江ノ島chronicle2020 サムエル・コッキング苑 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

 

(今回の内容は約1カ月前の記録でひとり行動。妙な誤解を招く可能性を

避けるため訪問の直後自粛要請となった際は記事の執筆と公開を見送り、

すこし経った今、改めて公開をすることにした流れなのでご了承を)

 

 

心が重かったり、人生軌道になにかが詰まっていることを

感じると、いきたくなる場所がある。

山なら高尾山、そして海ならば江ノ島だ。

1~3年に一度は訪れたくなる。

ふたつとも比較的近場だからちょうどいい。

 

国による微妙な沈黙要請の夏となる直前、ひとりで日帰りで江ノ島に

散策にいってきた。

江ノ島は島だから、海の眺望と山歩きと両方楽しめるのがいい。

 

毎回のことながら弁天橋の途中あたりで目の前に広がる島に心が

弾む。

 

 

このくらいの時期はまだかなり人が多かった。

オレが訪れたのは正午くらいだったが、既に島の中の散策を終えたらしき人が

橋の向こうから歩いてくる姿が目立つ。

 

橋を渡りきると、向かって島の入り口から左側へと広がる飲食店は人で

大盛況だ。もちろん、ある意味で密だから今の時季はよろしいとはいえないが

それでも燃え滾る太陽の下のオープン席では、イカ焼きや貝をつまみに缶ビールを

グビグビと呑んでいる姿には羨ましさを感じる。

コロナが完全に落ち着いたころには、今度はそこにオレや友人の姿があれば

いいなと思う。

 

今回は以前のように小説のモデル舞台としての取材ではなく、純粋に心を解放した

かったのと、目的の場所があっての江ノ島訪問なので、仲見世通り散策にはあまり

時間を使わず、先へ進むこととした。

 

今まで鳥居の外側から島を撮ってアップしたが、今回は鳥居をくぐってその奥から

島の外側に向けて撮影。

 

 

江ノ島といえば多くの友人や知人が、海や砂浜をすぐに頭に浮かべるが、オレにとっての

江ノ島はやはり、第1の青銅の鳥居(画面手前に映っているのは第2)をくぐったその

奥の島の部分こそ、江ノ島なのである。

 

江ノ島には何度も足を運んでいるが、島内に入ったことがないという人はけっこう多い。

それはとてももったいないことだと思う。

 

セミの声のシャワーを浴びながら額の汗をぬぐい、階段を上がってゆく。

 

もう定番、子供のころから大好きだった眺望スポット。

ここにくると、ああ江ノ島だ。夏だ。と感じる。

 

 

ここから階段をさらにあがり、写真館の横を過ぎると、広場にでる。

 

その広場の奥に今回の目的である場所のひとつがある。

 

「江ノ島サムエル・コッキング苑」

参考はこちら

 

 

 

パンフをもらい損ねたので以下知識になるような文章はナシだが、

聞いてのとおり、外国の人が作った(設計?)庭園である。

 

子供のころの夏休みから、大人になってでも、もう何回も江ノ島へと

足を運んでいるが、記憶の限りこの庭園には一度も入ったことがないはず。

もしあったとしても、それはもう幼稚園時代とかその周辺だから

記憶の中には完全にない。

 

今までずっとスルーしてきたそんなサムエル・コッキング苑。

今回はじめてその門の向こう側にいってみようと思った。

それが目的のひとつ。

 

エリアとして派手さはないが、敷地内に江ノ島のシンボルともいえる

シーキャンドル(展望灯台)も存在するだけに、入場するカップルの姿もそれなりに

確認できる。

 

入って左側には王宮チックな東屋のようなものも。

 

 

 

幅広く異国情緒が漂っているように目に映る。

 

 

 

スマホから送信するにあたってデータが重いので今回シリーズ画像数は

省略でお届けさせていただくが、こんな感じである。

 

入ってすぐ奥のほうには広場とオープンテラスがあり、時間帯的にもそこで

食事をしている人が多い。

 

広場の名前はマイアミビーチエリア。

 

 

アメリカのマイアミをイメージした広場らしい。

 

8月(訪問時)になると毎年、アメリカにより投下された原爆のニュースが

テレビやラジオから目立って流れてくるが、あれだけ激しい戦争という大喧嘩を

しても、やはり日本にはアメリカにたいする憧憬があるのがよく伝わってくる。

いや、これは決して変な意味でも皮肉でもなんでもないが、福生の横田基地周辺を

歩いていても、似たような複雑な感覚の世界には引き寄せられる。

 

でもそれで良いと思う。

政治とカルチャーは別だとよくいうように、政治・歴史と土地も別だと区切るべきだろうと。

ニンジャやサムライ、フジヤマが好きなアメリカ人もいるように、アメリカのいろんな場所が

好きな日本人がいて然りなのだ。

オレもラスベガスいったときは楽しかったし。

このマイアミエリアに見るように、なによりウッドデッキという足場は自然と心が和むものである。

 

こちらは真下から見上げたシーキャンドルである。

 

 

 

この苑に来たのがはじめてなのだから当然といえば当然だが、

ここまで至近距離で見たのははじめてだ。

近くでみるとなんだか吊るされたクジラのような巨大な生物の

骨格のようにも見える。

 

上の展望台には下界を望む人たちの影が動くのが確認できる。

 

あの展望台から湘南の海岸線を一望したかったが今回はパス。

いつかまた機会があったら、是非登頂したいものである。

 

ここ一番「今こそ、この状態から解放されたい!」というときのために

楽しみはとっておいたほうがいい。

……今がもうそのときかもしれないけど。

 

やはり江ノ島はいい。

「海」「山」「緑」

自然のすべての要素がここには集まっている。

 

シーキャンドルの元を離れてぐるっと庭園内をまわり、外にでて

次の目的地へ向かった。

 

続く。