛造(現・トップ工業)
珍しい2色刷り。(赤と緑)
↑1960年『新潟県商工名鑑』
水戸合金工具(現・水戸工機)
自衛隊が創設された翌年の1955年から1962年まで『自衛隊年鑑』に各企業の納入実績/製品名&総額が掲載されています。(翌号の1964年からは納入業者一覧だけに)
水戸合金工具は毎年多くの工具を納入していて、工具メーカーの中で最多なのが分かります。(自衛隊以前の警察予備隊の納入業者一覧にも入っています)
創業が1940年ですので、軍需企業が始まりだと思いますが、残念ながら会社HPや国会図書館を含めて戦前の会社情報が皆無なので、実態は不明です。
戦後の広告に『航空機用整備工具』が取扱製品に入っていますので、航空機用の工具類を軍に納めていたのだろうと思います。
その実績が自衛隊への最多納入に繋がっているのだろうと推察します。
↑1957年『自衛隊年鑑』
・工具メーカーとして唯一『自衛隊年鑑』に広告を出しています。
・『防衛庁指定銘柄』、『米八軍指定工場』とのこと。※米八軍…在韓米軍
↑1959年『日本機械工業名鑑』、1960年『機械取引名鑑・第3集上』
↑1962年、64年~70年/水戸工業『自衛隊年鑑』
・水戸合金工具は1961年に製造の水戸工機と販売の水戸工業に工販分離し、以降販売広告は水戸工業が出しています。
旭金属工業
スパナでJIS認証を取得する前年1960年の広告ですので、何故JISマークがあるのだろうと疑問に思っていたら、なんと最初の布施工場で1958年にJISを取得していました。(最初のJIS認証一覧/1962年には新工場での登録/1961年が載っていたため、1958年登録には気が付きませんでした)
広告に教えて貰いました。(別ページのJIS取得一覧を作り直さなくっちゃ)
なお、戦後の広告はこの1つしか見つかっていません。
※戦前分は戦前編にて。
↑1960年『機械と工具年鑑』
製造は旭金属工業ですが、販売は1970年までは旭金属(株)が担当していました。(1970年からは新日本ツール)
東邦工機
↑1948年『大阪府推奨優良工産品名鑑』、同年『全国商工年鑑』
・モンキーレンチに引っかけて猿の商標があるのをこの広告で知りました。
・同じ年の微妙に異なる広告2種、片側は"FORGED"にミススペルがあり、もう一方は修正されていて、さらに上部に猿ロゴの有り無し。
・猿の商標は戦前の広告から使われています。
↑1937年『工業年鑑』(戦前の広告ながら、戦後と一緒に載せます)
↑1963年『機械工具取引案内』
京都機械/一重丸京
京都機械/一重丸京は、戦時中に海軍の工具専用工場だった経験(高品質)を活かして、戦後は自衛隊や国鉄、航空機機製造会社への納入をメインにしていました。
したがい、一般販売にはあまり力を入れていなかったので、広告は非常に珍しい。
今のところ、以下の3つだけが確認できています。
↑1946年10月『復興産業取引要覧』内の企業広告
・見つけた中では終戦後で最初の工具会社広告。(終戦から1年後)
・『自動車整備工具セット』…たぶんトヨタトラックKC型の車載スパナ
・『鐵道、軌道用工具セット』…たぶん国鉄向け工具

↑1953年『自動車整備』
・ちゃんとしたイラストの商品広告が見たいところです。
↑1961年『機械取引便覧』
↑1963年『機械工具取引案内』(自社紹介広告)
NTK(旧・新潟鍛鋼)
このブログを書いていて、初めてNTKの広告を見つけました。
さらに、新潟鍛鋼(1938年~1955年)時代の広告を探しています。
↑1960年『機工取引便覧』
昭和スパナ製造
昭和スパナの広告も初めて見つけました。
私が戦後スパナを追い掛ける切っ掛けになったのが、この昭和スパナです。
最初の頃は、スパナ現物が沢山あるのに会社名すら分からずにいて、この広告に辿り着くのに1年掛かりました。
※戦前分は戦前編にて。
↑1968年『標準化と品質管理』
※この広告だけ1964年以降の1968年ですが、昭和スパナの広告は珍しいので特別に。
北陽産業/SANKI
広告内の"丸い3つの『キ』"ロゴより、三条機械製作所の工具部門が分社して北陽産業になったことを突き止めました。
↑1960年『新潟県商工名鑑』、1963年『機械工具取引案内』
相伍農機製作所/AIGO
・1960年…旧社名『相伍農機製作所』、
のシングルロゴ
・1963年…新社名『相伍工業』、
と
のダブルロゴ
・1966年…
だけのシングルロゴに
OK印スパナの存在が広告で確認できましたので、新たに探し始めます。
ちなみに、社長が相田伍三郎さんなので『相伍』。
↑1960年『新潟県商工名鑑』、1963年『日本展望』
↑1965年『日本金物年鑑』、1966年『同』※ロゴ表示確認のために1966年まで。
富士機工/FUJI PEACE
杉本鍛工の名称で1963年にJIS認証を取得しています。
↑1963年『機械工具取引案内』
2.戦前
※製造会社、販売店、カタログの順
東京鍛工所/TDF
日本最初の型鍛造スパナ(1918年~)
↑100年以上前のスパナ
↑1939年『全国工場通覧』
↑1928年『全国金物名鑑』と1934年『全国工場通覧』の販売店広告
前田軍司商店、前田金属工業、前田機工(前田金属工業 ⇒ 現・TONE)
・前田軍治商店(創業1925年)から 製造部門として前田金属工業が1938年に分離
⇒ TONE/2013年
・販売部門として残った前田軍治商店は、戦時中の1943年に前田機工に改組
↑1933年『自動車年鑑』
↑1934年『優良商品商標大鑑』、1937年『新興日本商標総覧』
↑1939年『自動車年鑑』by 前田軍治商店、1943年『自動車年鑑』by 前田機工
↑1942年『工業取引案内』(戦後に繋がるトネ印が登場)
・背景が戦車になっていて、いかにも戦時中の広告
旭工具製作所(現・旭金属工業)
↑1941年11月『工業取引案内』、1941年『工業年鑑』
※太平洋戦争開戦(1941年12月)1ヶ月前の広告
日本理器(現・ロブテックス)
※戦前分だけ(戦後は戦後編に)
↑1930年『中外金属新報』
↑広告内のモンキーレンチ拡大
・"MONKEY WRENCH ◇RK"と刻印。
・LOBSTERブランドのモンキーが発売される前年、1928年に登場した初代モンキーレンチと推測。
↑1939年製モンキー(1933年広告に登場しているモンキー)
↑1933年『全国工場通覧』、1941年『工業年鑑』
昭和鍛造工業所(戦後の昭和スパナ)
裏面SDFロゴ、いずれかのOEM(戦前、戦中に航空機製造工場で使用されていたスパナ)
↑1940年『東京市商工名鑑』、1941年『同』
松戸製作所
松戸製作所(埼玉/松戸)の大阪営業所が、戦前にMRSロゴの広告を出しているのを見つけ、MRSロゴが戦前から使われていたことが分かりました。
↓1941年『工具取引案内』
以前から『MRSって何なんだろう?』と疑問に思っていました。
戦前広告を見つけたことを切っ掛けに、特許庁に商標登録を直接確認するなどしてやっと詳細が分かりました。
そして、商標登録が分かったことから芋づる式にMRSの全てが分かりました。(最初に自衛隊スパナを手に入れてから辿り着くのに2年掛かりました)
・1934年2月に銀座『菊秀刃物店』の刃物工場として埼玉/松戸に松戸利器製作所を設立。
・"M.R.S."(松戸・利器・製作所)が追加されて、
が会社ロゴに。
・刃物から工具製造に切り替え、戦時中は中島飛行機や陸軍に工具を納入。
・戦後は、警察予備隊/保安庁の時代から自衛隊に多くの工具を納入。
・松戸利器製作所 ⇒ 松戸製作所 (1937年~)⇒ 松戸工具(1955年~)と変遷。
・松戸製作所は、1952年に最初のスパナJIS認証を取得した7社の内の1社。
・1955年に松戸工具に名称変更し、1959年にスパナJISを取り直し。
広告探しから詳細が分かりましたので、専用ページを作りました。⇒ こちら
服部廣鐵工所(戦後は服部スパナ)
上の松戸製作所と同じく1952年に最初のスパナJIS認証を取得した7社の内の1社。
↑1941年『全国工場通覧』、1943年『工場仕入案内』
・1943年…戦時中の工具イラスト付き広告は非常に珍しい。
恩加島鐵工所(現・日本鍛工)
↑恐らく広告に掲載されている1935年モンキーの現物。
写真を送って貰ったのですが、今でも現場で使っているとのこと。
↑1935年『全国工場通覧』
竹内スパナ製作所
見つかっている中で一番古い作業工具の広告
↑1927年『東洋金属名鑑』、1928年『同』
自動車商工
輸入品の広告(マーモン印ソケットと恐らくBONNY500シリーズ・スパナ)
↑1936年『全国工場通覧』
シライ自転車
↑1932年カタログ ⇒ 全29ページ版は、こちら。(個人サーバー)
※私が知る限りでは、戦前の工具カタログで見ることが出来るのは、この『シライ自転車』と次の『吉兵衛商店』の2つだけ。
吉兵衛商店
※販売店の独自ブランド"丸吉"スパナ(恐らく東京鍛工所のOEM)
↑1937年カタログ ⇒ 全208ページは、こちら(国会図書館の会員登録要/無料)
・戦前で唯一の本格工具カタログ。(利器/ナイフ、大工道具を含む総合カタログ)
この回、終わり












































































