「あの人、とても優しいから付き合おうと思ってるんだけど・・・」
「もう12時だし、明日も早いから、そろそろ寝ないと」
など、人は「~だからしよう」とか、「~だから買おう」と理由付けを求めます。
私たちはこれを意識的・無意識的に限らず日常的に行っています。
昨日の一日の行動を振り返ってみて下さい。
何度も理由付けをして行動したり、発言したりしていた自分に気付くでしょう。
しかし、そもそも理由付けをして考えた理由というのは信頼できるのでしょうか?
例えば、こんなシチュエーションを想像してみて下さい。
あなたはある日仕事がとてもはかどって上司や先輩にほめられ、
ウキウキしながら仕事終わりに街にくり出します。
そして、街中でたまたま耳に入った曲を、
歌手名も曲名も知りませんが
「おっ、何かいい曲だなぁ~」と感じます。
後日、友人とショッピングに行った時にまた同じ曲を耳にします。
あなたはどこで聞いた曲かははっきり覚えていませんが、
「なんか私この曲好きだなぁ」と感じます。
隣の友人は「なんでなんで??」と理由を聞いてきます。
あなたは、
「この落ち着いたメロディーが心に響くんだよね~」とか、
「このジーンとくる歌詞が好きなんだよね~」、
「この歌手の耳にやさしい歌声が好きなんだよね~」
と理由を考えます・・・。
気分が良い時に聞いたり見たりして認知したものは、
それをいつどこで聞いたかなんて覚えていなくとも、
大体好印象で記憶に残っているものです。
ですから、その時に返事として答えた理由は本当の理由ではなく、
「後付けで考え出した理由」である可能性があるという事です。
脳の性質に「選択盲」というのがあります。
例えばショッピングモールに行って、
お気に入りのカバンを買ったとします。
後で「何でそのカバンを買ったの?」と質問すると、
「色が良かったから」
「持ちやすいから」
「形が気に入ったから」
と色々と理由を考えて答えるでしょう。
しかし本当の理由は、
「一番初めに目にとまった」
とか、全く違った所にある可能性があるのです。
もっと言うと、
例えば左にA、右にBというカバンが置いてあった時、
人はイメージ脳である右脳の視野でものを判断する傾向があるので、左側のAの方が印象に残る事が多いのです。
更に、店員さんがAのカバンのほうを勧め、
そちらのほうだけ長く見ていると、
印象が比較的良くなる傾向があります。
これは心理学用語で「単純接触効果」と言って、
繰り返し接する事でその印象が良くなるという人間の心理なのです。
人がある一定条件を満たす時、
心理状態が変化しうる臨床実験というのは、
他にもたくさんあります。
つまり、
「なんであの人が好きなの?」
と聞かれても、好きな理由なんて、
自分でもなぜだか分からない場合が多いという事です。
理由を見つけることで自分の意見が合理的になりますし、
客観性も出てくるので、そこから安心感は生まれると思います。
しかし、逆にその理由を見つけ出す事で、
物事を曲解してしまう可能性もあるという事です。
わたしたちは「良く考えて行動する」ように
教育されて育ちますが、
答えはそこではなく、
意外ともっと単純なところにあるのかもしれませんね。

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