悲しき別離【農業とは…】
静香は思った‼️ 人参だ‼️
佐々木さんの家は規模を拡大して 大変だと聞いていた… でも自殺なんて…

佐々木さん夫婦は素敵な人たちで…
静香はどうして良いかわからなかった
涼の泣き声で静香は我に返った
『ごめん‼️お腹が空いたのね』
涼の離乳食とミルクを用意していると
義母が転がる様にキッチンに走り込んできた
『静香さん‼️父さんは…まだ?電話で聞いたでしょ!』
義母は静香の話しも聞かず 話を続ける
『去年も赤字で みんな連帯保証人になってたから…今年はと 人参多くして また
ダメ‼️死にたくもなるわな』淡々と話す
そんな義母を少し恐く感じた
少しして義父が帰宅した
続いて淳も帰宅 静香は淳の顔を見るなり 周りも気にせず抱きついて泣いた

農家は何軒かが集まり部落になっている
今は部落とはよばず農事組合とよぶ…
街でいうならば町内会
農事組合長は町内会長というわけだ!
町内会とは違うのは 個々の生活や収入が
農事組合員の生活や収入に関わってしまうという点である
つまり経営が上手くいかず次の年度も
農業を継続できる体力がない…
利益がマイナスなのだから肥料も種も買えない
ましてや専業農家ならば どこからも収入はないという事になる
借金する他ない
借り入れ先は 農協になる 10万や20万の
話ではない‼️
保証人が必要だしかも連帯保証人だ
そこで部落全戸が承諾印を押す
しかし 次の年度も見込めないと判断されたなら承諾は得られないわけで 廃業しかないのだ!
また その年の農業を継続する為に 借り入れた借金が消滅するわけでは ない
農業機械 農地 宅地 お金に換算出来る全てを売る
安くたたかれ…
それでも借金が完済出来る農家ならば
よいが…

この麓郷の地には 居られない
何故なら 他の農家が連帯保証人になっているからだ
他の農家は残金を分担して農協に返済する
破産した農家は 他の農家に顔向けが出来ない!
酷いときは夜逃げして
家がもぬけの殻の時もあるそうだ
一般的に農家は3世代 4世代は 珍しくない
その家族が 今までの様に ひとつ屋根の下に住む事は難しい…
富良野の街や旭川 札幌に 出たとしても
農業しか知らない人間 幼い頃から土いじりしか知らない人間には なかなか仕事はない
だから農業も“やめ時”なる言葉が使われる
南麓郷の富山さんの家では 家を新築した年の暮れに農業を諦めた
離農して札幌に出た
富山さんは息子さんと奥さんの3人暮らしだったので出来た事かも知れない
息子さんは26歳 両親も50代前半 早くに
見切りを付けて借金も家のローンが少し残ったのみで済んだそんな農家もある
毎年…1軒…また1軒と農家が消える
力があると思い違いをする農家は離農した農家の土地を安く買い取り土地を広げる
自分の身の丈が見えなくなり その農家もまた破綻するパターンもある
その繰り返し…悲しき現実…
そして 他人事ではない現実を…
静香 は 痛い程感じて悲しみと怒りの中に 立っていた
📖次回予告✏️
悲しき別離【農家とは…】
この富良野岳の裾野に広がる大地で…
人間はなんと愚かな行いを繰り返すのだろうか…

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