仮面ライダーの原点に戻り、よりリアルに追求した仮面ライダーとは?
オリジナルビデオでたった一本だけ製作されたため、「仮面ライダー真、風祭真(かざまつり・しん)は改造人間である。」と、おなじみのフレーズがあるわけではない、「真・仮面ライダー.序章」。機械の身体のサイボーグではなく、バッタの機能を細胞レベルまでとりいれた生体改造人間というべき存在。当時、発表された幼年誌で、当時の子供は、凄い拒否反応を示した。それもそのはず、ライダーの姿が怪人レベルなのだ。変身ベルトは無く、怒りの感情や偶発的に変身する仮面ライダー真。「超人ハルク」や、手塚治虫原作「バンパイア」と同様に身体が徐々に異形の者へと変身していく過程が作品の中で描かれている。変身の意思を持つと、額が割れ赤い第三の眼が現れる。眼は真っ赤になり、瞳孔は消え、触角が生える。叫んだ口はあごが割れ、昆虫独特の口の様になり、完全なバッタ人間となるのだ。
真の前に、科学者自らが自分の身体を改造したプロトタイプ がいたが、その外観の違いは、第三の眼は無く、両目は白い不完全体であり、真と比べると不気味な印象を受ける。このプロトタイプとなる科学者を、裏で操っていたのは「財団」とだけ名乗る謎の組織。真は父親のいるある研究所に父親の助手として働いていたが、この研究所も裏では「財団」の息のかかった施設である。真を改造した、この科学者は風祭真を被験者として協力させ、実験と称して、真を少しずつ改造していたのだ。この「財団」を密かに監視していたCIAは、真の存在を知る事となる。
真は時々、自分を見失い記憶がない事に不安を覚える。周囲で謎の殺人事件が多発しており、記憶がない真は自分が、犯人ではないかと疑う。それは、何故か?殺人の記憶だけが脳裏にはっきりとあるからだった。犯人は真ではなく、真を改造した科学者で、バッタ特有の記憶の共有という特殊な能力により自らが体験したような感覚に陥っていたためだ。この科学者のプロトタイプライダーの、死の寸前の意識や、感覚が真に同調し、覚醒を促し、仮面ライダー真が誕生した。
やがてライダー真の前に「財団」からの刺客が姿を現す。以前から研究所に出入りしていた、目付きの鋭い男。皮膚の下から金属が見え、人間でないことは明らか。殺人アンドロイドは正体を現し、ライダー真に戦いを挑む。ライダー真の手足には、バッタと同じような刺、スパインカッターがついており、これは鋭利な刃物となり相手を切り裂く。戦いのさなか、使えなくなると鮫の歯と同じく、次から次へと生え変わる。真は無意識にこれを使い戦う。
しかし、殺人アンドロイドも、変身し覚醒した真に勝てるわけも無く、真の怪力により、頭部から脊髄まで、抜かれ倒された。
実は真の恋人も「財団」の関係者であった。目的は、真の子供、完全なる「あらたなる人類」を手に入れる事であった。子供を手に入れたも同然の財団は、真の抹殺をアンドロイドに指示したのであるが、アンドロイドは真によって破壊され、恋人も子供を守るために「財団」を裏切る。が、財団により、命を落とすことになる。
体内の子供は当然、赤子の姿だが、第三の眼と触角が生えていて、背中には羽が生えている。母親が死ぬと胎内から、抜け出て、地下水道を歩いている真の頭上を浮きながら、行くシーンで終わっている。
真の第二作も考えられ、真はプロテクターを付け、顔を隠すためにマスクを被る案があったのだが、これは、仮面ライダー20周年記念 「仮面ライダーZO」へと変更された。このZOも仮面ライダーの初期への原点回帰を目指した作品なのだ。
次回、「仮面ライダーZO」