「転車台を見に行こう!。天竜浜名湖鉄道」
天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅には、いまでは珍しい物がある。それは「ターンテーブル(転車台)」である。
早い話、中華料理のテーブルのデカイ奴だ。皿の代わりに電車、機関車が乗って方向転換する台である。
天竜浜名湖鉄道の、前身は国鉄二俣線である。国鉄がJRとなったあと、当時、赤字路線は廃止するとの話から地元住民の第三セクターによる「天竜浜名湖鉄道」へとかわった。
ターンテーブルは国鉄時代のSLを使用していた、その名残なのである。そして今では保存されるべき歴史的遺産として認定されている。
蒸気機関車は厳密には、バック走行が出来るが、毎回毎回、上りを前、下りでは後ろを向けたまま走るには不都合である。
だからターンテーブルが必要なのだ。電車は前後どちらも同じだから必要はない。だって運転士が移動すれば事は済むから。
蒸気機関車全盛期の頃には、ターンテーブルは機関庫を持つ駅には必ずあったのだ。山口県小郡駅、今は新幹線停車駅の新山口駅だが、存在していた。いまはあるかどうかは不明。大井川鉄道にもあったかな?
あとは京都山科だっけ?そこにある機関庫。
天竜浜名湖鉄道は、ディーゼル車一両で、静岡県湖西市から同じく掛川市まで浜松市の北を大きく迂回して走る鉄道である。
現地の天竜二俣駅のすぐそばには、天竜川が流れ、少し離れれば第二東名のインターが建設中である。山村の駅を思わせるのんびりした静かな場所であり、また、天竜川下りの出発点でもある。
さて、見学会だが、金、土、日、祝日に一日二回の開催。お代は駅構内を通るので記念入場券、大人一人\100、車で来場の場合は¥200。
時間にして45分程度。
さて、レポート。
朝10:50開始なので、まえもって記念入場券を買う。時間前に改札口前にて集合。
10:50発の車両が駅を出発したら、見学開始。今回は50名くらい。
駅構内を反対側へ横断し、担当者の解説を聞きながら進む。先ずはレールポイント(分岐点)を見る。見るからに油で黒いのは、天竜浜名湖鉄道の車両がディーゼル車である証拠。それから続いてSL時代の名残である給水塔の解説を聞きながら、それを見上げる。SL運行時、一回で7トンの水を給水していたのだが、今は鉄道車両を洗う洗車機の水を貯めるタンクにしている。
再び、線路近くの構内、駅員の詰め所を通り、機関庫へと歩みを進める。
さきほど戻ってきたばかりの車両を使い我々に、ターンテーブルの稼動を見せてくれる。
ターンテーブルにそろそろと侵入していく車両。ターンテーブル内に納まるとターンテーブルがゆっくりと回転し始める。
見ていて、なんだかわくわくしてしまう。何度もカメラのシャッターを切る。
車庫の隣にある修理庫から、天竜浜名湖鉄道に一両しかない茶色い車両が点検を終えたため、ターンテーブルに乗り車庫入れをするということで、偶然二回も見る事が出来た。なんてラッキー、一日二回は、まれだそうだ。それも珍しい車両で。
修理庫からターンテーブルへ乗り、車庫入れしようとした矢先、機械音が止んだ。どうやらエンストだ。電車ではなくエンジンを積んだディーゼル車だからエンストもあって当然なのだろうが、なんだか不思議な感じがした。電車がエンスト
したなんて事は、絶対ないから。
案内担当者と年配の整備担当者の二人が、車両を動かしていた若い整備士を笑いながら、からかっていた。「お客の前でエンストは、ないだろう?」的な話。若い整備士は照れ笑いし、すぐにディーゼルエンジンをかけて無事、車庫入れ終了。エンストした整備士さん、頭を掻きながら降りて来た。見学者の中から拍手。
「まあ、正規の運転士じゃないので勘弁」とフォローも入れる案内担当者。
こんな予想もしない、ほほえましいハプニングなら大歓迎である。全く珍しい見学で珍しい体験をしたものだ。