東京新聞の斉藤美奈子氏のコラムでしったのだが、
十日放送のTBSの「ひるおび!」にて、八代英輝弁護士がした発言が波紋を呼んだらしい。
「共産党は暴力的な革命というのを、党の要項から廃止していませんから」
というようなことをいったらしいのだが、実際共産党は武装闘争路線を放棄しているとの
ことである。
自分もまったくくわしくないが、八代弁護士もそのへんはよくしらなかったのではないかと
斉藤美奈子氏は書いていた。結局八代弁護士はのちに訂正したらしい。
そんな共産党。
オレは別に共産党支持者ではないから、とくに好きでも嫌いでもないのだが、
やはり今でも共産党アレルギーを持っている人は多いようである。
ただ、共産党の志位委員長がいっていることとかは、まんざら間違ってもいない。
昔、伊集院光の深夜ラジオで、その月に発売されるアーティストのCDを歌手名も曲名も
伏せて数人のリスナーにイントロ30秒だけ聴かせて、各曲の評価を聞くという企画があった。
ようするに、曲の内容とかに関係なく自分が好きな歌手が歌っているから評価するという
のをナシにして、純粋に歌とメロディのみで曲に点数付けするわけである。
曲の良し悪しに関係なく、ドリカムが歌っているから高い点数をつけるとかいうネームバリュー
先行なく評価する方法だ。
それと同じで選挙とかも、政党名とか思想を伏せて、単純に‘政策’‘公約’だけを国民に
聞かせて投票を行ったら、共産党ってけっこう票を集めそうな気がしないでもない。
いっていることや政策はもっともだが、共産党だから票を入れないというやり方をしてきた人は
それなりにいるだろう。名前が共産党じゃなければ票はもっと入っていたと思える。
それを感じたのが数年前の立川駅前の演説だった。
当時記事にも書いたが、ある日立川駅前のロータリーに応援演説で自民党の安倍晋三
が(当時総理大臣)来た。
現職の総理がきただけあって、駅前はものすごい人だった。パトカーも。
だがその6日後、同じ立川に共産党の志位委員長が演説にきた。
そのとき駅前ロータリーに集まって演説を聞いている人の数が、安倍晋三のときより
明らかに多かったのだ。最初遠目で見たときはなんの騒ぎかと思った。
政党や思想ではなく、単純に政策だけで捉えたら、共産党に共感している人は
多いのではないかとその民衆の数から改めて感じた。
もちろん共産党支持者に限らずアンチ安倍の受け皿として聞いていた人も
多いと思うが。
共産という言葉はやはりいろんなところでネックになるものだな。
共産党の躍進を一番邪魔しているのは、皮肉にも党の看板となる政党名な気がする。
共産(主義)といえばカール・マルクスが思い浮かぶが、先日図書館で新しく入ったぽい
マルクスの映画DVDを発見したので観てみた。
――
26歳のカール・マルクスは、その過激な言動により妻と共にドイツ政府から国を追われる。
1844年、彼はパリで若きフリードリヒ・エンゲルスに出会う。
マンチェスターの紡績工場のオーナーの子息であった彼は、イギリスのプロレタリアート(労働階級)
について研究中の身であった。しかし階級も生まれも違うエンゲルスとの運命の出会いは、
マルクスが構築しつつあった新世界のビジョンの、最後のピースをもたらすことになる。
マルクスとエンゲルスはやがて、政治的暴動や動乱をかいくぐって、まったく新しい労働運動の
誕生を牽引してゆく。
(amazonから引用)
若きマルクスの話。
ああ、そういえばオレは2部の大学生だったとき、「資本論」の授業をとっていたような気がする。
別に今でもマルクス主義者ではないけれど、あのころもっとしっかり教授の話を聞いて
勉強しておけばよかった。共産主義者でなくとも、マルクスはひとつエンタメとして楽しめた
ように今なら思える。
まだ19、20の若僧だったから、講義の出席さえしても頭の中はこのあと友人たちと
流れ込む駅前の白木屋でスクリュードライバーを吞もうか、ソルティドッグを吞もうかとか
そんなことばかり考えて、講義は上の空だった。
もったいない。
資本論の講義に限らずだが、今後悔しても時既に遅しである。
マルクスの基盤をしらないので、この映画も正直観ていて疲れた。
難しくないようで難しい。
有名映画「ベンハ―」を観たときと似たような疲れがあった。
そういえば、しくじり先生でオリラジ中田がマルクスはよくエンゲルスに金を
無心していたといっていたが、そのくだりはまったくなかった。
面白いとかつまらないとか、どの主義派だからとかそういうことじゃなくて、オレ自身が
よく理解できていないからそういう意味で人におすすめできない。
一応観た記録として記事にはアップしたけれども。
ひとつ新しくしった知識としては、エンゲルスのほうは親が経営者やっているけっこう
金持ちのとこの息子だったということ。
ひとことで主義っていうけれど、主義って本当に難しいし深い。
何が正解で何が不正解だとか一概にはいえない。
決して共産主義には賛成しないが、かといって鬱や自殺を生む過度な資本主義も問題だと思う。
三島由紀夫も最期の演説で当時の日本のことを資本主義にうつつを抜かしているといっていたが、
それもそのとおりである。
今日本がとりもどすべきなのはバランスではないだろうか。