【こんにちは 赤ちゃん】
“拓よ!拓…自分の道は自分で切り開いて欲しいから…届け出は3人で行くよ!絶対に 淳と私と 涼で…今度は誰にも邪魔させない!”

6月に入り…
その日は山の通い畑では なく自宅のそば 本家の横 1町程ある畑の石拾い
いつもの様に家事を済ませて 特設遊び場があるハイエースに涼を乗せて畑に向かった
涼を助手席から後部の遊び場に移動して…
『今日もがんばるぞ~エィエィオ~』
最近 静香の真似ばかりする涼も片手を揚げて空を突く!yellを交換した その時
急にお腹に痛みが走った
痛みを感じながら自宅を見る
そこからは自宅が見える
淳の車が確認できない まだ仕事には出ていないはず…痛さはおさまらない!
仕事に行ってしまったのか?
『痛い!まさか…今日はまだ6月12日…』
でも涼の時も3週間早かったなど 薄れゆく意識の中で思う
“どうしよう!”
その時 何故か?淳の車が 農道をこちらに向かって来るのが見えた
『淳‼️』
淳は既に静香の異変を車の中で確認していた
仕事に向かう前に妙に涼と静香に会いたくなって畑に来たのだ❗️
車から転げる様に飛び降りた
『静香!どうした?家に戻ろう!』
まずは静香を車に乗せて次に 涼を抱き抱え乗せた
『まだ 予定日は3週間も先なのよ!でも…陣痛みたい』
義母は青果会社が休みになり家に居た
『病院へ行こう!涼は母さんに預けて…静香は乗ってろ!出産セットは いつもの場所だよね 病院にも電話入れてくる 少し待ってて…』
腕時計をみて間隔を計ると これはやはり陣痛だと静香は確信した
少しして淳がカバンを持って出て来た
後部座席に放り込む…義母が涼を抱き車に乗る
『急ごう‼️』
中山産婦人科へと車はひた走った
1987年*6月12日
午前 9時12分 2550㌘
淳と静香の次男誕生
富良野の父も駆けつけてくれた
ナースの稲垣さんは(高校の先輩でもある)
『静香は ふたりとも安産も安産…楽なお産だったね』と微笑む
ただ2550㌘と小さく
あと50㌘少なければ保育器にお世話になるところだったが…
中山先生は『なぁ~に小さくても…この子は元気だ!産声も体の3倍は出ていたぞ~』と笑う
『そうよ!小さく産んで 大きく育てる
理想なんだからね』と稲垣ナースも云う
そうは言われたが…
涼と比べるとやはり小さい
静香は恐る恐る受け取った
受け取った命は震えながらも必至に呼吸をしている こんなにも愛おしい我が子
静香は優しく頬にキスをした
『こんにちは 生まれてきてくれて ありがとう!』
📖次回予告✏️
【こんにちは 赤ちゃん】
病室に戻ると淳が『静香!ご苦労様』と言った 涙が溢れた
その優しい時間を破る様に義母は『また男かい…やれやれ』と気に入らない様だ

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