南極物語 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

犬派か猫派かといったら間違いなく犬派。

猫もかわいいかもしれないが、オレは犬のほうがいい。

 

でも飼い犬が死んだだときの喪失感といったらない。

寂しいのなんの。

やはり犬は相当覚悟しないと飼ってはいけないと思う。

捨てるなんてもってのほかである。

 

犬をいじめるやつの気持ちだけはわからない。

小学校のとき、どこかの犬が校庭に紛れこんできて、子供たちが

砂を投げつけられているのをみて可哀想だなと思うと同時に

それをとめられない自分が情けなくなった。

 

犬は可愛い。

そのぶん、その犬たちが悲惨な目にあっているとやりきれなく

なる。

 

小学校低学年のとき、父親に連れられて南極物語を映画館に

観にいった。

感動はしたんだけど、観たあと3日間くらいはずっとブルーな

気持ちになった。

でもやはり名作。

まだ観たことない人はこんなブログ読まないでいいので、

今すぐにDVD借りて観ていただきたい。

生きているうちに観るべきひとつの映画である。

 

 

 

――

 1958年2月、日本の南極観測探検隊は急遽(きゅうきょ)帰国の途に着くことになり、

そのときのアクシデントで15匹の樺太犬を置き去りにせざるを得なくなることに。

しかし、それから1年後、再び隊員たちが南極に戻ってきたとき、そこには苛酷な

自然の中を生き延びていた2匹の犬、タロとジロの姿があった…。
   奇跡の実話をもとに、『キタキツネ物語』の蔵原惟繕監督がドキュメンタリー・タッチ

で描いた動物映画、空前の大ヒット作。前半は高倉健と渡瀬恒彦扮する隊員と犬たちとの

南極冒険行が魅力的に描かれ、後半は離れ離れになった犬と、人間側のドラマが交互に

つづられていく。撮影は北極と南極の双方で敢行され、映画史上初めて本物のオーロラを

映像で見せることにも成功。大自然の風景を雄大に捉えたヴァンゲリスの音楽もすばらしい。

(amazonより引用)

 

極寒の南極で取り残された犬たちが、一匹、また一匹と絶命してゆく姿が涙なしには

観られない。

 

基地で縄抜けできず鎖に繋がれたまま、凍死餓死したゴロその他数匹。

餌の魚をとろうとして氷の海に落ち、おぼれて沈んでいったデリー。

同じく海に落ちて沈んでいったアンコ。

足を滑らし落ちていって孤独の中で息絶えたシロ。

シャチに襲われて息絶えたリーダーのリキ、などなど。

 

犬の数だけ死にざまがあり、死ぬたびに犬の名前と年齢、そして

出身地が画面にテロップで表示されるのがまた涙を誘う。

 

子供のとき映画館で観たときは隣りに親もいたし、他の観客もいたから

涙を耐えたが、それから数年たって地上波で放送していたときは

部屋でひとりでビール飲みながら観てて、犬が一匹死ぬたびにウォンウォン

泣いていた。

つい先日も昼間に地上波放送をやっていて、迷った挙句に観てしまっただが

もう何度か観ているだけあって、フランダースの犬の最終回同様免疫がついて

きたのか今度は泣かなかった。

でも改めて、情操教育にはいい映画だなと感じた。

 

繰り返しになるが、やはり一番泣いたのは氷の海の中に落ち、キャンキャンと

鳴きながら溺れて海底に沈んでいったデリーとアンコだろうか。

 

あれって撮影のとき、実際におぼれさせて、カメラが止まったあとすぐに

助けているのだろうか。

ないと思うが、撮影ありきで本当に溺死させていたとしたらもちろん許せない。

 

シロは氷の上から足を滑らし、滑落して彷徨った挙句、鯨の死骸(骨)の中で

息絶えた。

シロやジャックは地の上で息絶えて動かなくなるが、あれって動かないように

訓練させていたのだろうか。だとしたらすごい。

リアルすぎる。

 

そう、南極物語を観てひとつ不安になるのは、あれで死ぬ犬ってみんな

芝居なんだろうかっていうこと。

死にざまがリアルすぎて、まさか撮影のために本当に犠牲にしてるんじゃない

だろうなということ。

それだけ昔から気になってしょうがないのだ。

 

 

決していちゃもんではないが、あとひとつ気になるのは、

生き残った2匹の犬の名前がタロとジロというのは、後付けではないかということ。

 

だって、他にもリキとかシロとかゴロとかアンコとかジャックとか風連のクマ

とかいろんな名前の犬がいるなかで、絵に描いたようにタロとジロという名前の

犬だけが残るだろうか。

タロとアンコとか、ゴロとジャックとかいう組み合わせでもおかしくないと思うのだが。

本当に生き残ったのはリキとジャックだけれど、映画用にタロとジロということに

していたりするのかなというのがひっかかったところ。

まあ、それはさておき。。。

 

犬たちの存在も素晴らしかったが、犬を置き去りにしたことに責任を感じ続ける

男を演じた高倉健と渡瀬恒彦の存在も良かった。

 

お詫び行脚でリキの家族のもとへはるばる謝罪へいったとき、リキの飼い主の少女から

責められる姿にも胸が詰まる思いだった。

 

 

やはり南極物語は不朽の名作である。

美しい音楽もいい。

お子さんがいる人には是非観せる映画である。