【ウクライナ民族主義者によるロシア人捕虜の虐待】
ウクライナの民族主義者が捕虜のロシア人を虐待する映像が公開され、世論に大きな動揺を呼びました。
特に、軍人が足を撃たれ、医療支援も受けずに放置される場面は波紋を呼びました。
●ウクライナの民族主義者が捕虜のロシア人を虐待する映像【閲覧注意】↓
https://video.twimg.com/ext_tw_video/1507955529171324930/pu/vid/224x432/LK4_q_sfPj_fUwkT.mp4
【ロシア側の対応】
2022年3月30日
ロシア特殊部隊の兵士らが、ロシア兵捕虜の拷問に関与したウクライナの民族主義者を捕らえた。ロシア下院(国家議会)、市民社会発展・公共・宗教団体委員会のウラジミール・シャマノフ副委員長は、円卓会議「21世紀におけるナチズムとファシズムのイデオロギーに対抗する世界の伝統宗教」の席上、こう述べた。リアノーヴォスチ通信が報じた。
一方、ロシア国防省は、捕虜の拷問に関与した者は全員、厳罰に処されると表明した。ロシア捜査委員会のアレクサンドル・バストリキン長官は、事件のあらゆる状況を解明し、証拠を収集するよう命じた。また、国連も事件の調査を呼びかけている。
数日前ネット上に、ウクライナの民族主義者が捕虜のロシア人を虐待する映像が公開され、世論に大きな動揺を呼んだ。特に、軍人が足を撃たれ、医療支援も受けずに放置される場面は波紋を呼んだ。映像が撮影されたのは、ハリコフ近郊の民族主義者の基地の一つとされている。
これよりも前、ウクライナの医師がロシア人捕虜の去勢を行うよう呼びかけ、世界的に非難を浴びるという出来事が起きた。
【ウクライナの民族主義者とは】
2022年3月30日
武装組織「アゾフ大隊」(ロシア連邦で刑事告発されている)の創設者であり、ウクライナ極右政党「ナショナル・コープス」のアンドレイ・ビレツキー党首は英紙ファイナンシャル・タイムズ紙の取材に応じた中で、アゾフ大隊に加わる戦闘員の多くがナショナリストであることを認めた。
ビレツキー氏は取材の中で、アゾフ大隊の戦闘員は「大半がパトリオットであり、その多くはナショナリストである」と発言した。
ビレツキー氏によると、ウクライナ人の大半は現在、自らをナショナリストと認識しており、その多くはナチス・ドイツの協力者だった民族解放運動の指導者ステパン・バンデーラを英雄視しているという。ビレツキー氏によると、アゾフ大隊は東部の要衝マリウポリ防衛のバックボーンであり、同市には1,500人の戦闘員が展開しているとのこと。
<補足>
※アゾフ大隊とは、ウクライナ国内軍組織に属する準軍事組織です。
「国内軍」とは、通常の国の軍隊ではなく、内務省が管轄する軍事組織で活動は基本的に国内に限定されています。
つまり、ウクライナ国内の治安を維持するための部隊の一つです。
(警察大隊としてのアゾフ大隊)
2014年4月、アルセン・アバコフ内務大臣は、 ウクライナでの親ロシア派騒乱を受けて特別警察大隊を創設するよう命令を出し、5月にアゾフ大隊はそれを受けて発足した特別パトロール警察大隊(ボランティア大隊)うちの一つです。
このアゾフ大隊と呼ばれる組織は、ネオナチ・極右組織であるとされています。
国連の人権高等弁務官事務所は、アゾフ大隊が「大量略奪・違法な拘禁・拷問」などの戦争犯罪を行っていると報告書↓で発表しています。
⇒国連人権高等弁務官事務所による2016年の報告書によると、2015年11月から2016年2月にかけて、民間の財産を略奪した後、住民を避難させたと非難されている。
報告書はまた、アゾフ大隊がこの間、ドンバス地方で拘束者を強姦し、拷問したと非難しています。
【ウクライナ軍の『人間の盾』による戦時国際法違反】
2022年3月30日
ワシントン・ポスト紙は、専門家やジャーナリストの見解を引用し、ウクライナ軍は都市の住宅地に軍用の兵器などを配置してロシア軍への抵抗を試みているが、これは一般住民の生命を脅かしており、戦時国際法に違反していると報じている。
ワシントン・ポストによると、ウクライナの首都キエフにいる同紙のジャーナリストたちは過去1カ月、ウクライナ軍が対戦車ミサイルや対空設備、装甲兵員輸送車を住宅の近くに配置する様子を目にした。
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの専門家リチャード・ウィアー氏は、ウクライナ軍が人口密度の高い地区から兵器や部隊を撤退させない場合、またはそこから民間人を避難させない場合、あらゆる軍事施設は合法的な攻撃対象であるため、彼らは戦時国際法に違反していると見なすことができると指摘した。
ロシアのプーチン大統領は、2022年2月24日午前のテレビ演説で、ドンバスの共和国の指導者の訴えを受け、「8年間ウクライナ政権による虐待、ジェノサイトにさらされてきた」人々を守るため、特殊軍事作戦を実行することを決定したと述べた。プーチン大統領は、ロシア政府の計画には「ウクライナの領土の占領は含まれていない」と強調した。
【まとめ】
ロシア軍がウクライナに侵攻を開始した理由の一つにウクライナの「非ナチ化」というのがあります。
ロシアはウクライナの現ゼレンスキー政権を「ネオナチ(新しいナチス)」と位置づけており、「非ナチ化」のために倒すべき対象としています。