半沢直樹  | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

何年か前に「遺伝子お坊ちゃんお嬢ちゃん」という記事でも書いたが

あれからまた新しい読者さんも増えていることなので改めて簡単に書く。

 

他人にたいして容赦なく叱咤や指摘する人間はよく

「オレはいう人間だからね」「オレはそのへんは容赦しない人間だからね」

などと、とにかく一言でいえば自分は堂々と人に厳しくできる人間だと

いうことを誇らしげに口にしたりする。

 

一言それにモノ申すとすれば、自分がひるまない強い人間だとアピールする

人は、きっとその人間性が当たり前だと思っているようで不憫でならない。

 

あなたが強気なのは当たり前じゃなくて、恵まれているからだ。

あなたの性格が強気なのは、あなたが経験や勉強によって自分で習得したもの

ではなく、あなたが生まれたとき、両親から無条件で与えられた遺伝子による

宝のひとつなのだよ。

 

オレはそういいたい。

 

親から与えられたものが強気な性格か、それとも車などの形のあるものかという

差だけで、強気な性格をまるで自分自身で手に当たり前に手に入れたという感覚は、

親が車を買ってくれて当たり前という感覚と大差ないというのがオレの持論。

 

人間できれば誰だって強気で人に遠慮なく意見をいえる人間に生まれたいはず。

オレだってそうだ。

でもオレを含む多くの人がそこまでの性格を与えらずに生まれた。

そんな中で強気な性格を遺伝子として与えられ生まれてきた人は、とても恵まれている

のだ。他の人が与えられなかったモノを与えられて生まれたのだから。

だから強気アピールする人にたいしてそこは謙虚というかすこしだけ哲学的に考えていただきたい

と思うのである。

 

だってオレから見たら、本当に強気で自分の意見をズバズバいえる人や、相手が親友だろうが

上司だろうが、それが違うと思った時にはしっかり指摘できる人って、正直羨ましいのだから。

その性格を持って生まれてきただけで人生大きく違うんだろうなあと本気で思う。

 

そう、強気。

 

その強気の塊、強気がスーツ来て歩いているような人間が、再び始まったドラマの主人公

「半沢直樹」である。

ほんとにあのスタイルは羨ましいのだけれど、それこそまさにドラマの中の世界。

そうと割り切っていながらも憧れる部分はやはりある。

 

いや、しかしオレの今回の新シリーズ開始はかなり楽しみにしていた。

もともとドラマ自体ほとんど観ないので、前作も放送開始からしばらくはスルーして

いたのだが、家族や周囲の友人という友人から「半沢直樹は面白いよ!」と推され、

ラスト3回だけ観た。

それまでの流れとか一切わからなかったけれど、ラスト3回だけで十分ハマった。

 

今までテレビはじめあらゆるジャンルにて知り合いから

「コレが面白いから、騙されたと思って観てみて!」

などとしつこくいわれ、いざ観てみたら、「あ、ほら、やっぱり騙された!」というケースが

数多あったが、「半沢直樹」に関しては本当に面白かった。人が強く勧めてくるだけの

ドラマではたしかにある。

ラスト3回前からやっと観始めたことに強い後悔さえ覚えた。

極端にいえば、推してくれた人たちにたいして、

「どうしてオレを殴ってまでも『1回目から観ろ!』と脅迫してくれなかったんだ!」

とすら思ったほどである。

(ちなみに新シリーズ放送前にTVerと総集編で6話まで遡って観賞はできた)

 

過去に小説記事でも紹介したが今回のシリーズである原作の半沢直樹シリーズ

「ロスジェネの逆襲」と「銀翼のイカロス」は既に読んだのだがちょっと時間が経過しているので

詳細まではおぼえていないからドラマはドラマで楽しめそうである。

 

初回は時間拡大SPだったのだが、第1話から全体的に出演者の顔芸に力が入っていた

ような印象。

新シリーズは歌舞伎界からのキャストが目立つが、伊佐山部長を演じる市川猿之助が

また本当に憎たらしーーい役を演じてエッヂが効いていた。

 

前半は原作タイトルにもあるようにロスジェネである森山(賀来賢人)と、バブル世代である

半沢(堺雅人)がチームを組んで親会社である銀行と戦うのだが、現実の世代では堺雅人

がロスジェネであり、賀来賢人のほうはロスジェネよりもっとあとのゆとりかその周辺。

そのへんのパラレル感も見ものかも。

 

第1話は、まあいってみれば物語のプロローグ的なものなんで、そんな具合の流れ

だったが、早くも身近な裏切り者的なザコキャラを追求したのは面白かった。

 

原作、詳細はおぼえていないが全体的な概要はぼんやりと憶えていて、舞台となるのは

IT業界内における売買収。

 

金融や株などについてはまったくくわしくないのだが、今日ニュースを観ていたら、

各地に居酒屋を展開するグループ「コロワイド」と、定食チェーン「大戸屋」の間における

敵対的買収の報道が流れていて、おそらくそれとほとんど似たようなものだと思う。

しかし、なんたる絶妙なタイミング(笑)

 

オレは本当にこういった企業とかの難しい流れや、証券とか金融とかさっぱりなんだけれど

原作者である池井戸潤によるわかりやすく伝える能力なのか、「半沢直樹」は原作もドラマも

本当に面白い。

 

原作で読んだ新シリーズが今後ドラマでどのように展開してゆくか楽しみである。

個人的には後半に放送されるであろうJALの件をモチーフにした「銀翼のイカロス」の

ほうが政治絡みのストーリーで楽しみかもしれない。