去り逝く者・産まれ来る者【告白】


恵は『静香ちゃん…私涙が出ないんだよ 
お姉ちゃんも真実も…あんなに泣いているのに…お姉ちゃんがね 恵は冷血人間だ💢って…でも出ないんだよ…静香ちゃん…
静香ちゃん…』

静香はあの日…

マサが亡くなった日…

あの夜 病院の待合室の長椅子に座る
自分を見た気がした

出ないんです 

涙が~1滴も…

『恵ちゃん、私もね…同じ事…思った時があったんだょ お母さんが亡くなった時
 そしてね…大切な友達が亡くなった時…
周りの皆は声をあげ 嗚咽して泣いてるのに…私だけ…』
少し間をおいて時を戻してから続けた

『涙が出なかったの!でもね…だから…
恵ちゃんは冷血なんかじゃない!
心で恵ちゃんは 泣いているんだよ…
きっとお母さんもね…だから…
美咲ちゃんや真実ちゃんと同じ悲しみ
なんだよ』恵は静香の話しにゆっくり 頷いた


そして ゆっくり話をはじめた

『喉と胸の辺りが苦しいの!何かが詰まってるみたい~苦しくって 苦しくって…息が出来ないと思うくらい 苦しいの…』

辛いよね❗️泣けない分 何かに押し潰されそうに苦しいんだよね❗️静香は無言で恵を抱きしめた
どんな言葉より 恵を抱きしめて…出来ることなら その苦しみを せめて半分にしてあげたかった

『お父さんはね…きっと 色々考えて 悩んで、こんな事に なってしまったんだと思うんだ!でもね お父さんは 恵ちゃんも
みんなも…大切で大好きだから…
1番 辛かったと思うよ!』

恵は静香の言葉に促される様に …
閉じていた無言のダムを 解き放った

『何だか よくわからないんだけど お母さんとじいっちゃんとばあちゃんを私が守らないといけない!と思った だから…田中のおじさんに“やっぱり 死ねない!”って言って走って静香ちゃんのとこに来ちゃった‼️』
静香は恵の言葉に“この子は大丈夫だ”と
思った 瞬時に自分の立場 役割を理解している…
必ずや立ち直り 佐々木家の軸となるはずだ

田中さんを心配している恵の気持ちを
少しでも軽くしてあげたくて静香は寄合い場に電話を入れた

『淳‼️ごめんなさい!田中さん来てる?…やっぱり…たぶん 佐々木さんの玄関口に
まだ居ると思うんだ!早く行ってあげて…心配だから お願い』恵は電話の会話を聴いて安心したのだろ
少し眠いと云うのでソファーに寝かせた
涼は 何かを感じているのか?ずっと寝ている
“今日はお母さんを恵ちゃんに貸すよ”と言っているかの様に泣かない!
不思議な事に涼の顔を覗き込んだ時…
ツーっと一筋の涙を流した
“涼は恵ちゃんの悲しみを一緒に感じているんだ”と静香は今でも信じてる

📖次回予告✏️

去り逝く者・産まれ来る者【告白】

義母が帰宅した‼️
恵はまだ眠りの中 涼と
同じ無垢な寝顔…
義母は帰るなり大声で
『何で💢裏切り者の子が…うちで寝てるんさ💢』静香が止める間もなく恵を叩き起こした

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