コアフローセラピーの施術のひとつに、頭部の施術があります。時には一時間以上、頭部の施術を行うこともあるのですが、頭蓋骨、頭部は、腰部と共に、人体のバランスをつかさどるもっとも重要な部位です。ここがバランスよく緩んでいると、身体の緊張と弛緩がうまく調整されて、ゆったりと生活できるようになります。

 人間の頭蓋骨は、前頭部、後頭部、側頭部の三方が筋肉で覆われています。後頭部の上方から頭頂部は皮膚に覆われていて、前頭筋と後頭筋につながっています。側頭部の構造はより複雑で、一番大きな側頭筋は頬骨の内側を通ってあごの骨につながっています。頭蓋骨全体でみても、側頭部は主要な5つの骨が接合している箇所で、あごや目、鼻、そして首の緊張と、深く関わっているのがわかります。施術では、この側頭筋を緩め、それぞれの接合部がより緩やかにつながりを維持できるように調整していきます。その後は後頭部、前頭部の筋肉も同様に緩めていき、緊張が緩んだ状態で、頭蓋骨の概観のバランスをとっていきます。この施術では、頭蓋骨が本来持っている姿になるべく近いような、内側から広がった、全体的に丸い形になるように少しずつ接合部を緩めながら形を整えていきます。施術前と後とで比べると、頭がより丸みを帯びて、後ろに大きく広がった形になることが多いようです。頭蓋骨が本来予定していた形にならなかった理由としては、長期にわたる(成長期を含む)ストレス、事故による強打、生活習慣によるもの、などがあげられます。これを解消することで、頭部にまつわる様々な症状、精神的な症状が改善されると考えています。

 頭部の外側の緊張が緩んだら、次は頭部の内側の施術を行います。これは、脳脊髄液の循環をよくする、ということが目的になります。頭蓋骨の施術が終わって、筋肉の緊張が緩みふっくらと丸みを帯びた構造ができてきたところで、大脳の外側と、小脳の周囲、脳室付近に流れる脳髄液の循環を活性化していきます。通常は、首の後ろに指を触れた状態で、まず、気のセンサーを用いて流れが滞っているところがないか確認していきます。糸のような形状にイメージした気をそれぞれの主要なポイントに通していき、抵抗があれば滞っている、抵抗がなければ流れている、という判断をしていきます。抵抗があった箇所については、引き続き何度も気を通していきます。しばらくすると、抵抗がなくなってきて、指にもそれがじんわりと伝わってきます。抵抗がなくなったら、次の箇所に進みます。これを繰り返し、脳内の主要な部位で脊髄液が滞りなく流れていくのを確認していきます。すべて終わる頃には、脳がとてもリラックスした状態になり、長い施術の後でも、すっきりと目覚めることができます。

 頭部は人間の身体の中でも、もっともデリケートな部分でもあります。細心の注意を払い、最大限の集中力で施術にあたります。後頭部と首や肩のこりは特に関係が深く、後頭骨が緩んではじめて肩が楽になった、という方も多くいらっしゃいます。頭部の施術で肝要なことは、いかに柔らかくほぐすかという事ではなく、頭蓋骨のもっともバランスのよい状態を見つけていかにそれに近づけていくことです。それが、脳を含む頭部のパフォーマンスを最大限に引き出すことにつながると考えています。