DIA-COMPE

(株)ヨシガイ/吉貝機械金属

日本ブランド76番目

 

自転車用品のブランドDIA-COMPE/ヨシガイ(旧・吉貝機械金属)が30年ほど前に4種類の自転車用コンビレンチを販売していました。

このブログの読者の方にその存在を教えて貰いました。

日本のコンビレンチ・ブランドの76番目として紹介します。

 

1.商品紹介

 ① 3本セット(品番446) 

13x12、10x9、8x10のコンビレンチ3本セットです。

ボックス部のオフセット15度を、プレス曲げでは無く、鍛造過程で確保する高級仕様になっています。

このサイズではボックス部を一端平面で鍛造した後に12PT加工してからプレス曲げを行う簡易仕様が普通です。

さらに、スパナ部も後加工で薄く削ってあります。

結構お金が掛かっている印象です。

胴長が先細りになっていても、丸パネル自身は同じ幅(並行)のままなのが普通ですが、この商品は胴長と同じように先細りにしてあります。

非常に珍しいパネル形状だと思います。

メガネが9、10、12mmで、スパナが8、10、13mmであり、メガネとスパナのサイズに差があります。

自転車整備にはこの方が向いているのだと思います。(自転車のことは良く分かりませんが)

 

横向き写真でボックス部オフセットの付け方ならびにスパナ部の厚みに注目して下さい。

 

 

1986年と1995年の古いカタログに掲載されていますが、今は廃番になっています。

3本セットは幸いまだ在庫が残っていたため、ヨシガイから直接入手出来ました。

全くの独自形状であることから、私が得意とする"形状からの製造元推測"は難しくなります。1982年まで大阪に拠点を置いていた工具商社の新日本ツールがアレンジしていたとの情報を購入の過程で貰いました。

アレンジ商社のその先を辿っていくと燕三条に引っ越す前の大阪時代の旭金属工業に辿り着きます。

ヨシガイも大阪の企業ですので、大阪同士でOEMビジネスが完結したと推測すると、最初の発売は1982年よりも前の1980年頃まで遡ることになります。

ロゴ等の鍛造浮き出し文字が非常に綺麗に出ており、丁寧に作られていると感じました。

 

  

 

 ② 2本セット(品番445)内のコンビレンチ(メガネとのセット)

3本セットに較べると梨地表面が少し粗くなっており、3本セットよりも古い年代の物のような感じです。

DIA-COMPロゴの字体が3本セットの細文字に対して太文字になっています。

裏面の刻印表示を見る限りでは3本セットと同じ製造メーカーのようです。

コンビレンチとしてはこの4種だけとのことでした。

 

 

2本セットがヤフオクに出品されていることをブログ読者の方に教えて貰ったのが始まりですが、メガネの方は欠品していました。(コンビレンチのコレクターとしては問題無し)

 

全4種類

 

2.各種情報

DIA COMPE/ヨシガイ 現在の会社Web(コンビレンチは未掲載)

1986年吉貝機械金属カタログ(コンビレンチ掲載)

1995年吉貝機械金属カタログ(コンビレンチ掲載)

古いカタログは個人の自転車マニアの方が作っているホームページに載っているものです。

複数の会社のカタログが掲載されていて、まさしく私がやりたいことです。

まだ、TONEしか実現できていませんが、私も掲載カタログの種類を増やしたいものです。

 

3.カタログ

 1986年 

 

 1995年 

 

この回、終わり