【予期せぬ幸せor不幸】

淳‼️私に また天使が降りて来た
ここで暮らすしかないわょね 
 そうしましょう

此処は北海道の“ヘソ”富良野 
1986年も師走

今回は由里子姉さんと由里子姉さんのお姑さんにも協力して貰った
その日 由里子の家に手伝いに行くと
静香は いつもの様に家を出た
由里子のお姑さんに涼を預けて 富良野市内にある涼を出産した中山産婦人科へ向かった


『おめでたですね…予定日は来年七夕7月7日になります…今回は涼一君とは違い 悪阻もないようだね ただ…』先生が云い淀んだ
『いや!心配は ないでしょう…まだ3ヵ月少しですから…しかし…胎児が小さい様に思われるので農閑期なんですから無理なされん様にして下さい』少し不安材料はあるのだが先生にお任せする他ない

静香は先の事よりも嬉しさがいっぱい…
気分上々で由里子の家に向かった

今年の根雪は遅かったが路面は圧雪なので慎重に車を走らせた

由里子も由里子の家族も静香の働きぶりやパートの奥さん達からの評判も良い
静香を高く評価していたので何かと
陰ながら助けてくれていた
心強い味方である

由里子の家族は静香の報告を喜んでくれた
由里子の長女も『静香ちゃん …赤ちゃん
できたの?生まれたら朋美にも 抱かせてね』と嬉しい事を言ってくれる

ただ 由里子は喜んでくれているが 
渋い表情で話す

『静香ちゃん 自分の母親ながら恥ずかしいんだけど…』少し間を置いて
『母は必ず 嫌みを言うと思うの…私も一緒に行って話そうか?』と申し出る
静香は笑顔で『大丈夫です!自分で伝えます  ただ…胎児が小さい感じなので 安定するまで玉葱選別には来れないかも…ごめんなさい』由里子は そんな事は気にする事はないと笑った

そして はじめて “独立計画”と静香の今の気持ちを由里子に話した
由里子は弟である淳の事を『あの子は昔から優しい子でね 親思いなんだよね』本心は家を出たいわけではないと思うと…皆で仲良く暮らせたら…このまま農業も続けていきたいのが本心だと思うと話し『ただ 静香ちゃんに これ以上 辛い思いをさせられないし…苦しむ姿も見たくない!だから 静香ちゃんが頑張るって言っても考えを変えないんだと思うよ!』と…そこは静香にも理解出来ている
由里子自身の考えは 静香が妊娠したと知れば 何かが変わるかも知れない…
静香が“頑張る”と言うなら由里子は全面的に協力すると言ってくれた 静香は嬉しかった


独立の話しなのだが…
もう12月…

勿論 計画が消えた訳ではない
淳は当初の約束を守れない事に苛立っていた
住む家が決まらない!

予算が合えば淳の希望とは合わず…
希望通りだと予算が合わず…
延び延びで 今に至っている

実は物件が決まらない事に静香は 願ったり叶ったりだと安堵していた 
淳との話しは平行線のまま…
静香の妊娠を知ったならば考えを変えてくれるだろうか?

義母は今シーズンの青果会社の仕事も終わり仲良し山下宅に今日も出かている 
夕方まで帰らない!
静香は気が楽なのだが山下さんの嫁 郁子さんには申し訳なくいつも思っていた

今回の妊娠は…悪阻もなく…小百合の挙式などで気付くのが遅くなったなぁ~とお腹を擦った
サークルの中で遊んでいる涼に『涼もお兄ちゃんかぁ~』1年3ヵ月でお兄ちゃんはかわいそうかな?と思ったり…『喜んでくれるよね…涼兄ちゃん』と思ったり…
『マ・マ…』と涼が言った…言った様に聞こえた  静香は涼を抱きしめた
義母には涼の時のように最悪の嫌みを言われるだろうか?
淳は妊娠を知っても独立計画を実行すると言うだろうか?
笑い声をあげて遊ぶ涼に 『どう思う?』と静香は問いかけた

📖次回予告✏️

悲しき別離【農業とは…】

けたたましく鳴る電話のベル
嫌な予感…

それは悲しき知らせだった

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