ソラリス [特別篇] | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

金縛りにあったことがあるだろうか。

 

昨夜帰宅したら、テレビ東京で人気シリーズである「やりすぎ都市伝説3時間SP」

が放送されていて好きな番組なので観ていたのだが、お笑いコンビかまいたちの

山内が「金縛りはオカルトではなくて浅い夢の中」という話をしていた。

 

山内の話をすべて羅列すると長くなるので省略するが、簡単にひとことで

いうと、金縛りにあったと思っているときは実は目が醒めておらず普段みている

風景がリアルに広がっている夢の中にいる状態で、実際はまだ眠りの中という

理論らしい。

もっと簡単にいえば要するに‘体が動かなくなった夢をみている’ということ

だと思う。

 

うーむ、どうなんだろう。

オレは山内の意見を否定するつもりもないし、金縛りはぜったい霊現象だという

つもりもない。

ただ、オレも今までで2回ほど金縛りにあった経験があるが、そのときの感覚を

思いだしてみても、あれはやはり明らかに眠りから覚めて意識があった状態だと

思えるのだ。

 

以前に聞いたことがあった金縛りに関する見解は、

脳は覚醒しているが体(肉体)のほうは疲れきってしまっていて、脳のだす指令に

体のほうが反応できないから動かなくなる、というものだった。

 

オレ自身の考えもどちらかといえばこれに近いかもしれない。

現実的に金縛りにあった日は体がとても疲れていたし。

ただ、正解かどうかは別として山内のいう「夢説」もまあまあ面白いと思う。

 

金縛りが夢かもという例は別としても、自分の中にある昔の記憶で

あれは夢だったのかそれとも実際日常であった場面だったのかわからなくなる

シーンがけっこうある。

あれ? あれって夢だったかな?? というようなシーン。

 

たとえば空を飛んだ記憶とか、性別が変わった記憶とかいう非日常的な

昔の記憶はあきらかに夢だったとわかる。

 

でも、よくしっている友人や家族とふだんからしているようななにげない

会話ややりとりの場面などは、夢だったか現実だったかもうわからなくなっていたりする。

 

友人がこんなことをいっていたような記憶があるので、

「あのとき、○○っていってたじゃん!?」

と、話しかけようとした寸前に、

あれ? あれいってたのってもしかしたら夢だったっけか?と一瞬考えて

しまうようなこともあった。

 

時間がたつと現実の中の会話だったか、夢の中での会話だったか

わからなくなることはほんとうに少なくない。

 

昨年、ジョージ・クルーニーが主演の『ソラリス 特別編』という映画を

観た。

70年代にソ連で製作された有名映画に「惑星ソラリス」というのがある

ことはしっていて、おそらくそのリメイク的なものでストーリーは同じだろうと

思ってあえて、本家ではなく見やすそうなリメイクから鑑賞してみた。

 

 

 

――

惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーション"プロメテウス"。ここでは不可思議な事件が続発し、

地球との交信も途絶えてしまった。この謎を解明するため送り込まれた心理学者ケルヴィンは

到着したステーション内で親友の死体を発見する。

一体、ここで何が起こっているのか? その後も奇怪な現象は続き、ついに見えるはずのない

「何か」を彼は目撃してしまう……。

(amazonより引用)

 

本家の「惑星ソラリス」がかなり哲学的で難解な作品だという情報は入ってきていたので

リメイクならばまだわかりやすいだろうと思い、あえてこちらから観たのだがこれもまた

難解だ。

 

タイトルやDVDパッケージから察するに壮大なSFモノっぽいが、本編を観てみると

SFっぽいのはほぼ冒頭のみ。

あとは一見すると退屈で気だるい日常風景。もちろん地球。

だが、その日常が流れている場所が地球から離れた場所にある惑星という設定。

 

一般的に多いのは宇宙にある惑星にいったら、そこで待っていたのが

エイリアンだったりロボットだったり異常気象だったり、はたまた敵対する人間だったり

するのだが、ソラリスではいわゆる異形や敵となる存在は一切登場しない。

 

主人公がそこで出逢ったものは死んだ妻と過ごした過去時間だった?のである。

ポイントなのは「妻」だけと出逢ったのではない。

「妻と過ごした時間」と出逢ったのである。

 

もともとの世界観が難しいうえオレが説明ヘタなことが重なって今記事を読んでいる

読者さんは、オレがいったいなにをいっているかもよくわからないと思う。

そこまでひっくるめて、そんなような難しい話なのである。

 

冒頭の金縛りが夢の中なのか現実なのか境界がわからないように、ソラリスで

流れているかつての時間も現実に合った記憶なのか、主人公の妄想なのか、

それともすべてこの惑星ソラリスが見せてくる幻影なのか。

ソラリスの海には訪れた人間の意識が広がっている、と参考資料には

書いてあったが、それがもっとも的を得た表現かもしれない。

 

とにかく哲学的であり芸術的であるのは伝わってくるけれど、派手なスペースオペラ

を想像してDVDを手にとってしまうと、観ていてこの上なく退屈に感じる作品ではある

だろう。

 

オレも躊躇したがこの「惑星ソラリス」のほうは製作スタッフ名のひとりに

ジェームズ・キャメロンの名前があったからどこかエイリアン2に近いテイストが

あるかなと期待して鑑賞してみたのはあった。

 

今回紹介したのはとくに面白いと思ったからではない。

かといって、つまらなかったというわけでもない。

果たしてこれが面白いのかつまらないのかも正直わからないのである。

 

まだ観ていない「惑星ソラリス」およびこの「ソラリス特別編」のどちらか

一方でも観たことがあって、

「あれはこういう内容で、こういうことがいいたかった作品だ」

とわかる人がいたらそれを教えてもらいたかったからである。

 

この作品は本当に難しい。

「2001年宇宙の旅」もとても難解で、それに比べたら概要の輪郭くらいなら

ぼんやりと見えてはきているが、もしかするとオレが勝手に間違った解釈を

してきたままなのかもしれない。