ロシアの着物コレクター、ナタリア・バキナさんのコレクションをもとに、日本研究者のタチアナ・ナウモワさんが監修した展覧会「着物の世界:日常使いから祝祭日まで」が、モスクワ第一東洋美術ギャラリーで3月25日まで開催中だ。
3日に行われたオープニングには、日本文化の専門家たちが集合。
コレクションの中心である大正ロマンを感じる着物には、大胆で華やかな西洋の花が描かれており、訪れた人の気持ちを明るくした。
ナウモワさんは、社会の分断や対立があおられていく中で、中立でい続けることの難しさを指摘する。
「もちろん、SNSにはたくさんのヘイト・コメントがあふれていますし、誰かが何かポジティブな内容、またはニュートラルな内容の投稿をしたら、投稿した人のところには「お前は無関心だ」と、両サイド(ロシアの主張を正しいとする人とウクライナの主張が正しいとする人)から批判が集まります。
まさに、中立を保ちたいと意識している人のもとに、批判の矢が飛んでくるのです。
なので、この展覧会に関する投稿をすれば、もちろんそのような声が出てくるでしょう。
でも私はその声を受け止める覚悟ができています。
私にとっては、今日ここで、来場者の皆さんに会い、直接顔を合わせて、互いを支え合うことがとても大事でした。」
「中立でい続けることの難しさ」、「中立を保ちたいと意識している人のもとに、批判の矢が飛んでくるのです。」という点にとても共感します。
情報が溢れる現代社会において、情報を処理するスピードが追い付かず、物事を単純化して処理する傾向にあるからか、極端な意見に偏ってしまっている気がします。
「0か1か」、「白か黒か」のように。
0と1との間には、0.0000000.…1~1まで多くの数が存在するのに、なぜ、0か1でなければならないのでしょうか。
なぜ、白か黒かでなければならないのでしょうか。
人にはそれぞれ考えがあり、それはとても複雑で、0か1に押し込めてしまうのは無理があります。
自分の考えを持てば持つほど、生きづらくなる世の中だと感じます。
私も知らぬ間に情報に飲み込まれて、単純な思考になり、他人を傷付けることがないよう気を付けなければと思います。