痛みは、体からのサイン。でも、それだけではない?

「ここが痛い」
「今度はこっちが痛い」
年齢を重ねるにつれて、そんなことが増えたと感じる方はいませんか?
私自身、30代から今まで、体のどこかにいつも痛みを抱えてきました。
一つの痛みが落ち着いたと思ったら、しばらくして今度は別のところ。
膝、腰、手、腕……。
私自身、これまでたくさんの痛みを経験してきました。
だからこそ、
トレーナー、そしてヨガインストラクターとして仕事をする中で、
私がずっと大切にしてきたことがあります。
「痛みを抱えている方の体が、少しでも楽になるお手伝いができたら」
私のクライアントさんにも、
膝や腰、肩など、さまざまな痛みを抱えている方がたくさんいらっしゃいました。
自分自身の経験が少しでも役に立てばという思いから、
「なぜ痛むのだろう?」
「この痛みには何が起きているのだろう?」
と、自分で調べ、本を読み、
実際にクライアントさんの体と向き合いながら、
痛みについて勉強を続けてきました。
自分自身の痛みの経験も、
クライアントさんとの出会いも、
私が「痛み」について学び続ける大きなきっかけになってきました。
今日は、そんな「痛み」の正体を少し見てみたいと思います。
💫痛いところが、悪いところ?
痛みがあると、
「ここが傷んでいるんだ」
と思いますよね。
もちろん、怪我をして組織が傷ついたときには痛みが起こります。
でも、痛みはそれだけではありません。
痛みは単純に「傷の大きさ」だけで決まるものではなく、
体の状態や神経系など、さまざまな要素が関係しています。
そのため、
痛みが強い=体の損傷も大きい
とは、必ずしも言い切れないのです。
💫痛みには「3つのタイプ」がある?
私が痛みについて調べる中で、
とても興味を持ったのが、痛みには種類があるということでした。
少し難しい名前ですが、
痛みの仕組みは大きく3つに分けて考えることができます。
実際には、複数の仕組みが重なっている場合もあります。
① 侵害受容性疼痛(しんがいじゅようせいとうつう)
怪我や炎症などによって組織に刺激が加わり、痛みを感じる仕組みです。
転んで膝をぶつけた、足首をひねった——
そんなときの痛みをイメージすると分かりやすいですね。
② 神経障害性疼痛(しんけいしょうがいせいとうつう)
神経そのものが傷ついたり、神経系の病気によって起こったりする痛みです。
「ビリビリする」
「ジンジンする」
「電気が走るような感じ」
などと表現されることもあります。
③ 痛覚変調性疼痛(つうかくへんちょうせいとうつう)
これが少し意外です。
組織の損傷や神経の病気だけでは十分に説明できないのに、
痛みを感じる仕組みが変化し、痛みが続くことがあります。
「もう傷は治っているはずなのに、どうしてまだ痛いの?」
そんな長く続く痛みを考えるうえでも、知っておきたい仕組みです。

💫へぇ!からだの言葉
「疼痛(とうつう)」
難しく見えますが、「疼痛」は「痛み」を表す言葉です。
そして、先ほど出てきた「痛覚変調性疼痛」。
英語では **Nociplastic pain(ノシプラスティック・ペイン)**と呼ばれます。
「痛いのだから、必ずその場所に傷があるはず」
とは限らない。
長く痛みと付き合ってきた私にとって、
これはとても興味深い体の仕組みでした。
💫痛みを長引かせないために
私が痛みについて経験し学ぶ中で、
大切だと感じてきたことの一つが、痛みを長く抱えたままにしないことです。
痛みが長く続く過程では、
痛みを伝えたり感じたりする神経系にも変化が起こり、
痛みに敏感な状態が続くことがあります。
ただし、急性の痛みがすべて慢性の痛みに変わるわけではありません。
痛みが長引く背景には、体の状態だけでなく、
さまざまな要素が関係しています。
だから私は、
「痛いけれど、そのうち何とかなる」
と我慢し続けるのではなく、早い段階からその痛みと向き合い、
必要なケアにつなげていくことが大切だと思っています。
💫自分の体を知ること
私自身、長い間さまざまな痛みや不調を経験する中で、
体には傷ついたところを修復し、
回復しようとする働きが備わっていることを何度も感じてきました。
ただ、回復には時間がかかることもあります。
医療の力が必要なときもあれば、
体の状態に合わせて動くこと、休むこと、温めることなど、
暮らしの中で自分にできることもあります。
私たちパーソナルトレーナーやヨガインストラクターは、
薬を選んだり治療を決めたりする立場ではありません。
でも、必要に応じて医療の力も借りながら、
ヨガやトレーニング、東洋医学やセルフケアの知恵を生かし、
「今のこの体に、何ができるだろう?」と一緒に考えることはできます。
大切なのは、自分の体を知ること。
誰かにすべてを預けるのではなく、
必要な助けを取り入れながら、自分自身も体と向き合っていく。
私はそんなふうに考えています。
💫そして、もう一つ気になる「炎症」
私はこれまで、自分の体に痛みや不調が起こるたびに、
「どうしてこうなるんだろう?」
と気になって、調べてきました。
そんな中で、
痛みについて調べていると何度も出てくるのが、「炎症」という言葉でした。
怪我をしたときのように、
腫れたり、熱をもったりして、目に見えてわかる炎症もあります。
でも、炎症はいつも目に見える形で現れるとは限りません。
そして反対に、
痛みがある=そこに炎症がある
とも限りません。
では、痛みと炎症にはどんな関係があるのでしょう?
そもそも、炎症は体にとって悪いものなのでしょうか。
調べていくと、
炎症には体を守るために必要な働きがある一方で、
長く続くことで問題につながるものもあります。
炎症には、二つの顔がある。
次の記事では、そんな「炎症」の正体について見ていきたいと思います🍃
💫からだメモ
痛みには、
怪我や炎症などから起こる痛み。
神経の損傷や病気から起こる痛み。
そして、痛みを感じる仕組みが変化して続く痛み。
いろいろな仕組みがあります。
「痛み」と一言でいっても、その中身は一つではありません。
長い間、痛みと付き合ってきた私にとって、これはとても大切な学びでした。
だからこそ、痛みをただ怖がったり我慢したりするだけではなく、
「この痛みは、どこから来ているんだろう?」
と、自分の体を知ることから始めたいと思っています。

次回
「炎症って、悪いもの? 体の中では何が起きているの?」