KTC-22
珍しいKTCロゴ
HM/ホンダ二輪向けOEM
(1955年/ホンダドリームSA型?)
これまで見たことが無いKTCロゴのホンダ二輪(HMマーク)スパナを新たに見つけました。
※HM…Honda Motorの略
① これまで見たことが無いKTCロゴ
・ホンダ二輪の車載工具で良く見かける10x14のスパナです。
・裏面のロゴよりKTC製であることが確認出来ますが、珍しいKTCロゴになっています。
(大きな"T"が傘のようになっていて、"K"と"C"が傘の下にありますので、以降は"T傘KTC"と呼びます)
★車載車型の推定
1)KTCロゴからの考察
KTCのロゴは、創業時は二重丸京
、さらに創業から4年後の1954年5月にお馴染みの楕円KTC
が商標登録されています。
出願されたのは1953年9月ですので、その1953年頃から楕円KTCの使用が始まったものと思います。
楕円KTC以前は二重丸京がKTC唯一のロゴになりますが、何らかの理由でホンダ納入工具には二重丸京を使わず、楕円KTCを出願する頃の初期はこのT傘KTCロゴ
が使われたものと推測します。
したがい、このモデル①は創業1950年以降、1953年頃の生産と考えるのが妥当だと思います。
ちなみに、KTCの商品第1号はトヨタ向け車載スパナですが、ほぼ同時期にホンダにもOEM納入していたことになります。
なお、英語会社名の略である"K.T.C."は二重丸京
と併記する形で創業時から使用されていますが、"K.T.C."では無く、敢えて新たなロゴ
を採用した理由は不明です。(自社ブランド商品との差別化をしたかった?)

2)HMロゴからの考察
HMマークは1953年3月のホンダ月報に登場しているとのことです。
一方で、初期ホンダ二輪のエンブレムは以下の様に変遷しています。
↑1947年A型(ホンダ最初の二輪/正確には自転車用の補助エンジン)
↑1951年ホンダドリームE型
↑1953年ホンダベンリーJ型
・1955年に登場したホンダドリームSA型が、タンクエンブレムにHMマークを採用した最初のホンダ二輪になります。
HMマークの商標登録は1960年出願、1962年認可になっていますが、実際には1953年(ホンダ月報)から使用されていたことになります。
3)車載車型の結論
前項1)よりKTCロゴの観点からは1953年頃の商品であり、2)項の通りホンダ二輪にHMマークが最初に採用されたのが1955年ドリームSA型であることから、このスパナ①はそのホンダドリームSA型の車載工具と推定します。
Wikipedia ホンダドリーム号
Wikipedia ホンダベンリー号
② スタンダードな楕円KTCロゴ
・同サイズ(10x14)のホンダ2輪(HMマーク)スパナでスタンダードな楕円KTCロゴは比較的良く見かけますので、幅広く採用されていたようです。
・楕円HMマークの文字が太くなり、登録商標されたHMマークに近づいています。
・楕円KTCは1953年に既に商標出願されていますので、1955年のドリームSA型にT傘KTC
が採用された後、比較的すぐにこの楕円KTCモデル②に切り替わったものと推定します。(例えば、最初のカブ1958年以降はモデル②が車載されたと推定)
・ボディーが細身で、HMマークが細長くなっています。
・モデル①と②のKTCロゴ(裏面)比較です。
・モデル①が太め(無骨)なことから、モデル①の方が時代が古そうです。
★バリエーション5種(生産元3社/KTC、Kowa、Riken)
↑表面
↓裏面
・車載スパナ10x14のバリエーション5種。
・胴長の幅(太い⇒細い)で並べてあります。
・また、同じくKTC
とKowaだけ全長が少し短くなっています。
・なお、KTC
裏面に"LONG"の刻印がありますが、他に較べると短いのに何故"LONG"なのか不明です。
・2番目のKowaは、KTC
と形状が似ていますので、同年代の初期モデルなのだと思います。
・RK/Riken2種(3番目と4番目)の内、3番目の方のHMマークが極端に小さく、これも時代が古そうな気がします。
・推測の域を出ませんが、KTC
とKowaが第1世代、小さなHMマークのRKが第2世代、2つめのRKが第3世代、そして最後のKTC
がHMマークが細長で大きくかつ胴長が細身(スマート)であることから第4世代なのかと推察します。
※スパナ10x14にはKowa製もあり、入手中ですので、別途追加の予定です。(生産元は3社)
【参考】10x14スパナ(品番9900110140)について
・主要車種に車載されているスパナサイズを、パーツリスト情報(1958年以降)より一覧表にまとめました。
(ホンダ車載コンビレンチ/Kowaのページで紹介したホンダオートバイ全モデルのパーツリストにて確認)
・サイズ10x14が多くの車型で採用されていることが分かります。
・10x14の品番は全て"9900110140"になっています。
・また、パーツリストでは工具セット全体図しか確認出来ないため、ロゴの大小などスパナのデザイン差が分かりません。
・したがい、KTC
についてはドリームSA型への車載と推定していますが、その他の3種についてはどの車型への車載なのか残念ながら判別できません。
・なお、ドリームSA型は1958年よりも以前であるため、車載工具の内容についてパーツリストで確認が出来ないのが残念です。
左からC100/初代カブ(1958年)、CB92/初代CBモデル(1959年)、CB750Four/K0(1969年)
この回、終わり













