暑いですね。
またこのネタかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが…。
申し訳ございません。少し書かせてください。
↑の判決に関して、道公安委員長が「公安委として判決文を確認していない」。
前回参院選で、札幌市で街頭演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女2人を北海道警が排除したのは違法だとして、被告の道に賠償を命じた札幌地裁判決について、小林ヒサヨ・道公安委員長が道議会本会議で「公安委として判決文を確認していない」と述べたのに対し、原告側が27日に会見を開き、「道警を管理する公安委員会の責務を放棄している」と抗議した。
原告女性(26)は「判決文は30分で読めるのに、それすらしない。行政機関が司法に対する敬意を持たないと宣言しているようで恐ろしい」。原告弁護団の斎藤耕弁護士は「警察を民主的にコントロールする機関として、判決文などを精査して道警の説明の整合性を確かめるべきだ」と批判した。
『経済的自由も人間の自由と生存にとってきわめて重要な人権であるが、それに関する不当な立法は、民主政の過程が正常に機能しているかぎり、議会でこれを是正することが可能であり、それがまた適当である。これに対して、民主政の過程を支える精神的自由は「こわれ易く傷つき易い」権利であり、それが不当に制限されている場合には、国民の知る権利が十分に保障されず、民主政の過程そのものが傷つけられているために、裁判所が積極的に介入して民主政の過程の正常な運営を回復する事が必要である。』
引用:『憲法』芦部信喜
随分前、ある自民党議員が「多数派の意見に従うのは政治家として当然だ」のような発言を平気でされてました。
正直驚きました。
民主主義=多数決ではありません。
民主主義は、多数が選んだ者に権力を与える一方で、多数は間違いを犯すおそれがあるとの前提に立ちます。
そのため、民主主義は多数が選んだ権力をチェックする様々な仕組みを必要とします。
例えば、中学生位で習ったお馴染みの「三権分立」。
・行政権力は、司法と議会によってチェックを受けなければならない。
・司法は、法律に基づいて行政権力をチェックする。
・議会は、国民の少数派を代表する者との議論によって行政権力をチェックする。
選挙で国民の多数から選ばれた者に行政権力を与えますが、多数の選択が正しいという保証はありません。
民主主義の選挙の中から多数の支持でヒトラーは誕生しました。
多数決の原理は、決断を下すための手段であって、民主主義そのものではありません。
前述の自民党議員のように、多数決は正しいという幼稚な認識に支配されている以上、本当の意味の民主主義は実現しません。
そのような国家は、民主主義国家を名乗る資格はないと思います。
ヤジ排除のように、自分と異なる意見は排除する、少数派の意見に耳を傾けないという考えは民主主義からあまりにかけ離れています。
現在の岸田首相のように、抽象的で曖昧な表現ばかりで議論を進めず逃げ切る作戦?も正常な民主主義のプロセスとはいえないと思います。
↓控訴審。まだやるか。
2019年の前回参院選の際、札幌で街頭演説をしていた安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、道警警察官に違法に排除されたとして男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、道警側が、当時撮影した動画を新たに証拠提出することが22日、分かった。排除直前、自民党関係者が男性原告を手で2度押した状況が写っているとされ、道警側は法律上排除が正当化される「危険で緊急」な事態だったことの裏付けだと主張する。
原告弁護団によると、道警側は控訴理由書で、原告を排除しなければこの関係者が怒りを募らせ、傷害事件などに発展する恐れがあったと指摘。「一審では時効成立前だったため、刑事訴訟法上動画を出せなかった」としているという。関係者に対する暴行容疑を念頭に置いた説明とみられる。
弁護団は「道警が本来取り締まるべきは、暴行に及んだ関係者だ」と批判。道警は「係争中につき、お答えを差し控える」とした。
3月の一審札幌地裁判決は排除を違法と判断し、道に計88万円の賠償を命じた。札幌高裁での控訴審の日程は未定。