食道がんステージⅣaで放射線と抗がん剤の治療を受けてから約2年半(30ヶ月)が経過した。

 

 

以前、治療の副作用や後遺症についてブログに書いたことがある(↑)が、その時に気になっていた軽度の食道狭窄(喉のつかえ感)はいつの間にか無くなった。CT画像で心臓の周りに囲いのように見えていた心嚢水貯留も殆ど目立たなくなった。つまり、治療前と全く同じ身体に戻った、と言いたいところだが、そういうことでもない。

 

先日、市役所から健康診断の結果「貴方は生活習慣病のリスクが高いので是非アドバイスしたい」というお手紙を頂いた。

 

そう言えば、食道がんの治療を行った年はケモラジ後の救済手術を行う/行わないでドタバタしていたので健康診断の結果は殆ど見ていない。翌年は下咽頭にがんが見つかった時期なので、この時も健康診断の結果はあまり見ていない。今年は市役所から警告の手紙を頂いたので改めて結果を見てみると、HやLの警告マークがあちこちにあり、何やらマズそうな雰囲気。そこで手元に残っていた食道がん治療前2年間と治療後の3年間の結果を見比べて見ると大きく変化している項目が幾つかあることに気付く。

 

□体重/BMI

 

治療終了2ヶ月後の結果を見ると体重は前年から約9kg減っていたが、翌年にはほぼ元に戻り、今は逆に治療前より増えている。これは治療の影響で体重が減ったので、以前はあまり食べなかった間食を増やし、そのままリバウンドしてしまったためだ。今、BMIは25~26で軽度の肥満に区分されるが、この位の方が良いという話もあるのでBMIを減らす目的での減量は考えていない。

 

□肝機能(γ-GTP)/血圧

 

治療開始と同時に断酒した効果で、以前は80を超えていたγ-GTPが一挙に10台まで下がった。γ-GTPは100以下の段階で断酒すれば正常値に戻るとあるが、正にその通りだった。意外だったのは血圧で、150台だった最高血圧が降圧剤などを使用することなく120台まで下がったこと。大酒の影響は大きかった。

 

□腎機能(eGFR)

 

eGFRは治療前は年齢相当の70~75だったのが、ここ2年は55~60まで急激に低下した。どうしても気になるのは抗がん剤の影響。シスプラチンなどのプラチナ系抗がん剤は腎機能に障害を与える。ある研究結果では抗がん剤治療後eGFRは平均で7ポイント低下したという(がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022)。私の場合、抗がん剤治療は3クールだけだったが、抗がん剤の副作用(後遺症?)で腎機能が低下した可能性もありそうだ。

 

ただ抗がん剤治療終了直後のeGFRは70以上だったので、その後の腸管穿孔の治療時に約2週間連続投与した抗菌薬の影響や、eGFR大幅低下直前1年間で行った6回の造影CTの影響などもあるのかも知れない。もし腎機能の急激な低下が薬剤性なら、今から生活習慣の見直しを行なっても効果は限定的な気がする。

 

□LDLコレステロール/血糖値(HbA1c)

 

LDLコレステロールは治療前も120台とやや高かったが、治療後は160~170と一気に上昇。血糖値(HbA1c)も6.0を越えた。コレステロールは少し高めの方が免疫力も増して良いのだという話を聞いたことがあるが、恐らくもうそのレベルは超えている。昨年夏頃から脳梗塞の前兆(TIA)っぽい症状を経験しているが、コレが大きく影響している気がして来た。

 

治療後の大幅な体重減を何とか回復しようと思って、お菓子や菓子パン等の間食を増やしたことが原因に違いない。体重が“増えた“のではなく、意識的に“増やした”のだが、どうやらその方法がマズかったようだ。取り敢えずシュガーレスガムをボトルで買ってきた。何かで口を塞いでおけば間食は減らせるハズだ。

 

まず間食を減らすとして、その後はどうすれば良いのか調べてみたが、あれが良い、これも良いと情報が沢山あり過ぎて混乱気味である。という事で、市役所から案内があった特定保険指導に行ってみた。対応してくれたのは若い管理栄養士さん。良いと言うことと実践できることは違うので、その先のことはゆっくり考えることにした。あちこち突っ込んでアドバイスを素直に聞かないオヤジの相手は大変だっただろう。

 

食道がんステージⅣaだった私が今、生活習慣病のことを気にし始めている。

大変恵まれた状況を誰に感謝すれば良いのか分からない。

 

 

もう河津桜が咲いてました。

 

 

(蛇足)

昨年の健康診断ではメタボ予備軍に編入されてしまった。腹囲測定の時、いつもは“緊張感“を持って臨むのだが、昨年はふと「ありのままの姿みせるのよ」などと思ってしまい、その隙に測定されてしまった結果である。もう1度測定して貰えば腹囲をメタボ基準値の85cm以下にグッと押え込む自信がある。